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12球団 2020年ドラフトを今更ながら振り返る (セ・リーグ編 広島・中日・東京ヤクルト)

前回から始めたドラフト振り返り企画。

ちなみに前回の記事はこちら

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

  

 

今回は広島中日東京ヤクルトの3チーム

この3チームについて、ドラフト前に書いた「予測編」のリンクを下に貼ります。よければご覧ください。

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

 

広島東洋カープ

補強ポイント

①即戦力のリリーバータイプ

②将来有望な中軸候補

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 栗林 良吏 投手(トヨタ自動車

2位 森浦 大輔 投手(天理大)

3位 大道 温貴 投手(八戸学院大

4位 小林 樹斗 投手(智辯和歌山高)

5位 行木 俊 投手(四国IL・徳島)

6位 矢野 雅哉 内野手亜細亜大)

 

今年はリリーフ陣の不調に苦しんだ印象のカープ。私もその印象を強く感じてたので、「リリーフ陣の補強」を推していた。しかしながら、それと同じくらい深刻なのが「先発陣の不足」。フロント陣はそちらの方を重要視したと言う感じだろう。

その考えは、ドラフト指名でも顕著に。

1位指名したのは、トヨタ自動車・栗林投手。見事に一本釣りを果たした。MAX153キロのストレートはもちろん、カーブ、スライダー、スプリットと言った変化球も一級品。制球もハイレベルで安定しており、確実に1年目から先発ローテーションには入ってくるだろうし、2桁勝利も期待できるはず。何より、ドラフト1位で「大卒かつ社会人卒」の選手を取るのは、1985年ドラフトの長冨浩志投手(NTT関東)以来35年ぶりということからも、チームとしての期待が大きいことがわかる。(高校ドラフトと大学・社会人ドラフトが分離していた2005年〜2007年は除く)

2位の天理大・森浦投手も左の先発候補として期待できる投手だ。ストレートに力があり、スライダーやチェンジアップという武器もある。制球に少し難はあるが、三振を奪える球威があるので、育て方次第では一気にエース格に上り詰めるポテンシャルを秘める。

現在、左の先発投手が床田投手とジョンソン投手の2人で、その2人も今季は結果を残せていないという状態のカープにとっては、この森浦投手は救世主になるかもしれない。

さらに3位の八戸学院大・大道投手も即戦力として期待できそう。3位まで、全体で33番目まで残るとは思わなかったというのが正直なところ。チェンジアップという大きな武器があるので、早い段階で一軍デビューもあるかもしれない。

将来のエース候補生として智辯和歌山高・小林投手も指名。今季の高校生投手の中ではトップクラス。育成に定評のあるカープの本領発揮となるか。

一方で野手は6位の亜大・矢野選手のみ。矢野選手も攻守にバランスの取れた遊撃手という感じで、「主軸候補」というと少し違うか。鈴木誠也選手の後継者候補探しは来年以降の課題となりそうだ。

投手陣の補強に振り切った印象のドラフト戦略を行ったカープ。まずは来年のAクラス復帰、そして3年ぶりの優勝へ。即戦力投手を多く獲得できた点は良かったのではないだろうか。

 

 

中日ドラゴンズ

補強ポイント

①即戦力の野手全般

②左の先発投手候補

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 高橋 宏斗 投手(中京大中京

2位 森 宏斗 投手(日本体育大

3位 土田 龍空 内野手(近江高)

4位 福島 章太 投手(倉敷工高)

5位 加藤 翼 投手(帝京大可児高)

6位 三好 大倫 外野手(JFE西日本)

 

8年ぶりのAクラス入りを果たし、「弱いドラゴンズは終わり」(by大野雄大投手)を印象付けたシーズンとなった2020年。ただし、野手陣の選手層の薄さはまだ解消されたわけではないので、野手面では、

①「即戦力の野手全般」

そして現状、左の先発投手が大野投手と松葉投手の2人。小笠原投手がなかなか定着することができず、ローテーションに入っている松葉投手にしても決して結果を残したとは言えない状態だったので、

