2020年になり、プロ野球のキャンプインまで3週間を切りました。
このオフ、ドラフト会議、FA宣言、各球団の補強や大物選手の移籍などで盛り上がりを見せたプロ野球界。2020年シーズンももう少しで始まり、「野球の季節」到来が今から待ち遠しいです。
そんな2020年のプロ野球界で注目されている2チーム、東北楽天ゴールデンイーグルスと千葉ロッテマリーンズについて今回は書いていきます。
昨年成績→71勝68敗4分 3位
チーム打率 .251(リーグ4位)
チーム本塁打数 141本(リーグ4位)
チーム得点数 614点(リーグ3位)
チーム防御率 3.74 (リーグ2位)
チーム失点数 578点(リーグ2位)
昨年2年ぶりのAクラス入り、CSでもホークスに唯一の黒星を付けたイーグルス。
2018年8月からGM職に就いている石井一久GMの下、大胆な改革を行っており、このオフの動向に関しても野球ファンの関心を集めていたのは今さら言うまでもありません。
そんなイーグルスのこのオフの主な動きは以下の通りです。
主なIN
涌井秀章投手(←マリーンズ 金銭トレード)
酒居知史投手(←マリーンズ 美馬学投手のFA移籍に伴う人的補償)
シャギワ投手(←ドジャース)
主なOUT
美馬学投手(→マリーンズ FA移籍)
ハーマン投手(→マリーンズ 自由契約)
小野郁投手(→マリーンズ 鈴木大地内野手のFA移籍に伴う人的補償)
今江年晶(敏晃)内野手(引退)
かなりの大型補強、血の入れ替えがかなり激しい印象です。
それにしてもマリーンズとの取引がかなり多いですね。たまたまかとは思いますが(笑)
さて、ここに記載しているとおり、鈴木大地選手をFA移籍で獲得しています。恐らく「2番・サード」もしくは「6番・サード」で起用されることになるでしょう。昨年はサードをなかなか固定することができなかったイーグルス。大きな補強となるはずです。昨年の成績は.288 15本塁打 68打点と好成績を収めています。さらに犠打は15回を企図し13回成功。約87%の成功率を誇っており、と「つなぎ役」としても機能することもできることは証明されています。おまけに昨年はシーズンで3回のサヨナラ打を放つなど勝負強さも兼ね備えています。そんな鈴木選手の加入は間違いなく打線に大きなプラスになる事でしょう。また、鈴木選手はマリーンズでキャプテン・選手会長を務めていた選手でもあります。グラウンド外の面でも大きな補強です。
また、涌井投手を金銭トレードで獲得しています。2019年は3勝7敗 防御率4.50、被安打率は10.47とかなり打ち込まれてしまっていた涌井投手。しかしまだ33歳であること、2018年までは5年連続で規定投球回数に達していることから、このまま終わるとは思えません。美馬投手の移籍に伴い、手薄になっている先発投手陣に加わることができるまでに復活することができれば、大きな補強となるのではないかと思います。
酒居投手の獲得も大きいですね。マリーンズがなぜ人的補償の際にプロテクトしていなかったのかという疑問が湧いてくるくらいの驚きはありました。今シーズン54試合登板の右のリリーフタイプの投手で、57 1/3イニングを投げ、60奪三振と、イニング以上に三振が取れるところも大きな魅力です。
1月中旬にはドジャースからシャギワ投手を獲得しました。ナショナルリーグ西地区7連覇中、ナショナルリーグを2017年・18年と連覇するなど強豪として名を馳せるドジャース。そのチームの中で直近2年間で合計60登板している投手をよく日本球界に引っ張ってこれたなと驚きました。いくらFAとはいえ、まだ29歳という年齢、1イニング1個以上の奪三振を奪える球質(18年は32 1/3イニングで40奪三振、19年は21 1/3イニングで28奪三振)を持っているのでメジャー球団から声がかかってもおかしくないクラスの投手なんです。そんなシャギワ投手を獲得できたのはドジャース在籍経験のある石井GMの手腕が大きいでしょう
そして最も大きいのは牧田投手の加入です。もはや説明不要。先発・中継ぎ・抑えどこでもできる、球界屈指のアンダースローの加入は投手陣のグレードアップには大きな力を与えることでしょう。古巣ライオンズ戦の際には、強力打線相手にどのような投球を見せてくれるか、期待させてくれる投手です。
このように加入選手について書いていきましたが、退団選手についても見ていくと、昨年唯一規定投球回数に達した美馬投手がマリーンズへ移籍。中継ぎのハーマン投手や若手有望株であった小野投手もマリーンズへ移籍しました。
また、高卒2年目であった西巻選手についても自由契約でマリーンズへ移籍しました。イーグルス側は育成契約で再契約する方針だったとのことですが、高卒2年目、しかも2年連続で1軍出場を果たしていて、しかも地元・仙台育英高校出身の有望株をなぜ育成契約にしようとしたのか。
「鈴木選手のFA移籍に対しての人的補償で取られたくなかったから」という説も噂されていますが、だとしてもこれ以外にやり方はあったはずです。
(というより、これがまかり通ってしまったら、FAは獲得するチームが一方的に有利なだけの制度になってしまうような気がします・・・。)
そして、チームの顔であり象徴・球界の選手会長も務めていた嶋選手の自由契約・そしてスワローズ移籍というのは衝撃的でした。まさか自由契約という形で別れを告げることになるとは。確かに捕手陣、若手の選手たちが台頭してきました。嶋選手の衰えも見えていました。しかし、それでもこの形をとるとは思ってもみなかったです。ある意味、シビアなメジャーリーグの現場を見てきた石井GMだからできることなのかもしれません。が、ファンの方はどのような心情なのかは興味があります。「功労者に対してどのように接していくのか」、数年前までその課題で幾度も失敗してきた球団がセ・リーグにあったので、イーグルスが今後どうしていくのかは見ものです。
このように大きな転換期を迎えたイーグルス。この改革は吉と出るか、凶と出るか。
昨年成績→69勝70敗4分 4位
チーム打率 .249(リーグ5位)
チーム本塁打数 158本(リーグ3位)
チーム得点数 642点(リーグ2位)
チーム防御率 3.90 (リーグ4位)
チーム失点数 611点(リーグ4位)
ラグーン設置の影響を受け、急激に増えたホームラン。これからのマリーンズは「重量打線」を売りにしたチームになっていくのかもしれません。
ですが、「一発長打」だけではチームを安定した強さにすることはできません。リーグ5位に終わったチーム打率、最低でも1分は上げていきたいところです。
また、投手陣を見ても、二木投手や種市投手、岩下投手などの若手の成長はありましたが、もう少し強度が欲しいと思う事も多かったです。
それはマリーンズフロント陣も理解していたのでしょう。
マリーンズのこのオフの主な動きは以下の通りです。
主なIN
小野郁投手(←イーグルス 鈴木大地選手のFA移籍に伴う人的補償)
ジャクソン投手(←ブルワーズ)
佐々木朗希投手(←大船渡高校 ドラフト1位)
佐藤都志也捕手(←東洋大 ドラフト2位)
福田光輝内野手(←法政大 ドラフト5位)
福田秀平外野手(←ホークス FA移籍)
高部瑛斗外野手(←国士舘大 ドラフト3位)
主なOUT
ボルシンガー投手(→未定 自由契約)
酒居知史投手(→イーグルス 美馬学投手のFA移籍に伴う人的補償)