前回はセ・リーグの順位予想を書いていった。
今回から2回は、2020年パ・リーグの順位予想を書いていこうと思う。
今回の予想は以下のとおり。
1位 東北楽天
2位 福岡ソフトバンク
3位 埼玉西武
4位 北海道日本ハム
5位 千葉ロッテ
6位 オリックス
では、各チームについて、
野手陣
捕手は太田選手が本命か。昨シーズンはルーキーながら、56試合に出場。即戦力であることを示した。堀内選手もいるが、打撃に難がある印象で、せめて2割は打てるようになって欲しいところ。山下選手は長打力では捕手陣トップクラスだが、他の部分が粗いか。また、岡島選手にも期待したかったが、復帰はおそらく5月以降と予想。それまでに太田選手が不動の地位を築き上げる可能性もある。
内野陣はかなり強力だ。
一塁手は生え抜き初の1000本安打を達成した銀次選手が本命だが、内田選手が自慢の長打力をアピールし続けていて、一気のレギュラー奪取も夢ではなくなってきている。ここ数年は「オープン戦は打てるが、公式戦では・・」の状態が続いているが、今回こそは脱出できるか。
二塁手は浅村選手で確定的。ここ数年は毎年のようにフル出場しており、体の強さも申し分ない。藤田選手や山﨑選手がバックアッパーにいるのも頼もしい。また、高卒ルーキーながら、一軍に帯同し続けている黒川選手も楽しみな存在だ。
三塁手はマリーンズからFA移籍してきた鈴木大地選手が務めることになるだろう。鈴木選手が「2番・三塁」として入ってくると、打線はかなり強力になる。また、リーダーシップに長けており、その面でも期待したい。控えにはウィーラー選手がいて、どっちになったとしても強力なメンツだ。
遊撃手は茂木選手で固定されるかと思われたが、故障離脱してしまった。そのため、不安材料になるかと思われたが、ドラ1・小深田選手が攻守に渡ってアピールしている。もし、小深田選手が定位置確保となれば、茂木選手は大学時代に守っていた三塁手に転向なんてこともあり得る。内野競争はかなりハードな展開になってきた。
外野陣もかなりレベルが高い。左翼手・島内選手 中堅手・辰巳選手 右翼手・ブラッシュ選手とレギュラー陣の能力はパ・リーグトップクラス。ここに大砲ロメロ選手、2018年新人王田中和基選手、オコエ選手、渡邊佳明選手、小郷選手、和田恋選手が控えている。ここまで外野陣の選手層が厚いチームは、12球団見ても他にはないのでは。
DHはロメロ選手とブラッシュ選手の交互起用が濃厚か。 ブラッシュ選手・ロメロ選手の超強力コンビ「BR砲」で70本・220打点と行きたいところだ。
投手陣
先発陣最大の注目は、球界屈指のクローザーとしての地位を築いていた松井裕樹投手の先発転向だ。1試合22奪三振の甲子園記録も作ったこともある「先発」という戻るべき場所に戻ってきたといっていい松井投手の躍動が今から楽しみだ。心配な面があるとすれば、スタミナとペース配分の再考による球質の落ち方か。ただ、2年前にも先発経験はあるので、そこは調整してくるだろう。
そして松井投手以外の先発陣も豪華なメンツがそろっている。絶対的エース・則本投手をはじめ、岸投手、辛島投手、涌井投手といる。松井投手も含めてここまでの5人はローテーション確定だろう。6番手争いも石橋投手、塩見投手の実績のある選手に加え、藤平投手、釜田投手、菅原投手、弓削投手といった未完の大器もいる。層の厚さはかなりのものだ。
救援陣に目を向けると、森原投手、ブセニッツ投手、宋投手、高梨投手、酒居投手といった最盛期を迎える投手たちに加え、現役メジャーリーガー・シャギワ投手を獲得。そして、究極の便利屋・牧田投手を獲得したのは大きい。この6人だけでも相当だが、ベテランの青山投手や久保投手も控えているし、若手の西口投手も台頭してきた。かなりの層の厚さだ。懸念材料としては外国人枠の関係で、ブセニッツ投手・宋投手・シャギワ投手のうち1人は1軍にいられないということと守護神が固まっていないことくらいか。いずれにしても贅沢な悩みなのだが。
