前々回から始めたJ2リーグ順位予想。
前回以前の記事は、以下のとおり。
kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com
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今回は、前々回の記事で②「J1昇格プレーオフ出場枠(6位以内)を念頭にしながら、あわよくば自動昇格も狙いたい第2グループ」と予想した、
モンテディオ山形、FC町田ゼルビア、ジェフユナイテッド千葉、ジュビロ磐田、V・ファーレン長崎、大分トリニータ
について記載することとする。
モンテディオ山形(前年成績 17勝13分12敗 勝点64 62得点40失点 6位)
8シーズンぶりのJ1昇格を狙い、自慢の攻撃サッカーに磨きをかけるモンテディオ。
このオフは主力級選手の入れ替えが多かった。CBの山崎 浩介選手、右SBの半田 陸選手、OMF・CFの山田 康太選手、CFのディサロ 燦 シルヴァーノ選手が他クラブへの移籍(復帰)となった。一見すればかなり厳しい。
とはいえ、指をくわえて見ていただけではなく、そこを補填、さらに進化させられる選手を揃えた。
まずCBには熊本 雄太選手を復帰させつつ、西村 慧祐選手も獲得して、むしろ層は厚くなった。SBには高精度クロスを持つ小野 雅史選手とバランス型の成瀬 竣平選手を獲得した。既存戦力である川井 歩選手との激しいレギュラー争いが予想される。
OMF候補には、レノファで才能を見せつけていた田中 渉選手を獲得し、CF候補にはJ2で2度の2桁得点を記録した後藤 優介選手を迎え入れた。
加えて、サイド攻撃を強化するべく、J2でも指折りのクロッサー・イサカ ゼイン選手を獲得した。全体的な選手層は昨シーズンよりも上がった印象すらある。
ただし、連携が重要なクラモフスキーサッカーを考えると、
開幕してから暫くは苦戦→中盤戦以降にフィットして、一気に躍進するパターン
が予想される。
FC町田ゼルビア(前年成績 14勝9分19敗 勝点53 51得点50失点 15位)
超大型補強敢行のゼルビア。主な獲得選手は以下のとおり。
CB→チャン ミンギュ選手・池田 樹雷人選手・カルロス グティエレス選手・藤原 優大選手
CM→稲葉 修二選手・下田 北斗選手
OMF→黒川 淳史選手・髙橋 大悟選手・奥山 洋平選手
CF→ミッチェル デューク選手・エリキ選手・沼田 駿也選手・高澤 優也選手
「もはや全くの別チームでは?」と思うほどの即戦力選手たちの乱獲により、選手の質・層ともに昨シーズンとは比べ物にならないほど上がっているのは間違いない。
〇主力の移籍・退団がほぼ無かったCBには、即戦力4人加入で一気にレベルアップ
〇アントラーズへ移籍した佐野 海舟選手の圧倒的なボール奪取能力は、稲葉選手が引き継ぐことができる
〇サンガに移籍した平戸 太貴選手が主となって担当していたセットプレーは、下田選手や髙橋大悟選手が担当できる
〇アルビレックスに移籍した太田 修介選手のサイドを切り裂くスピードは、奥山選手や黒川選手で十分に賄える
〇CFは、4人の加入で高さ・強さ・決定力ともに一気にレベルアップ
戦力的には最低でもプレーオフ進出以上は間違いないはず。ただ、これだけ主力の入れ替えを行ったために、開幕までにどれだけ連携面を深められるかが気になるところ。もし開幕までにある程度の連携を深めることができたなら、自動昇格すらもありそうなメンツが揃っている。
ジェフユナイテッド千葉(前年成績 17勝10分15敗 勝点61 42得点40失点 10位)
名門ジェフは今年こそJ1昇格を果たせるか。小林 慶行・新監督のもとで、14シーズン目のJ2に挑む。
このオフは、ピンポイントの補強に踏み切った。レギュラー不在だった左SB・WB候補にはいわきFCで活躍していた超攻撃的な日高 大選手を獲得した。また、右SB・WB候補にはツエーゲンの不動のレギュラーだった守備型の松田 陸選手を獲得。松田選手についてはCBも対応可能なため、若手超有望株の西久保 駿介選手との共存も可能なのは大きいポイントだ。