②「左の先発投手候補」

この点は絶対に必要かと思っていた。

しかしながら、ドラゴンズの選択は「将来性豊かな野手」「近未来の先発ローテーションの軸」の獲得だった。

1位指名は中京大中京高・高橋投手。MAX154キロのストレート、延長に入っても球威を落とすことの無い馬力、スライダーやフォークといった変化球の鋭さと、2020年高校NO.1投手であり、地元のスター候補でもある高橋投手を指名したのは、既定路線だったはず。ハズレ1位では取れなかっただろうと思うので、ここは当然の結果だろう。「将来のエース候補」として、英才教育が施されるかと思うので、大事に育てていったほしい逸材だ。

2位指名したのは日体大・森投手。高橋投手が「将来のエース候補」であるならば、この森投手は「即戦力先発候補」、あるいは「即戦力リリーバー」といったところか。この人も地元・名古屋出身で、地元出身のスター候補を連続で指名する形に。森投手はMAX155キロのストレートに、多彩な変化球を操り、制球もハイレベル。個人的には1位指名でどこかが獲るかと思っていたので、22人目まで残る形だったのはかなり意外だった。大学での成績を見る限りは登板数に対してイニング数が少ない(30試合登板で94と1/3イニングなので、1試合平均3イニングと少し)。なので、リリーバーとして考えているのかもしれない。4年秋には先発としても3試合登板しているので問題はないかとは思うが、即戦力としての起用を考えるのならリリーバーからか。

3位指名の近江高・土田選手は「将来の遊撃手候補」と言ったところでの指名か。身体能力の高さはかなりのものがありそうで、3年後にはレギュラーになる、そんな選手になるかもしれない。

4位の倉敷工高・福島投手、5位指名の帝京大可児高・加藤投手は「将来のローテーション候補」としての指名だろう。2人ともストレートに力がある投手で、変化球の精度、制球力の向上がされれば、案外近いうちの1軍デビューもありそうだ。

6位のJFE西日本・三好選手は、社会人5年目の選手だが、「スピード&パワー型」の左打ちの外野手と言った形か。ただ、あまり情報が多くなく、しかも入社3年目までは投手だったという経歴の選手。動画を見る限りはかなりよさそうで、とても6位で指名されるような選手には見えなかったが、実際どうなのか。

左の即戦力先発候補は取らなかったが、将来を見越したドラフト戦略にしたドラゴンズ。3年~5年後には高橋投手を中心に、「投手王国」復活となっているかもしれない。

 

 

東京ヤクルトスワローズ

補強ポイント

①どこでもいいから即戦力の投手

②どこでもいいから即戦力の野手

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 木澤 尚文 投手(慶応大

2位 山野 太一 投手(東北福祉大

3位 内山 壮馬 捕手(星稜高)

4位 元山 飛優 内野手東北福祉大

5位 並木 秀尊 外野手(獨協大

6位 嘉手苅 浩太 投手(日本航空石川高)

 

今年も5位とはかなり差がついてしまった最下位と言う結果となったスワローズ。当然求められるのは即戦力だ。

そういう意味では、1位、2位で即戦力で左右の投手を指名し、4位で攻守ともにレベルの高い遊撃手を指名、さらに5位には「超快足」と言う絶対的な武器を持つ選手を指名できたのは大きいか。

1位の慶大・木澤投手はMAX155キロもストレートが武器の投手。タイプ的にはリリーバータイプかなと言う印象で、今期オフにFA宣言する可能性のある守護神・石山投手の後継者候補になるのかなと言う印象。もちろん石山投手が移籍しなければ、

「6回~7回・木澤投手/マクガフ投手/野投手/長谷川投手のローテ起用、

8回・清水投手、9回・石山投手」

という形でいってもいいわけだし、今期も崩壊気味だったリリーフ陣、しかも、近藤投手や中澤投手といった今シーズン20試合以上登板のベテラン2人を切ったということを考えても、ここの戦力拡充は当然の選択だ。

2位の東北福祉大・山野投は左の先発候補だろう。制球にやや難があるそうだが、球威は十二分にある。この投手もストレートに強さがあるので、どちらかと言うと直球に弱いセ・リーグ相手であればいきなり勝ち星を積み重ねてもおかしくない。

