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大田泰示選手の獲得はベイスターズに何をもたらすか

球界を騒然とさせた北海道日本ハムファイターズによる、3選手への「ノンテンダー」。そのノンテンダーによってチームを半ば強制的に追われてしまった大田泰示選手横浜DeNAベイスターズに加入した。

大田選手の過去5年の成績が以下のとおり。

17年

427打数110安打15本塁打46打点5盗塁

打率.258 出塁率.302 OPS.719

18年

383打数105安打14本塁打59打点3盗塁

打率.274 出塁率.350 OPS.812

19年

557打数161安打20本塁打77打点6盗塁

打率.289 出塁率.325 OPS.776

20年

455打数125安打14本塁打68打点3盗塁

打率.275 出塁率.314 OPS.721 ゴールデングラブ賞外野部門) 受賞

21年

191打数39安打3本塁打20打点1盗塁

打率.204 出塁率.257 OPS.556

 

2021年こそ不振に苦しんだが、それまでの4年間では安定して14本塁打以上、OPS.700以上を記録。広い札幌ドームを本拠地としていたということで考えれば、右の強打者として評価に値する成績だろう。

加えて、2020年にはゴールデングラブ賞を受賞したほどの守備力や水準以上の脚力も備えた、三拍子揃ったプレーヤーといったところだ。

この大田選手加入ベイスターズに何をもたらすのかを書いていく。

 

①「『使える外野手』の増員

大田選手が加わったベイスターズ外野手陣だが、現状の戦力が以下のとおり。

(成績は2021年のもの)

レフト 佐野恵太選手 打率.303 17本塁打72打点 出塁率.376 OPS.842

センター桑原将志選手 打率.310 14本塁打43打点 出塁率.369 OPS.843

ライト オースティン選手 打率.303 28本塁打74打点 出塁率.405 OPS1.006

控え①   楠本泰史選手 打率.254   2本塁打18打点 出塁率.323 OPS.691

控え②   関根大気選手 打率.226   1本塁打  4打点 出塁率.284 OPS.582

控え③   神里和毅選手 打率.191    4本塁打15打点 出塁率.231 OPS.558

控え④   細川誠也選手 打率.154   0本塁打  1打点 出塁率.250 OPS.429

 

この数値で分かるとおり、レギュラー陣と控え陣との間に大きすぎる差がある

さらにオースティン選手は怪我が多く、この2年間でシーズン完走は無し桑原選手は今シーズンは大活躍だったが、2019年〜2020年のような大スランプが起こる可能性もあり、油断はできない。佐野選手守備と走塁にかなり難がある。要するに、「見た目ほど選手層は厚くない」というところだ。

そこに1軍実績があり、走塁・守備共にクオリティの高い大田選手が入るのは、チームにとって大きい。「使える外野手」の選択肢が増えたことにより、主力の不振・怪我の時に頭を悩ませていた三浦大輔監督以下首脳陣も安心して代わりを任せられることができる。

 

②「右打者の層の強化」

控えの右打者のクオリティを上げるという意味でも果たす役割は大きい。

現在、「控えの右打者」となっている主な内野手・外野手としては、大和選手知野直人選手細川誠也選手蝦名達夫選手がいるが、お世辞にも選手層が厚いとは言えない。むしろ、「普通以下」と言って差し支えないだろう。

特に「右の代打」は壊滅的で(104打数16安打 .154)、「投手が打席入った方が打てるんじゃない?」と思ったほど。

当然ながら、上記で挙げた4選手も代打で成績を残せているわけではない。そういう意味では

・一発がある

・足もある

・代打からそのまま守備にも就ける

こういった力を持っている大田選手はやはり貴重だ。

 

③「ソト選手不振時の対応力強化」

1塁手のソト選手がこの2年不調が続いているが、その代わりになる選手を用意できなかったのはチームにとって大きな穴だった。

(不調とはいえ、20本塁打打てる選手はそうそう居ないので、当たり前といえば当たり前なのだが…)

ソト選手が不調でも、代わりの選手があまりにもスケールダウンだったり、不調のソト選手と変わらない、もしくはそれ以下だったりという有様だったので、なかなか替えることが出来なかった。

しかし、大田選手の加入でそれも解消されるはずだ。外野の守備力が高く、一発の魅力も兼ね備える大田選手の存在が、以下のパターンの起用法を可能とする。

1.大田選手をライトに起用して、オースティン選手をファーストに回す

2.大田選手をレフトに起用して、佐野選手をファーストに回す

2020シーズンに外野フェンス激突で長期離脱したことのあるオースティン選手や守備に難のある佐野選手をファーストに回して、大田選手を外野で使う形で「守備力を高めつつ、長打力の低下を最小限にすることができる」という、とてつもないメリットが生まれる。守備力や走塁力を考えると、総合的な戦力値としては高まっている可能性すらある。

 

④「宮崎敏郎選手不振時、離脱時のサード代役候補」

ファイターズ移籍後、公式戦でのサード経験がない大田選手宮崎選手の代替候補として考えるのもおかしな話かもしれない。

しかし、その起用法を考えてしまうほどに宮﨑選手の代わりがいないことも事実。伊藤裕季也選手が伸び悩み、柴田竜拓選手倉本寿彦選手知野直人選手では打撃力にかなり難があるため、1試合・2試合くらいならまだしも、骨折した2019年(※1)のように長期離脱した場合は確実にチームが混乱に陥る。(実際、2019年の離脱時はレフトの筒香嘉智選手がサードに回って対応するほどの状態だった。)

大田選手読売ジャイアンツ時代にサードを守った経験があり、ファイターズ時代の2019年にはサードでの起用も想定され、練習試合などでもサード起用されていた。公式戦で起用されることは無かったが、大田選手の守備力に問題があったというより、当時のファイターズ外野陣の層に問題があったという方が適切かと思われる。

大田選手をサードでも起用できるようになれば、宮崎選手離脱という事態が起きたとしても、そのダメージを軽減することができるのではと感じている。

 ※1→宮崎選手は2019年8月に右手有鈎骨骨折で約1ヶ月離脱している。

 

 

大田選手を獲得したことで、内野・外野の起用法に大きな幅をもたらすことができる。強いチームには「レギュラー顔負けの控え選手」が必ず存在し、シーズン中では必ず重宝される。

大田選手の獲得はベイスターズに想像以上の効果をもたらすと思われる。

 

以上