昨シーズン42得点と深刻な得点力不足に陥った攻撃陣では、明らかに足りていなかった「ドリブラー」として、特大のポテンシャルを持った椿 直起選手を獲得。J2トップクラスのドリブル能力を持った椿選手の加入で、タテへの推進力を手に入れた。また、櫻川 ソロモン選手をレンタル移籍させたCFには、決定力の高い呉屋 大翔選手を加え、さらに即戦力ルーキーとして評価の高い小森 飛絢選手も加入。また、既存戦力では、OMFの見木 友哉選手・高木 俊幸選手、CMFの田口 泰士選手の残留が非常に大きい。
この3年間の守備的な戦いから攻撃的な戦いへ転換する今シーズン。壁を打ち破ることができるか。
ジュビロ磐田(前年成績 6勝12分16敗 勝点30 32得点57失点 18位(J1))
1年でJ2降格となってしまったジュビロは、逆風の中でのシーズンインとなる。契約問題によって、FIFAからの補強禁止措置を受けてしまったためだ。そのため、このオフの加入組としてはレンタルバックの選手とユースからの昇格の選手のみとなった。
しかしながら、そのレンタルバック選手の中に鈴木 海音選手がいるのは、大きなポイントである。栃木SCで34試合出場し、経験を積んだ将来有望な20歳のCBの復帰は、確実にチームにプラスをもたらすことになる。
また、主力の退団を大井 健太郎選手のみに留めたのは不幸中の幸いと言っていい。大きな戦力ダウンは防ぐことに成功した。
ただ、過去2度のJ2での戦いでは、「1年でのJ1復帰」に失敗している。この負のジンクスを払拭することはできるだろうか。また、GK3人体制はかなりの不安材料となりそうな予感が…。
V・ファーレン長崎(前年成績 15勝11分16敗 勝点56 50得点54失点 11位)
「昇格候補本命」と言われ続けた直近4シーズンだが、1度も昇格を果たせないままに時を過ごしてしまったV・ファーレン。ジャパネットマネーで今シーズンこそ、J1昇格を勝ち取りたいところだ。
このオフの動きから、意気込みは十分に感じさせる。守備陣強化の切り札として、GKにはFC東京から波多野 豪選手を獲得し、CBにはエスパルスからヴァウド選手、サンフレッチェから今津 祐太選手、ゼルビアから岡野 殉選手を獲得。江川 湧清選手や二見 宏志選手、村松 航太選手の退団を見事に払拭するだけの補強を行なった。
攻撃面では、ドリブラーの宮城 天選手と増山 朝陽選手を獲得。また、テクニシャンの名倉 巧選手を復帰させることで2列目の層を厚くすると、CFにはアビスパからフアンマ選手を獲得し、元来のチームの武器である「前線の高さ」を取り戻した。
ただし、不安な点も多い。昨シーズンの最終盤7戦で2分5敗と全く勝てなくなったことは「偶然では無く、対策を立てられてしまったから」という可能性が考えられる。
また、外国籍選手が7人いるというところも、モチベーション管理を余計に難しくするのではないかと不安視してしまう。ファビオ・カリーレ監督はこの問題をどう言った手法で解決させられるか。
大分トリニータ(前年成績 17勝15分10敗 勝点66 62得点52失点 5位)
1年でのJ1復帰こそならなかったトリニータ。とはいえ、昨シーズン終盤戦の戦いは、地力の高さを証明するものだった。今シーズンこそJ1復帰を果たしたいところ。
ボールを支配する攻撃的なスタイルなので、ある程度の失点は仕方ないものとするべきだが、それでも52失点は昇格を狙うには多すぎた。その課題を解決させるべく迎え入れたのが、187cmのデルラン選手と190cmの安藤 智哉選手という長身CB2人だ。既存戦力である184cmのペレイラ選手も含めて圧倒的な高さを誇る最終ラインは、空中戦では敵無しといっても過言ではないだろう。
一方、リーグ屈指のドリブラー、クロッサーである井上 健太選手とセットプレーの名手である下田 北斗選手を失った中盤は、FC琉球の心臓であった池田 廉選手とブラウブリッツのSH、茂 平選手を獲得する形で補填を図ったが、やはり戦力の低下が危惧される状態となっている。
FW陣では、最多先発出場の呉屋 大翔選手がジェフに移籍。一方で補強は無く、枚数は減った形。しかし、2年目を迎えて更なるフィットを見込めるサムエル選手、192cmの大砲・長沢 駿選手がいるので、この2人が怪我をしなければ2人で25得点以上を見込める。リーグでも上位クラスの質は揃っている。
全体的な戦力としては、ほぼ横ばいといった印象。まずは上位陣に付いていきながら、終盤戦にスパートをかける形で戦っていく形がベストか。
以上