4位の東北福祉大・元山選手は左の好打者タイプで主には遊撃手として活躍していた。今年のスワローズの遊撃手というと、エスコバー選手や廣岡選手、西浦選手と固定できず、攻守ともに物足りなさが否めないと言った印象だった。強いスワローズを取り戻すためにはセンターラインの強度を高めていかないといけないが、この元山選手がその救世主となれるか。

5位の獨協大・並木選手は圧倒的な走力を持った選手で、代走・守備固めであれば、いきなりの1軍デビューもあるかもしれない。ホークスの周東選手のように、代走から結果を出しつつ、3年目あたりでレギュラーを高めるようになってくれるとチームとしてはかなりありがたいはず。

 

ただ、この4人を含めても、戦力になる選手がかなり少ない印象のスワローズ。しかも、主力3人がFA権を持っている状態なので、さらに戦力ダウンする可能性がある。

なので、このオフはどう言った動きを見せるかが注目される。

積極的なトレード、さらにはFAでの選手獲得に乗り出してもいいのではないかと思うが、果たしてそう言った「血の入れ替え」は行われるだろうか。

 

 

 

今回はここまで。

 

次回からはパ・リーグになります。

 

11/15追記

こちらです。リンクを貼ります。よかったらご覧ください。

 kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

 

 

 

12球団 2020年ドラフトを今更ながら振り返る セ・リーグ編 巨人・横浜DeNA・阪神)

10月26日、プロ野球ドラフト会議が行われた。 

今回からはこのドラフトについて自分なりに、そして今更ながら振り返っていこうと思う。

なお、「補強ポイント」も併せて記しているが、ここで挙げる「補強ポイント」はドラフト前に書いた記事に記載したものと同様。

あくまでも「後出しじゃないよ!」という主張も兼ねて今回記載します。

(リンクを貼っておきますので、よかったらご覧ください)

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

 

今回から2回セ・リーグ編。(順番は2019シーズンの上位からの順番

今回は巨人横浜DeNA阪神の3チーム

 

読売ジャイアンツ

補強ポイント

①将来有望な中軸候補

②将来の「ポスト菅野投手」候補

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 平内 龍太 投手(亜細亜大)

2位 山崎 伊織 投手(東海大

3位 中山 礼都 内野手中京大中京高)

4位 伊藤 優輔 投手(三菱PS)

5位 秋広 優人 内野手二松学舎大付高)

6位 山本 一輝 投手(中京大

7位 萩原 哲 捕手(創価大)

 

 

ジャイアンツの補強ポイントとして考えていたのは、

「5年後、岡本選手と2大巨砲」になれる将来の中軸候補

「ポスト菅野智之になれる投手

この2つとみていた。

 

①については、近大・佐藤選手を指名したがその抽選を外してしまい、一度練り直し。3位に中京大中京高・中山選手を指名したが、大砲タイプというよりは中距離の好打者タイプか。一方、5位指名の二松学舎大付高・秋広選手200センチ100キロの超大型野手。高校通算23本塁打を放った長打力もあり、上手く育てていけば、名実ともに「超大型砲」になれる可能性がある選手だ。

②については、1位指名で亜大・平内投手を指名し、2位には東海大・山崎投手を指名。平内投手はMAX156キロのストレートを武器に先発・救援ともにこなせる即戦力右腕。山崎投手はMAX153キロのストレートに加え、スライダー、カットボールを高次元で操れる投手。

どちらかと言うと山崎投手のほうが菅野投手に近いタイプかなと言う印象ではあるが、いずれにしてもハイレベルな投手2枚を確保できたのは大きい。

また、①、②とはやや異なるが、4位には三菱PS・伊藤投手を指名。都立小山台高時代から注目されていた投手である。制球力にやや難はあるが、ボールの威力はかなりのもので、先発でも救援でも活躍できそうな投手。右の救援にやや不安のあるジャイアンツであれば、いきなり救援陣の一角でと言うこともあるかもしれない。

 

総じていいドラフト戦略ができたのではなかろうかと思う。

欲を言えば、もう1人ほど高校生の長距離タイプの選手を獲れるとよかったかもしれないが、そこは来年以降にと言ったところか。

 

 

横浜DeNAベイスターズ

補強ポイント

①即戦力の二遊間候補

②即戦力の先発投手候補

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 入江 大生 投手(明治大)

