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2020 J2第2節 アルビレックス新潟VSヴァンフォーレ甲府 雑感

4ヶ月間待ちわびたJリーグ再開の瞬間がやってきた。

サッカーを観れるということに対して、感謝の念をを改めて持たなければならない

無観客、俗に言う「リモートマッチ」で行われた再開初戦。相手はJ1昇格候補の1つ、強豪・ヴァンフォーレ甲府(以下、甲府。「川中島ダービー」である。

 

新潟スタメン

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GKにはユース上がり、19歳の藤田和輝選手を起用。

右SBには甲府のサイド攻撃を防ぐ意図か、守備に強さのあるサイドバック新井直人選手を起用。CBは田上大地選手マウロ選手の新加入コンビ。左SBは堀米悠斗キャプテンが務める。

ボランチは攻撃的な秋山裕紀選手と守備的なゴンサロゴンザレス選手のコンビ。左SHには高木善朗選手右SHにはロメロフランク選手が入った。

 

FWはと192センチと高さのあるファビオ選手渡邊新太選手の2トップ。システムとしては4-4-2で臨んだ。

 

ベンチには2019シーズンの守護神の大谷幸輝選手、DFには右SBとCBをこなせる早川史哉選手とCBの岡本將成選手、MFは「新10番」本間至恩選手とバランス型ボランチ島田譲選手そしてファンタジスタシルビーニョ選手。FWには矢村健選手が入った。ルーキーながら、期待値の高さを再認識させられる。

 

甲府スタメン

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甲府は183センチと高さのあるジュニオールバホス選手をトップに置き、ドゥドゥ選手泉澤仁選手松田力選手といった、個の力が強い3人を2列目に置く「4-2-3-1」のシステム。守護神・河田晃兵選手を中心とした堅い守備網はリーグでもトップクラスの完成度を誇る。

ベンチにはハーフナーマイク選手ラファエル選手といった190センチ超えのFW2人、184センチのFW金園英学選手もいる。太田修介選手も含めて4人のFWが揃っており、はっきり言って反則レベル。前線のタレントだけならもはやJ1でもトップ9に入れるレベルである甲府の象徴である山本英臣選手はベンチから。

余談だが、私が初めて買った2006年のJリーグ選手名鑑に載っていた選手で今も現役なのは両チーム通じて当時26歳の山本選手と当時新人、18歳だったハーフナーマイク選手のみだ。(ちなみに甲府伊藤彰監督は当時徳島ヴォルティスで8番を背負い、チームの中心だった。この年限りで引退している。)

 

試合展開

 

前半

右から左へ攻めて行くアルビレックス(以下、新潟)

前半6分に不用意なトラップミスからボールを奪われまいとスライディングをしたマウロ選手イエローカードが出る。(今考えると、このイエローは痛かった。)

とはいえ、中断期間中に連携を深めたことがうかがえる攻撃は見ごたえがあった。流れるようなパスワークから好機を作る。そして前半19分、敵陣右サイドでボールをカットしたマウロ選手の縦パスから攻撃のスイッチが入る。受けたロメロフランク選手新井選手とのワンツーを見せ、相手を揺さぶりながらカットイン。渡邊新太選手にパスを出すと、渡邊新太選手ファビオ選手とのワンツーで甲府の守備網を剥がし、エリア少し外からシュートを放つ。リーグでもトップクラスの守護神である河田選手の手を抜け、ボールはゴール左隅に吸い込まれる。完璧な崩しからゴールを奪い、新潟が待望の先制点を奪う。

新潟は前半開始時から右サイドでのワンツーを中心にした崩しを試みていたが、それまで多かったのは「サイドでのワンツーで崩して裏に抜けてクロスを上げる形」(その1)だった。しかし、この場面ではこの試合で初めてと言っていい、「カットインから敵陣中央部でのワンツーを使う形」(その2)だった。始まりはそれまでと似たようなビルドアップ(最終ラインから縦パス)だったが、そこからそれまでと異なる形でゴールに迫る形を見せた。その1を伏線にしてその2を使いゴールを奪う。かなり上質な形でゴールを奪った新潟

しかし、相手は強豪・甲府。さすがに修正能力が高い。先制ゴールを奪われた後はしっかり修正して対応。そこから決定機を作らせずに、徐々にリズムをつかむ。すると前半33分、左サイドでボールを受けた泉澤選手がドリブルで切り裂くと、新井選手を抜ききらない状態でクロス。中でドゥドゥ選手田上選手のマークをうまく外し、ヘディングで合わせて同点に追いつく。この場面、試合途中に中央に配置されていた泉澤選手と左サイドに配置されていたドゥドゥ選手が上手くポジションチェンジして、マーカーを混乱に陥らせたことで起きた場面だ。この辺りの応用力、試合中の修正能力の高さはさすが甲府というところだ。さらにその直後、キックオフ直後のパス回しで新井選手が盛大にパスミス。拾ったジュニオールバホス選手ドゥドゥ選手にパスを出して、ダイレクトでシュート。これも決まり、たった2分で逆転に成功。甲府の実力を見せるとともに、新潟の悪癖「失点直後のやらかし」が出てしまった。

