前回から始めたドラフト振り返り企画。
ちなみに前回の記事はこちら
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今回は広島・中日・東京ヤクルトの3チーム
この3チームについて、ドラフト前に書いた「予測編」のリンクを下に貼ります。よければご覧ください。
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補強ポイント
①即戦力のリリーバータイプ
②将来有望な中軸候補
実際のドラフト結果(育成指名は省略)
1位 栗林 良吏 投手(トヨタ自動車)
2位 森浦 大輔 投手(天理大)
3位 大道 温貴 投手(八戸学院大)
4位 小林 樹斗 投手(智辯和歌山高)
5位 行木 俊 投手(四国IL・徳島)
今年はリリーフ陣の不調に苦しんだ印象のカープ。私もその印象を強く感じてたので、「リリーフ陣の補強」を推していた。しかしながら、それと同じくらい深刻なのが「先発陣の不足」。フロント陣はそちらの方を重要視したと言う感じだろう。
その考えは、ドラフト指名でも顕著に。
1位指名したのは、トヨタ自動車・栗林投手。見事に一本釣りを果たした。MAX153キロのストレートはもちろん、カーブ、スライダー、スプリットと言った変化球も一級品。制球もハイレベルで安定しており、確実に1年目から先発ローテーションには入ってくるだろうし、2桁勝利も期待できるはず。何より、ドラフト1位で「大卒かつ社会人卒」の選手を取るのは、1985年ドラフトの長冨浩志投手(NTT関東)以来35年ぶりということからも、チームとしての期待が大きいことがわかる。(高校ドラフトと大学・社会人ドラフトが分離していた2005年〜2007年は除く)
2位の天理大・森浦投手も左の先発候補として期待できる投手だ。ストレートに力があり、スライダーやチェンジアップという武器もある。制球に少し難はあるが、三振を奪える球威があるので、育て方次第では一気にエース格に上り詰めるポテンシャルを秘める。
現在、左の先発投手が床田投手とジョンソン投手の2人で、その2人も今季は結果を残せていないという状態のカープにとっては、この森浦投手は救世主になるかもしれない。
さらに3位の八戸学院大・大道投手も即戦力として期待できそう。3位まで、全体で33番目まで残るとは思わなかったというのが正直なところ。チェンジアップという大きな武器があるので、早い段階で一軍デビューもあるかもしれない。
将来のエース候補生として智辯和歌山高・小林投手も指名。今季の高校生投手の中ではトップクラス。育成に定評のあるカープの本領発揮となるか。
一方で野手は6位の亜大・矢野選手のみ。矢野選手も攻守にバランスの取れた遊撃手という感じで、「主軸候補」というと少し違うか。鈴木誠也選手の後継者候補探しは来年以降の課題となりそうだ。
投手陣の補強に振り切った印象のドラフト戦略を行ったカープ。まずは来年のAクラス復帰、そして3年ぶりの優勝へ。即戦力投手を多く獲得できた点は良かったのではないだろうか。
補強ポイント
①即戦力の野手全般
②左の先発投手候補
実際のドラフト結果(育成指名は省略)
1位 高橋 宏斗 投手(中京大中京高)
2位 森 宏斗 投手(日本体育大)
3位 土田 龍空 内野手(近江高)
4位 福島 章太 投手(倉敷工高)
5位 加藤 翼 投手(帝京大可児高)
6位 三好 大倫 外野手(JFE西日本)
8年ぶりのAクラス入りを果たし、「弱いドラゴンズは終わり」(by大野雄大投手)を印象付けたシーズンとなった2020年。ただし、野手陣の選手層の薄さはまだ解消されたわけではないので、野手面では、
①「即戦力の野手全般」
そして現状、左の先発投手が大野投手と松葉投手の2人。小笠原投手がなかなか定着することができず、ローテーションに入っている松葉投手にしても決して結果を残したとは言えない状態だったので、
②「左の先発投手候補」
この点は絶対に必要かと思っていた。
しかしながら、ドラゴンズの選択は「将来性豊かな野手」と「近未来の先発ローテーションの軸」の獲得だった。
1位指名は中京大中京高・高橋投手。MAX154キロのストレート、延長に入っても球威を落とすことの無い馬力、スライダーやフォークといった変化球の鋭さと、2020年高校NO.1投手であり、地元のスター候補でもある高橋投手を指名したのは、既定路線だったはず。ハズレ1位では取れなかっただろうと思うので、ここは当然の結果だろう。「将来のエース候補」として、英才教育が施されるかと思うので、大事に育てていったほしい逸材だ。
