6月も終わり、ジャイアンツ以外のチームがシーズンの半分以上の試合を終えた状態となっています。3月に順位予想をしていましたが、それと比べてどのようになっているか。ここまでを振り返りながら見ていき、今後の展望についても少し書いていこうと思います。
(パ・リーグ編は来週書いていきます)
6月30日終了時順位 (ゲーム差は首位との差)
1 巨人 40勝30敗1分
2 広島 38勝34敗3分 3.0ゲーム差
3 阪神 35勝36敗4分 5.5ゲーム差
4 DeNA 35勝36敗2分 5.5ゲーム差
5 中日 33勝39敗0分 8.0ゲーム差
6 ヤクルト 28勝46敗2分 14.0ゲーム差
3月順位予想
1 巨人
2 広島
3 阪神
4 ヤクルト
5 DeNA
6 中日
まあ、割とよく当たってる方なのではないかと自画自賛してみます。(笑)
各球団共に、ここまではかなり浮き沈みの激しいシーズンを送る。(成績の面だけでなく、主力の不在も含めて)そういった印象です。
1位→読売ジャイアンツ
カープから丸選手を獲得し、打線の強化に成功。開幕から大きな連敗もなく、セ・リーグ6球団の中では唯一、ここまで成績での浮き沈みは無かったかなと思います。結局今日までの最大連敗は4連敗。逆に6連勝1回、5連勝1回。交流戦は5カード連続2勝1敗で勝ち越して、通算で11勝7敗で貯金4。悔しいですが、さすがというべきですね。安定して強いです。
しかし、エースの菅野投手が万全ではなく防御率は4点台。7勝してますがすでに4敗していて、菅野投手らしくない投球が続いています。さらに、抑えのクック投手が早々リタイア。現在は中川投手が抑えをやっている段階ですが、シーズン終盤の大事な時期にどうなるかは未知数。打線もビヤヌエバ選手が全く当たらずという状態。主力の不在・不振という意味ではセ・リーグで1番の浮き沈みとなっています。
2位 広島東洋カープ
丸選手移籍の影響は大きかったか、スタートで大きく出遅れます。開幕5カード連続負け越し、4月16日時点で4勝12敗の借金8という状態に陥ります。ところが4月17日のジャイアンツ戦で逆転勝ちを収めると、そこから8連勝。さらに5月11日からは11連勝を飾り、一気に首位に躍り出ます。(5月の成績は20勝4敗1分というとてつもない数字)
これで波に乗っていけるかと思われた6月、交流戦で5勝12敗1分の最下位、リーグ戦再開のベイスターズ3連戦でも2敗1分と勝ちなし。結局月間の成績は6勝15敗2分という大ブレーキ。首位の座も明け渡し、苦しい戦いが続いています。
とにかくここは田中広輔選手と中崎投手の不調が大きいでしょう。特に田中広輔選手はシーズン半分以上終わってほぼ2割(.201)。これはさすがに想像してなかったでしょう。というより、想像している人がいたとしたら、その人は未来予知の能力か何かに目覚めた人ですよ。(笑)そして、やはり痛いのは丸選手の移籍ですね。西川選手も3番として結果を残していますが、長打という面で見劣りします。バティスタ選手が確実性を上げて、現在2割8分台と好成績ですが、穴を埋めるにはもう2分は欲しいところでしょうか。
3位 阪神タイガース
このチームもなかなか波が激しいです。 というより、対戦相手によって成績が変わりすぎというべきか。
対ベイスターズ、9勝3敗。特にハマスタでのこのチームを見ていると、圧倒的な強さで優勝するチームかと思いますよ。何やってもうまくいく感じですし。
さらに対スワローズにも7勝3敗ですから、この2チームとの対戦だけで10の貯金を獲得してるわけです。
ところがジャイアンツ、カープ、ドラゴンズにはそれぞれ4勝6敗、5勝7敗、4勝7敗と負け越し。さらに交流戦で6勝10敗、特にイーグルスには本拠地で3連敗。結局現在は借金1となっています。
メッセンジャー投手、西投手、ガルシア投手などを中心にした先発陣はリーグトップと言われていましたが、ここまでは今一歩乗り切れないな状況。リリーフ陣の奮闘でなんとか大きく崩れずにいるという感じです。
また、打線の方では近本選手や木浪選手といったルーキーが出てきて、機動力はかなり増した感じですが、ここ最近、チーム全体として調子を落としつつあるのが気がかりでしょうか。福留選手の離脱も痛いところです。