2位 牧 秀悟 内野手(中央大)

3位 松本 隆之介 投手(横浜高)

4位 小深田 大地 内野手履正社高)

5位 池谷 蒼大 投手(ヤマハ

6位 高田 琢登 投手(静岡商高)

 

個人的には、「ベイスターズは即戦力の二遊間候補と先発投手候補を押さえておくべきでは」と思っていたが、どうやらフロント陣も同様の考えだったか。

1位指名したのは、明大・入江投手早大・早川投手指名も予想されていたが、ここは競合を避けてきた。とはいえ、この入江投手もドラフト1位クラスの投手であることは間違いなく、ハズレ1位で獲得することは難しかったかもしれない。

作新学院高時代は今井達也投手(現・ライオンズ)の存在もあって、一塁のレギュラー兼控え投手。本格的な投手としてのキャリアは大学からと言っていい。大学通算で通算5勝と言う結果ではあったが、能力は高く、制球も非常に安定している。少なくとも「四死球から崩れる」と言うことはなさそうだ。1年目から先発ローテーション入りも十分に考えられる。

2位には中大・牧選手を指名。よくここまで残っていたというべきだろう。全体18番目で取れたのは奇跡に近い。スイングスピードの速さはかなり魅力的で、低めのボールも事もなげにスタンドへたたき込める。また、大学での成績を見ると二塁打がかなり多い(通算82安打中で23二塁打)。「ホームランも十分期待できる中距離打者」で、今のベイスターズの内野陣の中に入れても打撃はかなり上位に入るのではという期待ができる。

ただ、大学では二遊間を務めていたが、178センチ93キロとなかなか大柄な体型なので、プロでも二遊間を担えるかが少し不安か。

①、②のポイントを1位、2位でしっかり補強できたということもあってか、ゆとりが生まれた3位以降は近年のベイスターズらしい指名が多かった。

3位に横浜高・松本投手(18歳)、5位にヤマハ・池谷投手(21才)、6位に静岡商高・高田投手(18歳)と将来性もある若い左腕を補強し、4位には履正社高・小深田選手を指名し、将来の三塁手候補もしっかり確保した。

4位の小深田選手、6位の高田投手については「よくこの順位で獲れたな」と言う印象が強い。それくらいいいものを持った選手のはず。

個人的には12球団でも1,2を争うくらいの良いドラフトを展開できたという印象。即戦力を獲りながら、育成にも力を入れていくという意思がしっかり伝わるもので、将来の明るい展望ができるものだった。外野手の指名が無いところを見ると、FA権を持つ梶谷選手との交渉は順調に進んでいるといったところか。

 

 

阪神タイガース

補強ポイント

即戦力の外野手

②将来のスター候補生

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 佐藤 輝明 外野手近畿大

2位 伊藤 将司 投手(JR東日本

3位 佐藤 蓮 投手(上武大)

4位 榮田 裕貴 捕手(立命館大

5位 村上 頌樹 投手(東洋大

6位 中野 拓夢 内野手三菱自動車岡崎)

7位 高寺 望夢 内野手(上田西高)

8位 石井 大智 投手(四国IL・徳島)

 

このドラフト、最大の注目とされていた近大・佐藤選手を4球団競合の末、矢野監督が当たりくじを引いて見せた。地元出身でチームが待ち望んだ左の長距離砲。身体能力の高さから「糸井2世」と言われていた佐藤選手を確保できたことはタイガースにとってはかなり大きなポイントと言える。糸井選手に衰えが見え、福留選手が退団、高山選手は中谷選手が伸び悩み、固定できずにいるライトの定位置を1年目から奪うかもしれない。(ただし本人は内野手志望とのこと。大山選手をライト起用した試合もあったが、その影響か?)

