J1・J2入れ替え戦も終わり、天皇杯も決勝戦を残すのみ。いよいよ本格的なオフシーズンになっていきます。
我らがアルビレックス新潟、2019シーズンの成績はというと
17勝14敗11分、勝点62 71得点52失点 10位
となり、目標のJ1昇格は果たせずに終わりました。
それでも、希望が見えなかったここ数年と違い、今年は若手選手の台頭、早川選手の復活、攻撃的なスタイルのサッカーの構築と明るい材料が多く出てくるシーズンとなりました。
吉永監督の退任は残念ではありますが、アルビレックス新潟ユースの監督として、来期以降もチームに関わってくれるということで、一安心。来期はクラブ初のスペイン人監督アルベルト監督の下、さらなる攻撃サッカーの構築、そしてJ1昇格へ。勝負のJ2降格3年目となります。
さて、監督交代、キャプテンのシーズン途中の移籍、早川選手の奇跡の復活、レオナルド選手の得点王獲得とさまざまな話題があった2019シーズンのアルビレックス新潟について書いていきます。
最大トピック部門
早川史哉選手、3年半ぶりの復活
もう、説明不要です。
よくぞ戻ってきてくださいました。
筆者的ベストゲーム部門
第38節 VS京都サンガF.C.戦 3-1 〇
わずかになってしまった昇格の望みをつなぐために負けられないこの試合。相手は昇格プレーオフ圏内(当時)にいた京都。モチベーション高く新潟に乗り込んできた難敵・京都を相手にした試合でしたが、攻守ともにやりたいことを発揮できた試合でした。左サイドで相手を崩し、クロスからシルビーニョ選手のヘディングで先制点を挙げ、後半にはレオナルド選手が立て続けに2ゴールを決め試合を決めるという展開でした。
この試合、ルーキー秋山選手がスタメン出場。37節の福岡戦で後半頭から出場、プロデビューを果たしていた秋山選手でしたが、スタメンは当然初めて。しかも、絶体絶命のチーム状況での起用。普通は「地に足がつかない」という状況になるはずなのですが、この秋山選手は並大抵の選手ではありませんでした。中盤でボールを受け、的確にボールを配球。相手に囲まれても平然とかわし、堂々とした振る舞いを見せてくれました。この秋山選手のプレーぶりを見て来季の楽しみがまた一つ増えた、そんな試合になりました。
筆者的ワーストゲーム部門
第14節 VS愛媛FC戦 2-3 ⚫️
5月〜6月は思い出したくない試合が続きましたが、その中でもこの試合は最悪でした。
前半のうちに2点を取り、しかもホームゲーム。さすがに勝ったと思いました。しかし、愛媛が後半頭から2人選手交代をして雰囲気を変えようと動いた途端、後半立ち上がりにあっさりと2失点し追いつかれ、その後も糸口を掴めずにいると、後半37分に勝ち越され、ジ・エンド。その前の長崎戦もなかなかに酷かったですが、それを上回る負け方を、しかもホームゲームでやってしまったというところが大きかったです。今シーズンを振り返ってみると、この試合で逆転負けを喫したことが全てだったのかなと思ってしまいます。
筆者的ベストゴール部門
第41節 VS大宮戦 62分 渡邉新太選手
26節の徳島戦で見せた戸嶋選手のスーパーボレーや2節の千葉戦で決めた田中達也選手のミドルショットも素晴らしかったですが、個人的にはこのゴールです。
時間帯、昇格がかかっているモチベーションMAXの対戦相手、しかもアウェーという環境。ゴールまでのプロセス、全てがパーフェクトでした。
本間選手のドリブルで相手陣内に切り込み、エリア手前でシルビーニョ選手と渡邉新太選手で見せたパス回し。そして新太選手の強烈な、まさしく左足一閃の先制ゴール。3人の個人技と連携が融合した、爽快なゴールでした。
最優秀補強選手部門
NO.5 舞行龍ジェームズ選手
得点王のレオナルド選手も居ましたが、それ以上にこの人の補強(復帰)は大きかったと思います。点は取れても安定しない守備陣の影響で勝点を落とし続けてきたチームがこの人の復帰とともに勝ち切れるようになったのは偶然ではないはず。能力はJ2では群を抜いていました。1対1での強さ、フィード力の高さ、経験値、どれをとってもトップクラスでしょう。フロンターレではケガが多く、試合勘に不安を抱いていた人も居たと思いますが、その不安を払拭するプレーぶり、さすがでした。
筆者的ベストプレイヤー部門 トップ3
3位 レオナルド選手
28得点でJ2得点王。シュートのうまさ・引き出しの多さは前評判通り、いやそれ以上でした。終盤戦はもはや敵なしの動き、働き。序盤はベンチ外の時期もあり、苦しかったはずですが、よくやってくれました。
まだ22歳という年齢もあり、移籍の噂は絶えませんが、移籍したとしても文句はないです。むしろ、早く欧州で活躍する姿を見たい。そんな選手の1人です。
2位 高木善朗選手
新潟のピッチ上の闘将。イエローカードの数はチームダントツの9枚。しかしそれは、チームを本気で強くしたいという気持ち、勝利への飽くなき執念の現れです。
熱さばかりではありません。何度も魅せた美しいパス、攻撃を司る視野の広さ。守備でも手を抜かない姿勢。まさしく若手のお手本です。この人が負傷離脱したあと、福岡戦・栃木戦と敗れてしまったのはやはり偶然ではないでしょう。新潟に不可欠な存在です。
1位 大武峻選手
「3780」・「34」・「5」
今年の大武選手を表す数字です。
「3780」
42試合×90分=3780分(ATは除く)
大武選手の今年の出場時間は3780分
すなわち42試合全てにフル出場したわけです。今年のアルビレックスの中でこの記録を達成したのは大武選手のみ
(大谷選手は最終節、引退する野澤選手との感動的な交代があって、出場時間は3779分となっています)
「34」
第8節の岡山戦でシーズン3枚目のイエローカードを貰って以降、34試合連続無警告・無退場という快挙。この記録無くして、フル出場は果たせなかったということ。しかもセンターバックという守備の要のポジションでこれは本当に素晴らしい。
「5」
今シーズン5人の選手とセンターバックのコンビを組んだ。
1シーズンで合計5人とコンビを組むというなかなか落ち着かず、大変難しいシーズンだったが、42試合やり切った。
52失点という数字だけ見れば、物足りなさが目立つ。不用意なミスもあった。それでも、この難しいシーズンの中、42試合フル出場を果たした大武選手の存在が無かったらと思うとゾッとします。
「休まないこと」、これがどれだけ大切でどれだけすごいことなのか。想像に難くありません。
大きなケガも不要なカードをもらうこともなく42試合3780分を戦い抜いてくれた大武選手が今年の筆者的MVPです。
2019シーズンのアルビレックス新潟、色々ありましたが、終盤に見せてくれた「光」は2020シーズンに間違いなく繋がります。2020シーズン、もう「昇格」しかありません。
以上