注目選手→松井 裕樹投手
「本職」ともいえる先発のマウンドに帰ってきた。超高球質のストレート・スライダー・チェンジアップがうなりを上げるか。
2位 福岡ソフトバンクホークス
野手陣
捕手は甲斐選手が正捕手になることが確定しているといっていい。この選手は替えが利かない。打撃の定評のある栗原選手、守備に定評のあるベテラン高谷選手もいるが、甲斐選手に不測の事態が起きた場合は相当な戦力ダウンになりそうだ。ドラ2・海野選手は怪我がなければ1軍に入ってきてただろうが、現在離脱中。いつ復帰できるか。
内野陣は、大きな戦力変化は無し。
一塁手は内川選手と中村晃選手の稀代のバットマンの争いが予想されているが、ここにきてスケールの大きいリチャード選手が参戦してきた。現時点では育成契約のため、1軍出場はできないが、長打力は申し分ない。ミート力と守備力が成長してくれば、一気に形勢逆転ということも考えられる。
二塁手は牧原選手と明石選手を中心に、超快速・周東選手、左殺し・川島選手、守備に定評のある髙田選手が用途に合わせてスタメンを張る形が濃厚だ。スワローズの山田選手やカープの菊池選手のように絶対的な存在はいないとみていい。
(ジャイアンツといいホークスといい、二塁手が固定できないチームほど強いのはなぜなのか...)
三塁手は松田選手という絶対的な存在がいる。万が一の事態があっても、グラシアル選手が守るという超強力な二大体制が完成している。
遊撃手は今宮選手が本命だが、怪我も増えてきて、定評のあった守備力も落ちてきているのが現状。(特に守備範囲が狭まっているのが気がかり。)。中堅の西田選手や若手の川瀬選手が今宮選手の負担軽減に貢献できるように奮闘することが必要なポジションだ。
外野陣は豪華な争い。バレンティン選手の加入で1枠は埋まったといっていい。さらに中堅手・柳田選手と右翼手・グラシアル選手も怪我などなければ当然確定的。ここに首位打者経験のある長谷川選手、中村晃選手、上林選手といった1軍でも実績のある選手たちがいて、真砂選手や釜元選手、即戦力ルーキーの佐藤選手もいる(釜元選手は内野起用の可能性もあるが。)。贅沢極まりない争いの中でどんな化学変化が起きるのか。
DHはデスパイネ選手が中心。調子・体調・起用法次第でバレンティン選手や長谷川選手、内川選手が入るくらいの変化はあるだろうが、デスパイネ選手が中心であることに変わりない。
投手陣
絶対的エース・千賀投手がなかなか調子が戻ってこないのが気がかりな先発陣。だが、高橋礼投手、メジャー54勝のムーア投手、東浜投手を中心に高橋純平投手、大竹投手、武田投手、和田投手、石川投手、バンデンハーク投手、二保投手、松本投手と候補を挙げれば暇が無い。6年7.7億円契約のメガプロスペクトの、21歳・スチュワートJr.投手もいつデビューするか注目される。選手層を考えると、千賀投手が少し遅れたとしても問題にはならないだろう。
救援陣は守護神・森投手を中心に、モイネロ投手や嘉弥真投手、加治屋投手、岩嵜投手、椎野投手、杉山投手、松田投手、泉投手、川原投手と先発陣同様に凄まじい選手層だ。そしてここにサファテ投手と昨シーズン新人王・甲斐野投手が万全の体勢で戻ってくれれば、この選手層にさらに厚みが増してくる。ルーキーの津森投手も参戦してきそうな予感が漂っており、今年も万全の体制を築けそうだ。
注目選手→柳田 悠岐選手
故障からの完全復活を果たしたい「怪物」。
後続の打者がさらに強力になった今年は40本塁打を期待したい。
3位 埼玉西武ライオンズ
打撃陣
捕手は森選手で確定。昨年のパ・リーグMVPは今年も圧倒的な打撃力でチームを引っ張ることだろう。控えにも岡田選手やルーキーの拓殖選手もいて、しっかりとした選手層を誇る。