佐藤選手の獲得で、①・②のポイントを確保できたということか、2位以降は即戦力になれそうな選手を多く獲得した。

2位にはJR東日本・伊藤投手を指名。球速はそこまで速くないが、多彩な球種を持ち、実戦型の投手と言う評価。先発ローテーションに左腕が少ない(髙橋投手くらい)ことを考えると、いきなりのローテーション入りも考えられる。

3位の上武大・佐藤投手は大学4年春までリーグ戦登板なしという選手だが、ポテンシャルは高く評価されていたとのこと、4年秋では初登板を果たすと、18イニングで防御率1.50と結果を残した。MAX155キロとのことだが、「こんなものじゃない」という言葉が多いことからも、ポテンシャルはかなり高いことが分かる。1年目から救援陣の一角、3年後には球界屈指のリリーバーになっているかもしれない。 

5位の東洋大・村上投手はケガが無ければ、このドラフトの1位候補と言われた投手。能力が足りないのではなく、単純にケガによる順位の降下であるはずなので、ケガを克服した時には一気に飛躍するかもしれない。四死球から崩れることは無く、ゲームメイク能力に長けた投手という印象。

6位の三菱自動車岡崎・中野選手はチーム内の二遊間の競争を激化させることができるくらいの好守の選手。北條選手や木浪選手、糸原選手や小幡選手への刺激も考えるといい補強だと思う。

 

大砲タイプを佐藤選手で確保し、即戦力の先発で期待できる投手も2人確保。リリーバーとしての大きなポテンシャルを持った投手も獲得し、二遊間激化のための刺客も入れたタイガースのドラフト。完璧ではなかったかもしれないが、しっかりとまとめてきたという印象だ。

 

今回はここまで

次は広島中日ヤクルトについて書いていこうと思う。

 

11/14追記→以下のリンクのとおりとなります。

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

 

 

以上

 

 

12球団 2020年オフ補強ポイント・ドラフト戦略を予測する(パ・リーグ編 千葉ロッテ・北海道日本ハム・オリックス)

3回前から始めたドラフト予想。

ちなみに前回以前の記事はこちら

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

今回は 

千葉ロッテ北海道日本ハムオリックスの3チーム

 

千葉ロッテマリーンズ

補強ポイント

①即戦力内野手

②将来有望な先発左腕候補

 

オフの補強が奏功し、シーズン途中までは激しい優勝争いを繰り広げたマリーンズ。終盤に集団での新型ウイルス感染もあって失速し、優勝こそ逃したが、間違いなく来年に活きる経験をした。

そんなマリーンズだが、

①外野はかなり層が厚いが、対して内野の層は薄いということ

②先発投手陣に1人速球派左腕がいるといいかということ

この2つの印象を抱いた。

 

今回のドラフトでは1位で早大・早川投手を指名することがほぼ間違いなしとのこと。地元の木更津総合出身で、甲子園3回出場という実績もあり、まさに地元が産んだスター候補。競合は不可避だが、ここは何としても獲っておきたいところ。

 

ここで改めて戦力を確認してみる。

現状、外野はかなりの層の厚さを誇る。レギュラー格の荻野選手、マーティン選手、福田秀平選手、菅野選手がいて、清田選手や角中選手と言ったベテランが脇を固め、藤原選手や和田選手、高部選手といった超有望株もアピールを続ける。ベテラン・中堅・若手それぞれ力があり、このオフでの補強は特段必要なさそうに思える。

しかし内野はレギュラー陣と控え組とでかなり力の差があるように見える。また、ショートに関しては、レギュラーの藤岡選手でさえも.220台の打率ではさすがに厳しすぎる。もう27歳なので特段若いわけではないのもネック。

捕手陣は田村選手や佐藤選手がいて、守備型の柿沼選手もいる。3人とも20代と言うこともあるので、「今すぐに即戦力を!」と言うほどではない。

 

投手陣は、先発には美馬投手をはじめ、石川投手や岩下投手、二木投手もいて、右肘手術をした種市投手も来年の中盤戦には戻ってくる。右腕に関しては5枚しっかり揃っている。しかし左腕は小島投手と中村投手くらい。チェンウェイン投手もいるが、来年36歳なので過度な期待は禁物。また、小島投手も中村投手も技巧派タイプ。やはり速球派左腕が1枚は欲しいところか。たしかに早川投手1位指名にするのも頷ける。

仮に早川投手の抽選でアタリを引き当てれば、「左腕の先発型速球派」は補強完了と言っていい。2位以降で内野の即戦力を狙うことになりそう。

逆に早川投手の抽選を外した場合については、1位を内野の即戦力を1枚獲ってから2位以降で左腕の先発型速球派を狙う必要がありそう。

 

