「2021シーズンJリーグ」の開幕まで1か月を切った。アルビレックス新潟は5年ぶりのJ1復帰を目指してのシーズンとなる。
ここからは前回の記事の続きである。
前回の記事は以下のとおり。よかったらご覧ください。
kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com
さて、ここからは各ポジションごとに展望していくことにする。
FW
起用が予想される選手
No.7 谷口海斗選手
No.9 鈴木孝司選手
No.14 田中達也選手
No.23 小見洋太選手
No.24 ロメロフランク選手
N0.39 矢村健選手
基本的にはこの6人からという形だろうか。
①1トップの場合
1トップであれば、鈴木孝司選手が中心になりそうだ。町田・琉球で優れた得点能力を発揮し、ポストプレーも優れた鈴木選手の加入はかなり大きい。元々学生の時はボランチやトップ下と言ったところをやっていたこともあって、「気が利く」ポジショニングをとることもできる。得点以外の役割もこなせる総合力に長けたFWである。
対抗としては谷口海斗選手だろうか。2020シーズンは熊本に在籍しJ3得点王に輝いただけあって、シュートの上手さはもちろんのこと、パスで味方を活かすこともできる選手だ。ただ、個人的には「1トップで」というよりは「2トップの一角」やサイドハーフ、シャドーストライカーの位置で見てみたい選手だ。
②2トップの場合
鈴木選手を1枠固定として考えると、残り1枠を誰が奪うか。前述した谷口選手はもちろんのこと、ほかの選手にもチャンスが来る。
ロメロフランク選手はフィジカルの強さもあるので、2トップで起用すると、鈴木選手にゴールゲッターの役割に専念させることができるのでそういう意味でも貴重な選手だ。ただ、基本的には中盤の攻撃的なポジションで起用したいところだろう。
田中達也選手や小見洋太選手、矢村健選手にもチャンスが来る。1トップだとサイズ的にも厳しいところはあるが、2トップであれば相棒に前線の基準点を任せて、守備面で貢献をしつつ、裏抜けの上手さで得点を狙っていく。
懸念材料
上記の6人の中で 最長身が鈴木選手の179センチ。「高さは足りていないな」と言う印象。基本的には足元にボールを集めるスタイルで、ハイボールのクロスがあまり多いチームではない。なので、「とてつもない爆弾」というわけではないが、やはり攻撃の選択肢が狭まってしまうなという印象はある。
185センチ以上の長身FWを1人入れられるとさらに選択肢が広がるが....。
また、鈴木選手はキャリアを通して多少ケガがちなのが気になる。そこは自身のケアとチームドクターの方たちの尽力が必要だ。
MF(攻撃的)
起用が予想される選手
No.6 秋山裕紀選手
No.7 谷口海斗選手
No.10 本間至恩選手
No.14 田中達也選手
No.19 星雄次選手
No.24 ロメロフランク選手
No.27 大本祐槻選手
No.33 高木善朗選手
No.37 三戸舜介選手
No.39 矢村健選手
①「4-2-3-1」の場合
4-2-3-1のシステムであれば、トップ下はロメロフランク選手や高木善朗選手を中心に、秋山裕紀選手が絡んでくるイメージか。
ロメロ選手が入ると、セカンドトップ的な役割でゴールを狙っていく役割が期待される。前述したとおり、フィジカルの高さやシュートの上手さ(2020シーズン第31節山形戦が代表的)がある。パワーで押していきたい試合では重宝される。
高木選手や秋山選手が入ると、パスを中心にサイドハーフやFWへの決定機を演出する役割が期待される。
高木選手は高度な戦術眼も持ってあり、起用法からも「アルベルト監督にかなり信頼されているんだろうな」と分かる。
秋山選手はパスセンスとテクニックだけならチーム内、いやJ2でもトップクラスだろう。あとは課題である「守備面での貢献度」、これをどう克服するかだ。
サイドでは本間至恩選手が不動の存在として、もう1人が誰になるかと言うところ。大本祐槻選手や谷口海斗選手、田中達也選手、矢村健選手がその枠を争う。三戸舜介選手もその争いに割って入れるか。
ただ、左サイドでは星雄次選手がシュートの上手さ、クロスの精度の高さを見せつけており、1月30日の高知ユナイテッドSC戦では2ゴール1アシストを決めている。
「左に星選手、右が本間選手」と言う形も選択肢としてはありそうだ。
②「4-4-2」の場合
4-4-2のシステムであればサイドハーフ2枚という形。左サイドは本間選手で固定として、右サイドが誰になるか。
谷口選手や田中選手、ロメロ選手、矢村選手が2トップ争いの一角を争うということを考えると、
・圧倒的なまでのスピードを活かした突破力とクロス精度の高さを持つ大本選手
・パスセンスと高い戦術眼を持つ高木選手
・前述の2トップ争いで漏れた選手
とで争っていくことが有力だろう。
「星選手を左サイドにして本間選手を右サイドで」と言うことも考えられるが、その場合、
・高木選手
・大本選手
・2トップ争いから漏れたFW陣
がまったく活かせなくなることを意味する。まさに「宝の持ち腐れ状態」となってしまうので、4-4-2であれば星選手のサイドハーフ起用は無いだろう。
③「3-6-1」「4-1-4-1」の場合
3-6-1や4-1-4-1のシステムの場合、「2シャドー、2サイドハーフ(ウイングバック)」となる。ここではシャドーについて記載することとする。
2シャドーの位置で起用が予想されるのが、
・秋山選手
・谷口選手
・本間選手
・田中選手
・ロメロ選手
・高木選手