こうなると、昨年までの新潟であれば追いつけずに終わってしまうところ。ところが今年の新潟はここでメンタルが落ちない。

前半44分、最終ラインでボールを回しながら少しずつラインを上げていくと、秋山選手が浮き球のパスを甲府最終ラインの裏に出す。このボールに反応したのが渡邊新太選手。ギリギリのタイミングで裏に抜けだすと、ダイレクトボレー。これが決まり、同点に追いつく。この場面の秋山選手のパスはまさに芸術。恐ろしい19歳だ。また、渡邊新太選手も振り抜くのではなく、合わせるような形。まさに「ゴールへのパス」のような感じでシュートを打ったのはお見事な判断だった。難易度の高いシュートを決める辺り、シュートが上手くなっているという印象。なお、この2分後に甲府DF(山田陸選手?)のクリアミスを「ゴール前7~8メートル、どフリー、河田選手と1対1」の状態でボレーで合わせたが、これは河田選手の正面に蹴ってしまい、得点ならず。今シーズンここまで奪った3点よりもよっぽど簡単そうに見えるのだが、なぜか決めきれなかった。ある意味「天才型」の選手なのかもしれない。

 

後半

甲府はハーフタイムで山田陸選手に替えて山本英臣選手を投入する。

左から右へ攻める新潟

後半になると、両チームともに試合勘を取り戻してきたか、攻守ともに鋭さが増してきた印象。どちらかというと新潟が押し込む形か。

新潟高木選手に替えて本間選手を投入する。後半16分、カウンターからファビオ選手が素晴らしいスルーパス渡邊新太選手へ出す。しかし、河田選手も前へ飛び出す好判断でギリギリのところでパスを寸前で通さない。一方の甲府ジュニオールバホス選手と泉澤選手に替えて太田選手とハーフナーマイク選手を投入。高さで勝負を仕掛けて、流れを変えにかかる。

新潟は後半25分、堀米選手が足を攣ったか、出場続行不可能に。早川選手が投入されて、右SBに早川選手、左SBに新井選手という形に。さらに、ロメロフランク選手に替わってシルビーニョ選手を投入。甲府は2得点のドゥドゥ選手に替わって金園選手を入れて、さらに高さとフィジカル要素をプラスしてきた。

両チームともなかなか決定機までは持ち込めずにいた後半35分、接触プレーで河田選手が交替し岡西選手が投入される。その直後、敵陣中央でゴンザレス選手がボール奪取すると、パスを本間選手に出す。本間選手山本選手とのマッチアップになったが、そこでまさかのルーレット。山本選手をかわすと右でフリーになっていたシルビーニョ選手へ浮き球のパスを出す。少し難しいバウンドになったが、シルビーニョ選手岡西選手との1対1を制して、ゴール左隅に流し込み、逆転に成功。まさにゴンザレス選手のボール奪取能力、本間選手の圧倒的なスキルとセンス、シルビーニョ選手の決定力、まさに「個の力」の集合体で奪い取った1点だった。

しかし甲府もここで黙っているチームではなかった。後半49分、左サイドからスローインを得ると、内田選手がロングスロー。金園選手が中央に落として太田選手が飛び込む形。胸に当たったボールがいい感じの浮き方をした結果、ゴールに吸い込まれ、またしても同点に追いつく。さらにラストプレー、パワープレーでエリアに向けて蹴ったボールにハーフナーマイク選手が反応して落とすと、そのボールに松田選手が反応しシュート。しかし、ここは藤田選手が好セーブを見せ、新潟は失点を免れた。

そのまま3-3で試合終了。両者得点を奪い合った試合は引き分けで勝ち点1を分け合った。

 

選手採点

GK藤田選手 6.0

公式戦初出場を果たしたが、なかなか落ち着いていた印象。1点目、2点目はDFのミスが大きく、ほぼノーチャンスの印象。3点目はアンラッキーだったか。ラストプレーでのセービングはチームを救った。的確にパスをつなげる足元の上手さは印象的。

DF新井選手 5.0

簡単にクロスをあげさせないために守備力を買われて起用されていたはずだが、1失点目のクロスをあげさせてしまい、2失点目については完全にパスミス。起用に応えたとは言い難い内容だった。それでも90分間戦い続け、左右のSBを試合中にこなした。