早川投手を獲得したの場合

この場合、2位以降で取れそうな内野の即戦力としては、三菱自動車岡崎・中野選手JFE東日本・峯本選手、東北福祉大・元山選手亜大・矢野選手あたりか

中野選手・峯本選手は共に左の好打者タイプ。中野選手はショート、峯本選手はセカンドとポジションもかぶらず、しかも守備も安定している。もしうまく両獲りでもしようものなら一気に内野のレベルは上がるはずだ。

元山選手や矢野選手については、以前書いたドラゴンズ編のところで記載したとおり、走攻守三拍子揃ったショートストップ

ただし、矢野選手についてはこの秋の成績が良くなく、評価を落としているかもという声も。(ちなみに同じくプロ注目、国学院大のショート小川選手も同様とのこと。) 

 

早川選手を逃した場合

内野手で1位指名しないと取れないレベルとなると、中大・牧選手

(近大・佐藤選手は本指名で競合必至のため、ここでは考えないことにします。)

また、2位以降で取れそうな左腕の先発型速球派となると、JX-ENEOS・藤井投手東海REX・松向投手あたりか。即戦力ではなく育成するつもりであれば、静岡商・髙田投手あたりもいいかもしれない。

 

ちなみに全く補強ポイントとは関係ないが、個人的にマリーンズに指名してほしい選手が1人いる。浦和実・豆田投手だ。ストレートはMAX143キロだが、その数字を全く感じさせない質を持っている。とにかくノビてくる。

豆田投手は2年夏で浦和学院打線を9回2安打で完封したことで一気に注目をされたが、この試合で投げていたストレートの質に衝撃を受けた。

名伯楽・吉井投手コーチがいるマリーンズであれば、かなり育つのではないかと個人的に期待している。

 

 

北海道日本ハムファイターズ

補強ポイント

①即戦力の投手

②西川選手の後釜候補となる俊足外野手

 

2004年~2018年にかけて、連続Bクラスはゼロ。15年間でAクラスは11回、うち優勝は5回。まさに黄金期を築き上げたファイターズ。その原動力は投手力にあった。

その投手力に綻びが生じている。先発としてイニングを稼げる日本人投手は有原投手上沢投手くらい。さらにクローザーは秋吉投手の不調もあって固定できず。苦しい台所事情が続いた。加えて、有原投手は今後のメジャー移籍の可能性が消えていない。

それもあってか、今回のドラフトでは1位に苫小牧駒澤大・伊藤投手の指名を公言。他球団で指名しそうなチームも今のところは見当たらず、道産子の大物ファイターズ投手陣の救世主としてやってくることはほぼ間違いなさそうだ。

とはいえ、伊藤投手だけではまだ足りないはず。2位以降ではどんな投手を指名してくるのか。

個人的に見てみたいのは、八戸学院大・大道投手。MAX150キロのストレートはもちろんのこと、ウイニングショットになる大きなチェンジアップは打者泣かせになるかもしれない。また、個人的にはすごく好きな投球フォームなので、ぜひプロで見てみたい。

また、星槎道都大・河村投手はファイターズに合いそうな気がする。192センチの大型右腕で、それでいてまだまだ細身ということで、「しっかりとした筋肉が付いたらどうなるのか」という興味がわくタイプだ。

ファイターズはダルビッシュ投手や大谷投手といった長身の投手が活躍する土壌があるように思える。(上沢投手やファイターズ移籍後に大きく成長した杉浦投手も長身だ。)この河村投手もファイターズならと期待させられる。

 

一方、野手を見ると西川選手の後継者候補がやや不安か。少なくとも、西川選手以上の足を持つ外野手は今のチームにはいない。将来的に「1番・センター」を任せられる選手を1人獲っておくべきだと思っている。そうなると注目は中大・五十幡選手獨協大・並木選手だ。

2人とも超が付くほどの快足で、「今、日本プロ野球界で一番速い」と評されるほどのホークス・周東選手をも上回るほどの走塁力になるのではないかと期待できる。また、西川選手よりも肩は強いという印象で、センターでも安心して守らせることができるのではないか。