このうち、得点も狙える本間選手を1枠固定として、もう1枠を本間選手以外の5人で争うと言ったところだろう。ドリブラーである本間選手と組んでいくということを考えると、パスセンスに長けた秋山選手や高木選手が有力か。
④「4-3-3」「3-4-3」の場合
3トップの場合、サイドの選手は「ウイングフォワード」となる。サイドの突破力を考えて、左は本間選手で固定。問題は「右サイドがどうなるか」だ。ウイングフォワードとなると、より突破力やクロス精度の高さが求められる。そうなると大本選手が最有力だろう。元々持っているポテンシャルは高く、今はまだその半分も出せていないような印象。この選手が完全開花した時、サイドからの攻撃力は飛躍的にアップするはずだ。
また、中盤の構成だが、基本的に
「4-3-3」→「パサー系1人、シャドー系1人、アンカー1人」or「シャドー系1人、ボランチ2枚(うち1人がパスを出す役割)」
「3-4-3」→「ウイングバック2人、ボランチ2人」or「ウイングバック2人、トップ下1人(パサー系でもシャドー系でもあり得る)、アンカー1人」
という構成が予想される。また、3トップになっているため、守備面においても、より高い貢献度が求められる。
ここでは「パサー系」と「シャドー系」を予想する。
パサー系は高木選手か秋山選手の争いになりそうだ。守備面を考えると、高木選手が有力だが、秋山選手が守備面を克服すれば、一気に立場が変わる可能性もある。
また、シャドー系はフィジカルに長けたロメロ選手と1.5列目で躍動できる田中選手、矢村選手が争う形か。いずれにしても守備面での貢献も期待できる選手だ。
懸念材料
本間選手がいるかいないかで大きく変わってくるというところは、やはり気になる。あれだけの才能の選手なので、仕方ないところではあるが....。
そういう意味では同タイプの三戸選手の成長・活躍が重要になるか。練習試合の高知戦では中盤やや後ろまで下りてボールをもらって運んだり、シンプルにサイドに張ってテクニックを見せたり、並の選手でないことは間違いない。
MF(ボランチ)
起用が予想される選手
No.6 秋山裕紀選手
No.8 高宇洋選手
No.16 ゴンサロゴンザレス選手
No.17 福田晃斗選手
No.20 島田譲選手
No.24 ロメロフランク選手
No.25 藤原奏哉選手
No.28 早川史哉選手
No.33 高木善朗選手
①2ボランチの場合
1枠は島田譲選手で固定だろう。アルベルト監督が奨める「ボールを愛するサッカー」にはまず欠かせない選手である。長短のパスを自在に操り、守備でも読みの鋭さを活かして貢献する。決して財政に余裕があるわけではないアルビレックス。それでも、期限付き移籍から「完全移籍」に移行してでも獲得したのも納得である。
もう1枠を巡る争いは超激戦だ。2020シーズンのベストパートナーは福田晃斗選手だった。圧倒的なセカンドボール回収力と展開力を持っていて、福田選手の加入でアルビレックスのサッカーが大きくいい方向に変わっていった。
が、11月に負ったケガの影響で戦線に戻ってくるのは夏ごろと予想される。
そこにやってきたのがガンバから「完全移籍」で加入の高宇洋選手だ。ボール奪取能力の高さはすでに知られているが、パスセンスもかなりのものだ。ピッチと相手守備陣を、縦に鋭く切り裂くパスは実に爽快である。2020シーズンはレノファで41試合出場しているが、うち39試合で先発出場。あの過酷すぎるシーズンでこの数値は素晴らしい。スタミナ面も申し分ない。(それにしても、「22歳の若手有望株」(J1でも18試合出場)を「ガンバから」「完全移籍」で獲得したのは、「強化部、凄すぎ」と言わざるを得ない。)
守備力だけで言えば、ゴンサロゴンザレス選手も有力候補だ。対人の強さ、ボール奪取能力の高さはチームトップクラス。イエローカードの多さは気になるが、この選手の守備での貢献度の高さは見逃せない。
逆にパサーとしての能力だけで言えば、秋山選手がいる。前述のとおり、パスセンスの高さは折り紙付き。まさに「新潟のシャビ」である。ただ、ボランチとしては守備力には難がある。「守備のゴンサロ・攻撃の秋山」コンビだとかなりバランスもとれて、いいコンビになりそうなのだが・・・。
さらに、早川史哉選手がボランチ起用される場面も多くなっている。サイドバック・センターバックが主戦場だが、足下の上手さとクレバーな守備はボランチでも活かされる。
②1ボランチの場合
今年のチームは有力なボランチが多い。なので、1ボランチはあまり考えにくいが、そこは「策士・アルベルト監督」。何をやってきても驚かない。
1ボランチをやるとすれば、いわゆる「アンカー」と言われる役割になる。そうなると島田選手も含めての争奪戦が開始される。
個人的には高選手が最有力だ。ボール奪取能力の高さを活かしてピンチを刈り取り、タテを入れるパスの鋭さで攻撃へのスイッチを入れる。「1人2役」をこなせる高選手であれば、アンカーでも十分イケるのではないだろうか。
藤原奏哉選手や高木選手、ロメロ選手もここに記載しているが、あくまでもオプションの1つと言うくらいか。可能な限り、藤原選手はサイドバックやウイングバック、高木選手はサイドハーフやトップ下、ロメロ選手は攻撃的なポジション全般でそれぞれプレーしてほしい選手だ。
懸念材料
正直に言って、特にない。
質・量・個性、すべて問題なく、J2屈指のメンツが揃っている。
強いてあげるとすれば、
「福田選手が帰ってくるまでに怪我人が出ないようにできるか」くらいか。
今回はここまで。次回はDF・GK編を書いていくことにする。
以上