DFマウロ選手 6.0

3失点こそしたが、マウロ選手の過失はほぼゼロ。この選手がいるといないとではかなり守備力が変わってきそう。とにかくこの超過密日程の中でケガだけは避けてもらわないと困る選手だ。

DF田上選手 5.5

ジュニオールバホス選手を徹底したマークでイラつかせていたのは評価できるところ。体を張ったディフェンスも見せていたが、1点目にドゥドゥ選手をほぼフリーで打たせてしまったこと、他にも多少「軽さ」が目立つプレーもあった。

DF堀米選手 6.0

左サイドでしっかりと守備をこなした。右サイドからの攻撃が多かったチーム事情で、攻撃参加という本来の武器がなかなか出せなかったが、そのなかでも役割を果たしていたのはさすが。足を攣って交替したが、次戦までに戻ってくれることを祈りたい。

MFゴンザレス選手 6.5

やはりこの選手は別次元。少なくともJ2にいるレベル選手ではない。守備力は相変わらず高かったが、加えて攻撃力もありそう。甲府DFに防がれたが、ミドルシュートも低弾道で精度が高そう。そしてパスセンスも高い。本当に素晴らしい選手だ。

MF秋山選手 6.5

本当に19歳か。本当に疑ってしまうクラスの選手。シーズン途中にJ1クラブや海外に見つかってしまいそうなのが今から恐ろしい。2点目のパスは圧巻。パスセンスは新潟の歴史上でもトップクラスなのではないか。それくらい凄い選手だ。

MF高木選手 5.5

組み立てや守備のところに尽力していて、なかなか決定的な仕事ができていない印象。戦術上仕方ないところもあるだろうが、この選手の能力を考えるとやはり得点に関わる仕事が欲しいところ。

MFロメロフランク選手 6.0

このチームの攻撃力を上げるうえで必要不可欠な存在になった。右サイドで連携を見せ甲府守備網を崩すことに貢献した。ただ、パスミスも多く、ここは今後の課題か。

FW渡邊新太選手 7.0

2ゴール。特に1点目の取り方はプロセス、シュート精度も含めてすべてが良かった。2点目のシュートの上手さも素晴らしく、間違いなくチームMVPと言っていいだろう。できれば前半ラストプレーのシュートも決めてほしかったところだが、そこまで求めるのは酷というものだろう。

FWファビオ選手 6.5

ポストプレーは上手いし、守備もする。空中戦も負け知らず。ボールは収まるし、強引なシュートを打ってもおかしくないところでも周りを活かしたパスを出す。現に1点目のアシストもこの選手。いいFWだ。

 

 

DF早川選手 6.0

堀米選手の負傷交代で投入されたが、しっかりとゲームに入っていけていた。「キャプテンの負傷交代」という動揺してもおかしくないシチュエーションに陥ったチームを落ち着かせていた。

MF本間選手 6.5

3点目の圧巻のアシスト。あの場面についてはこの選手の凄まじいスキルとセンスを見せつけた。スタメンで見てみたい気持ちもあるが、交代に入ってこられると相手にとってはかなり嫌だろう。

MFシルビーニョ選手 6.5

一時勝ち越し点となるゴール。決して簡単なシュートではなかったが、上手く決めてくれた。キャプテンという立場でありながら途中出場というなかなかモチベーションを保つのが難しいところのはずだが、結果を出してくれた。

 

監督 アルベルト監督 6.0

途中出場で入った2人で3点目を奪った。途中交代で入った選手が2戦連続で結果を出したところを見ると、選手交代のセンスはかなりありそう。

ただ、交代枠を2枠残していたのは意図的か、それともたまたまか。

次戦は守備陣の整備を期待したい。

 

個人的な感想

新潟

攻撃はかなりレベルアップしていた。特に連携を活かした攻撃はかなり見ごたえがあり、攻撃力はJ2トップクラスになってもおかしくない。

問題は守備陣か。最終ラインでのパスミスで失点したり、チームの長年の課題「試合の締め方」に問題を抱えているままで、後半ロスタイムに追いつかれたり、課題はまだまだ多い。

それでも今推し進めているサッカーはかなり魅力的。これが完成した時、玉乃淳GMが仰った「とてつもなく強いチーム」になるのでは。

 

 

甲府

本来の武器である堅守を上手く発揮できなかったが、ここは試合を重ねながら改善していけるだろう。

高さのあるFWが揃う攻撃陣はやはり魅力的だし、対戦相手にとってはかなり脅威だろう。2列目までの4人だけでも十分な攻撃力を有しているが、攻撃力のあるボランチが1人入ってくるとさらに攻撃力が上がっていきそうだ。しかし元は、堅守をベースにしたのチームなので、ここはチームの状態に合わせて選手起用していくことになるだろう。少なくとも、「昇格候補」の1つとして今後も注目していきたいチームだ。

 

 

 

試合のハイライト動画↓

 

以上