 

 

オリックス・バファローズ

補強ポイント

①とにかく「振れる」野手

②一芸を持った野手

 

今シーズンも期待を裏切り続けたバファローズ

とにかく打てない印象は今年も変わらなかった。

特に僅差のここぞでのチャンスで打てない選手が多い。打てないだけならまだしも、「強く振る」こともできてない印象がある。

チーム打率、得点圏打率自体はそこまで悪くないが、誤解を恐れずに言うと「大差がついた時に荒稼ぎしている」「勝っている場面では打っている」という印象。

(一応、根拠も挙げておくことにします。以下のリンク、「UC打率」というところです。)

baseballdata.jp

 

また、野手については「まとまり」「即戦力性」を重視すぎてなのか、明確な武器を持った選手が少ない印象。最近は佐野選手モヤ選手の出現でまだよくなってきたが、もっと「一芸を持った選手」がいてもいいのではないかと思う。

 

そんなバファローズだが、1位指名では近大・佐藤選手を指名することを公言。長打力は周知のとおり。逆方向にもかなり飛ばせるし、「身体能力の高さ」「豪快に振り抜くスイングの強さ」という明確な武器もあるので、補強ポイントであることは間違いない。この指名は競合必至だとしても当然ともいえる。

一方、クジを外した場合には「ポジション関係なくいい選手を上から」という方針とのこと。

ただ、明らかに今のチームは野手が力不足であるはず。

投手も決して安泰ではないが、山本投手・山岡投手・田嶋投手という軸がいて、若手が多く出てきているので、そこまで悲観しなくていい。とにかく強い個性を持った野手を指名していかないと、この先も強くなることは無いだろう。

 

というわけで、徹底的に野手を紹介していく。

 

1位指名・佐藤選手を獲得できた場合

2位以降で獲得できるかもしれない野手では、中大・牧選手JFE東日本・今川選手中大・五十幡選手獨協大・並木選手あたり。

(牧選手は本当にうまくいかない限り、2位までは残っていない気がするが・・・。)

牧選手と今川選手については「強く振る」「特筆するべき長打力」という明確な武器がある。今のバファローズには圧倒的に足りていない能力を持った2人だ。

五十幡選手や並木選手は「圧倒的な走力」というこれまた明確な武器がある。最近、佐野選手がスタメン起用されることが増えたが、その際に代走で盗塁が期待できそうな選手がいなくなるのが難点だった。五十幡選手、並木選手はその問題を解消できる選手だ。

 

1位指名・佐藤選手を獲得できなかった場合

とりあえずハズレ1位には明石商・来田選手中大・牧選手JFE東日本・今川選手のよう「振れる選手」を確保することが最優先。まずこの3人のうち誰かを指名し、最悪でも1人は確保しておきたい。

また、バファローズは2位指名が一番最初、要は「13番目の選手を獲得できる」というメリットがあるので、とにかくハズレ1位のところも強気でいってほしいところ。上手くいけば、上記の3人のうち2人を両獲りできるかもしれないので、ここの戦略は大事だ。

また、履正社・小深田選手を3位ないし、4位あたりで取れると最高の展開だろう。この選手もかなり振れる。顔から漂う大物感がたまらない。

presidents-diary.com

 

 

そして個人的にバファローズが獲るべきだと思うのは、独立リーグ群馬ダイヤモンドペガサスの速水選手だ。

189センチ102キロという体格を持ったキャッチャーで、魅力はその体格から繰り出す圧倒的な長打力。スイングは豪快・圧巻そのもので、ヤンキースの大砲、アーロンジャッジ選手になぞらえて、「和製アーロン・ジャッジ」という異名があるほど。

この選手の個性は間違いなくプロでも人気が出るはず。キャッチャーではあるが、一塁手への転向の可能性も含めて、指名してほしい選手だ。

 

とにかくバファローズに求めることは、「一芸を持った選手と振り切れる選手を獲りまくれ!」ということだ。

 

 

 

今回でドラフトシリーズは終了。

 

今回のドラフトは例年以上に判断が難しいところだが、各球団どんな判断をしていくのか。

注目のドラフトは10月26日、午後5時開始予定です。

 

 

以上