一塁手は山川選手で確定。今年は4番として50本塁打130打点を目指して欲しいところ。もし、山川選手が不調になったり故障した場合も、メヒア選手を起用したり、中村選手を一塁手にして、空いた三塁手に佐藤選手を起用するなどすれば、十分に回していけるはず。それくらい控えにもいい選手が揃っているのがライオンズだ。
二塁手は外崎選手で基本的には確定だろう。ただ、外崎選手が俊足強肩なうえ、内・外野をハイレベルでこなせることを考えると、
②右翼手に外崎選手を入れ、左翼手に栗山選手、二塁手にスパンジェンバーグ選手を入れる
などの起用法も考えられる。他の選手の調子次第で様々な起用法を繰り出せる。
クリーンアップを担える打力を持ちながら内・外野をハイレベルでこなせる外崎選手の存在は、チームにとっては数字以上に大きい。
三塁手は中村選手でほぼ決まり。一時は引退間際まで追い込まれるほどの状態だった2018年前半戦を乗り越え、昨シーズンは打点王に返り咲いた、衰え知らずの大砲は今年もライオンズ打線の中心として活躍してくれそうだ。控えにも、ユーティリティーなスパンジェンバーグ選手や将来有望な佐藤選手がいる。
遊撃手は源田選手一択だろう。ここのポジションだけは替えが利かない。将来有望な選手もここだけは見当たらず。源田選手が離脱するようだと、チームの編成は一気に崩れてしまいかねない。
外野陣は、秋山選手がMLB・レッズへ移籍。ここの穴はさすがに埋めきれないか。
レギュラーは、左翼手・スパンジェンバーグ選手、中堅手・金子選手、右翼手・木村選手が有力とみている。控えには栗山選手、鈴木将平選手、愛斗選手、川越選手、高木選手あたりになりそう。やはり秋山選手移籍の影響は響きそうだ。「1番・中堅手」起用が予想される金子選手が成長し、殻を破ることが期待される。
DHはメヒア選手、栗山選手あたりで回していく形か。体調次第では森選手や中村選手あたりの起用もありそうだが、メヒア選手と栗山選手が中心とみて問題ないだろう。
レギュラー陣はさすがの陣容だが、控え陣との差が大きく、3連覇を目指すとなると、選手層がかなり厳しくなってきている印象を受ける。
投手陣
リーグワーストの防御率を記録した投手陣。既存戦力の成長が必要な状況である。
そういう意味では先発陣は希望が多い。高橋光成投手や今井投手、松本投手、本田圭佑投手と20代前半~中盤にかけての成長が期待できる投手がそろっている。さらにドラフトで宮川投手と浜屋投手という2人の即戦力を獲得。さらに、怪我からの巻き返し・期待されるアンダースローの與座投手も今シーズンの躍進が期待される。「オール20代」で先発ローテーションを組めるのではという期待すら膨らむほど、若手投手陣の層は厚い。若手だけではない。中堅~ベテランもそろっている。昨シーズン12勝を挙げて優勝に貢献したニール投手、十亀投手、新加入のノリン投手、そして14年ぶりの復帰となった松坂投手といる。若手投手が不調に陥った際には、こうした投手たちが支えていければ理想的だ。
一方の救援陣は不安が多い。特に中継ぎ陣は勤続疲労が心配される。昨シーズン81試合登板した平井投手と55試合登板の小川投手は特に心配される。複数シーズン活躍し続けている上、起用法が固定されている守護神の増田投手は盤石だろうが、平井投手と小川投手は起用法もなかなか固まっていなかった印象だったので、蓄積される疲労はかなりのものだったと想像される。その2人の負担を軽減するには、平良投手や佐野投手、森脇投手や新加入のギャレット投手といったメンツが活躍することが必須だ。
注目選手→高橋 光成投手
夏の甲子園優勝投手もプロ6年目を迎えた。昨シーズン10勝を挙げたが、本来の力を考えれば10勝では足りない。今シーズンは15勝を期待したい。
次回はパ・リーグ編の後編を書いていくことにする。
(3/17追記 書きました。リンク貼ります。よかったらご覧ください。)
kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com
以上