7月最初のハマスタでのベイスターズ3連戦。相性抜群のこのカードが大きなターニングポイントになるかもしれません。もし負け越すようなことがあると・・・優勝争い、Aクラス争いが苦しくなる可能性、高まります。
今年のセ・リーグで最も成績面での浮き沈みを味わっていると言っていいベイスターズ。色々ありすぎて書ききれません。
開幕15試合で9勝6敗。ここまでは割とよくある普通の成績です。が、この間にもいろいろありました。神宮での「パットン投手、連続リリーフ失敗」、甲子園での「上茶谷投手の初勝利を消した、5点差リードを2イニング9失点で見事に吐き出すリリーフ陣」。もしかしたら、この時からその後の波乱のシーズンは予期されていたのかもしれませんね。
4月16日の対ドラゴンズ戦から悪夢の10連敗。この間、「点はホームラン以外で取れない、相手には簡単に点を取られる」の連続。ファンの方が1番心を折られたであろう試合は25日のタイガース戦。9回2アウトから近本選手の逆転3ランホームランのあの試合です。(山﨑投手が救援失敗したのはあの試合のみ。逆に言えば、よりにもよってあの試合に限ってといったところです)
さらに、(なぜか)あまり知られていませんが、5月3日から8日までにも5連敗してます。
結局、4月16日から5月12日までの成績は22試合で4勝18敗、勝率は.222です。もう、すごすぎて(笑)。本当に振り返りたくない。というより、記憶が飛んでるんですよね、この時期。(笑)
とりあえず、どう考えても最下位のチームの成績です。
ところが5月17日の神宮でのスワローズ3連戦で3連勝、2戦目には上茶谷投手にプロ初勝利がつくという出来事がありました。そこからでしょうか、チームが息を吹き返します。5月17日から6月2日までの対セ・リーグ13戦で9勝4敗。そこから迎えた大の苦手の交流戦でまさかの勝ち越し!(10勝7敗1分)しかも、サヨナラ勝ちも2試合、劇的な逆転勝ちもありと勢いに乗るには十分でした。
さらに交流戦明けのカープ3連戦で2勝1分。なんと、34試合で21勝11敗2分と見事なまでのV字回復です。
個々の選手で見てもドラマが多すぎて、ちょっと書ききれませんが、ざっと思いつく限りでも、
・宮﨑選手、4月終了時まさかの1割台の大スランプ
・パットン投手、大不振からの胃腸炎で一時離脱
・筒香選手、交流戦で大スランプ。最後のイーグルス3連戦では10打数8三振という大不振ぶり
・上茶谷投手、3連敗を喫していたが、初勝利をあげてからは4連勝。
チームも個々も本当に浮き沈みが激しいですね(苦笑)
ベイスターズについてはまたどこのかのタイミングで別ブログに書いていこうと思います。
5位 中日ドラゴンズ
正直、最下位争いに終始する1年になるのかなというのが当初の予想でした。特に投手陣。ガルシア投手が抜け、ロメロ投手が加わりましたが、選手層はかなり薄いように思えましたし、昨年6勝をあげた松坂投手がキャンプで肩を負傷するし、笠原投手はオープン戦で打ち込まれてたし(シーズンでは持ち直しましたね。)で今年はかなり厳しいのかなと思っていました。
しかし、ここまでシーズン半分を経過し、3位とのゲーム差は2.5ゲーム差。まだまだAクラスを射程圏内とする位置にいます。
大きかったのは2つ。先発陣では柳投手の完全覚醒でしょう。開幕投手の笠原投手が不整脈で離脱、吉見投手も勝ちがつかず、本来ならローテーション崩壊してもおかしくないところでしたが、3年目の柳投手が見事に一人立ち!チームのエースにのし上がりました。もともと能力の高い投手でしたが、この過酷ともいえる状況をモチベーションに変えたのか、お見事な投球が続いています。
さらに、リリーフ陣では8回ロドリゲス投手、9回マルティネス投手で固定できたことは大きかったですね。特にロドリゲス投手、左の150キロオーバーでコントロールも水準以上。こんな人が1イニング全力投球なんてすれば、そうは打てません。本当にいい投手を獲得したものだと思います。
打線はもともと能力の高い選手が揃っていました。が、ナゴヤドームという打者にとっては厳しい球場を本拠地にしていることもあり、得点力はリーグ最下位。ですが、「ナゴヤドームではロースコアで勝つ、ビジターでは打撃戦に持ち込む」という必勝パターンを形作り、そこに持っていくことに集中すれば、リーグ最下位の得点力というのは、そこまで大きな痛手にはならないのかなとは思います。(実際、278得点の得点力同様、失点数も282失点と少なく、1試合平均の失点数ではリーグ最少です。防御率はリーグ5位なので目立ちませんが。)