2位指名したのは日体大・森投手。高橋投手が「将来のエース候補」であるならば、この森投手は「即戦力先発候補」、あるいは「即戦力リリーバー」といったところか。この人も地元・名古屋出身で、地元出身のスター候補を連続で指名する形に。森投手はMAX155キロのストレートに、多彩な変化球を操り、制球もハイレベル。個人的には1位指名でどこかが獲るかと思っていたので、22人目まで残る形だったのはかなり意外だった。大学での成績を見る限りは登板数に対してイニング数が少ない(30試合登板で94と1/3イニングなので、1試合平均3イニングと少し)。なので、リリーバーとして考えているのかもしれない。4年秋には先発としても3試合登板しているので問題はないかとは思うが、即戦力としての起用を考えるのならリリーバーからか。
3位指名の近江高・土田選手は「将来の遊撃手候補」と言ったところでの指名か。身体能力の高さはかなりのものがありそうで、3年後にはレギュラーになる、そんな選手になるかもしれない。
4位の倉敷工高・福島投手、5位指名の帝京大可児高・加藤投手は「将来のローテーション候補」としての指名だろう。2人ともストレートに力がある投手で、変化球の精度、制球力の向上がされれば、案外近いうちの1軍デビューもありそうだ。
6位のJFE西日本・三好選手は、社会人5年目の選手だが、「スピード&パワー型」の左打ちの外野手と言った形か。ただ、あまり情報が多くなく、しかも入社3年目までは投手だったという経歴の選手。動画を見る限りはかなりよさそうで、とても6位で指名されるような選手には見えなかったが、実際どうなのか。
左の即戦力先発候補は取らなかったが、将来を見越したドラフト戦略にしたドラゴンズ。3年~5年後には高橋投手を中心に、「投手王国」復活となっているかもしれない。
補強ポイント
①どこでもいいから即戦力の投手
②どこでもいいから即戦力の野手
実際のドラフト結果(育成指名は省略)
1位 木澤 尚文 投手(慶応大)
2位 山野 太一 投手(東北福祉大)
3位 内山 壮馬 捕手(星稜高)
5位 並木 秀尊 外野手(獨協大)
6位 嘉手苅 浩太 投手(日本航空石川高)
今年も5位とはかなり差がついてしまった最下位と言う結果となったスワローズ。当然求められるのは即戦力だ。
そういう意味では、1位、2位で即戦力で左右の投手を指名し、4位で攻守ともにレベルの高い遊撃手を指名、さらに5位には「超快足」と言う絶対的な武器を持つ選手を指名できたのは大きいか。
1位の慶大・木澤投手はMAX155キロもストレートが武器の投手。タイプ的にはリリーバータイプかなと言う印象で、今期オフにFA宣言する可能性のある守護神・石山投手の後継者候補になるのかなと言う印象。もちろん石山投手が移籍しなければ、
「6回~7回・木澤投手/マクガフ投手/梅野投手/長谷川投手のローテ起用、
8回・清水投手、9回・石山投手」
という形でいってもいいわけだし、今期も崩壊気味だったリリーフ陣、しかも、近藤投手や中澤投手といった今シーズン20試合以上登板のベテラン2人を切ったということを考えても、ここの戦力拡充は当然の選択だ。
2位の東北福祉大・山野投手は左の先発候補だろう。制球にやや難があるそうだが、球威は十二分にある。この投手もストレートに強さがあるので、どちらかと言うと直球に弱いセ・リーグ相手であればいきなり勝ち星を積み重ねてもおかしくない。
4位の東北福祉大・元山選手は左の好打者タイプで主には遊撃手として活躍していた。今年のスワローズの遊撃手というと、エスコバー選手や廣岡選手、西浦選手と固定できず、攻守ともに物足りなさが否めないと言った印象だった。強いスワローズを取り戻すためにはセンターラインの強度を高めていかないといけないが、この元山選手がその救世主となれるか。
5位の獨協大・並木選手は圧倒的な走力を持った選手で、代走・守備固めであれば、いきなりの1軍デビューもあるかもしれない。ホークスの周東選手のように、代走から結果を出しつつ、3年目あたりでレギュラーを高めるようになってくれるとチームとしてはかなりありがたいはず。
ただ、この4人を含めても、戦力になる選手がかなり少ない印象のスワローズ。しかも、主力3人がFA権を持っている状態なので、さらに戦力ダウンする可能性がある。
なので、このオフはどう言った動きを見せるかが注目される。
積極的なトレード、さらにはFAでの選手獲得に乗り出してもいいのではないかと思うが、果たしてそう言った「血の入れ替え」は行われるだろうか。
今回はここまで。
次回からはパ・リーグになります。
11/15追記
こちらです。リンクを貼ります。よかったらご覧ください。
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