得点力以上にこのチームの問題点といえば、「どう見ても勝った試合」を年に何回か落とすことでしょう。(特に交流戦でのバファローズ戦の9日裏1アウトから2点リードを吐き出してのサヨナラ負けやマリーンズ戦の6点差大逆転サヨナラ負けなど)
こういう取りこぼしが無くなれば、このチームは一気に上に行けるはずです。
6位 東京ヤクルトスワローズ
先ほど10連敗したベイスターズのことを書きました。「今年の大型連敗枠はベイスターズだったか」と思っていましたが、まさかその1ヶ月後にそれを超えてしまうチームが出てくるとは。それも昨年2位のチーム、今年は優勝も視野に捉えていたチームが。もっと言えば、連敗が始まる前は貯金5で首位にいたチームです。本当に野球というスポーツの怖さを知らしめたということでしょう。
先にも書きましたが、このチームはスタートダッシュに成功しています。その要員としては相変わらずの破壊力を持つバッター陣、そしてリリーフ陣の奮闘でした。
青木選手、山田哲人選手、バレンティン選手といった素晴らしいバッター陣が揃っているチームで今年、抜擢されたのが19歳の村上宗隆選手でした。この村上選手、まあ凄いですよ。打率はまだまだ低いですが、とにかくよく飛ばす。当たれば飛ぶ。
まだシーズン半分ちょっとですが、すでに19本塁打。繰り返しますが、まだ19歳です。まだ2年前のこの時期、九州学院高校で甲子園を目指していた人です。そんな人が球界屈指のバッター陣の中で4番を張っているんですから、凄まじいです。もちろん、先に書いた3人もさすがの力を見せつけ、得点力に困るということはありません。
リリーフ陣では、10年ぶりの古巣復帰となった五十嵐投手が「投げれば勝つ」みたいな感じで、4月までに5勝をあげる驚異的な活躍。マクガフ投手やハフ投手、梅野投手や近藤投手、そしてクローザーの石山投手と大奮闘し、最大5の貯金を持っていました。
が、それは同時に先発陣が試合を作れていないことを表していました。そして、そのしわ寄せがあの16連敗です。もちろん野手陣の西浦選手・坂口選手の不調、離脱も大きかったとは思いますし、その打線の不調が同時に来てしまったのもありましたが、それ以上に投手陣の崩壊が大きかったように感じます。(しかもこの時期、石山投手が離脱してましたし・・)
「ここで一発だけは打たれてはいけない」という場面に限ってホームランを打たれてしまったり、「ここさえ凌げば」という場面に限って打たれてしまったり。特に疲弊したリリーフ陣が数字以上に印象の悪い点の取られ方をしているという印象でした。
先発も防御率3点台の投手が石川投手くらい。小川投手は未だ1勝、防御率も4点台の後半。原 樹里投手も好不調の波が激しすぎて、3勝7敗、防御率はこちらも4点台の後半。先発がこれではなかなか勝てないです。
早くも自力優勝が消滅してしまったスワローズ。しかし、諦めるのはまだ早いです。シーズンは残り半分あります。もともと、勝ちだすと凄まじい力を出すチームです。あの2010年のメークミルミルも、昨年も最大借金10からの2位への躍進がありました。そのためには一にも二にも投手陣です。復調に期待したいところです。
展望
自分なりに展望を書いていきます。
・リリーフ陣に不安の残るジャイアンツと先発陣に不安の残るカープの優勝争いは9月まで続きそう。少なくとも、どちらかが独走するということもなさそう。9月13日・14日の直接対決は注目。
・タイガース、ベイスターズ、ドラゴンズによるAクラス争いは投手陣の層が1番厚いタイガースが若干優位か。しかし、ベイスターズ、ドラゴンズも底の状態を脱していて、上り調子。ここからさらに調子を上げる可能性もある。
この3チームによる直接対決は全試合注目するべき。
・ペナントを予想外の展開に持っていくにはスワローズの奮起が必要不可欠。とくにジャイアンツ・カープとの試合には注目。
そしてその奮起次第では、大逆転でのAクラスもまだ十分あり得る。
さあ、ここから7月の戦いです。
優勝もAクラス争いも、これからが本番!どうなるでしょうか。
以上