10月26日、プロ野球ドラフト会議が行われた。
今回からはこのドラフトについて自分なりに、そして今更ながら振り返っていこうと思う。
なお、「補強ポイント」も併せて記しているが、ここで挙げる「補強ポイント」はドラフト前に書いた記事に記載したものと同様。
あくまでも「後出しじゃないよ!」という主張も兼ねて今回記載します。
(リンクを貼っておきますので、よかったらご覧ください)
kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com
今回から2回はセ・リーグ編。(順番は2019シーズンの上位からの順番)
補強ポイント
①将来有望な中軸候補
②将来の「ポスト菅野投手」候補
実際のドラフト結果(育成指名は省略)
1位 平内 龍太 投手(亜細亜大)
2位 山崎 伊織 投手(東海大)
4位 伊藤 優輔 投手(三菱PS)
6位 山本 一輝 投手(中京大)
7位 萩原 哲 捕手(創価大)
ジャイアンツの補強ポイントとして考えていたのは、
①「5年後、岡本選手と2大巨砲」になれる将来の中軸候補
②「ポスト菅野智之」になれる投手
この2つとみていた。
①については、近大・佐藤選手を指名したがその抽選を外してしまい、一度練り直し。3位に中京大中京高・中山選手を指名したが、大砲タイプというよりは中距離の好打者タイプか。一方、5位指名の二松学舎大付高・秋広選手は200センチ100キロの超大型野手。高校通算23本塁打を放った長打力もあり、上手く育てていけば、名実ともに「超大型砲」になれる可能性がある選手だ。
②については、1位指名で亜大・平内投手を指名し、2位には東海大・山崎投手を指名。平内投手はMAX156キロのストレートを武器に先発・救援ともにこなせる即戦力右腕。山崎投手はMAX153キロのストレートに加え、スライダー、カットボールを高次元で操れる投手。
どちらかと言うと山崎投手のほうが菅野投手に近いタイプかなと言う印象ではあるが、いずれにしてもハイレベルな投手2枚を確保できたのは大きい。
また、①、②とはやや異なるが、4位には三菱PS・伊藤投手を指名。都立小山台高時代から注目されていた投手である。制球力にやや難はあるが、ボールの威力はかなりのもので、先発でも救援でも活躍できそうな投手。右の救援にやや不安のあるジャイアンツであれば、いきなり救援陣の一角でと言うこともあるかもしれない。
総じていいドラフト戦略ができたのではなかろうかと思う。
欲を言えば、もう1人ほど高校生の長距離タイプの選手を獲れるとよかったかもしれないが、そこは来年以降にと言ったところか。
補強ポイント
①即戦力の二遊間候補
②即戦力の先発投手候補
実際のドラフト結果(育成指名は省略)
1位 入江 大生 投手(明治大)
2位 牧 秀悟 内野手(中央大)
3位 松本 隆之介 投手(横浜高)
5位 池谷 蒼大 投手(ヤマハ)
6位 高田 琢登 投手(静岡商高)
個人的には、「ベイスターズは即戦力の二遊間候補と先発投手候補を押さえておくべきでは」と思っていたが、どうやらフロント陣も同様の考えだったか。
1位指名したのは、明大・入江投手。早大・早川投手指名も予想されていたが、ここは競合を避けてきた。とはいえ、この入江投手もドラフト1位クラスの投手であることは間違いなく、ハズレ1位で獲得することは難しかったかもしれない。
作新学院高時代は今井達也投手(現・ライオンズ)の存在もあって、一塁のレギュラー兼控え投手。本格的な投手としてのキャリアは大学からと言っていい。大学通算で通算5勝と言う結果ではあったが、能力は高く、制球も非常に安定している。少なくとも「四死球から崩れる」と言うことはなさそうだ。1年目から先発ローテーション入りも十分に考えられる。
2位には中大・牧選手を指名。よくここまで残っていたというべきだろう。全体18番目で取れたのは奇跡に近い。スイングスピードの速さはかなり魅力的で、低めのボールも事もなげにスタンドへたたき込める。また、大学での成績を見ると二塁打がかなり多い(通算82安打中で23二塁打)。「ホームランも十分期待できる中距離打者」で、今のベイスターズの内野陣の中に入れても打撃はかなり上位に入るのではという期待ができる。
ただ、大学では二遊間を務めていたが、178センチ93キロとなかなか大柄な体型なので、プロでも二遊間を担えるかが少し不安か。
①、②のポイントを1位、2位でしっかり補強できたということもあってか、ゆとりが生まれた3位以降は近年のベイスターズらしい指名が多かった。
3位に横浜高・松本投手(18歳)、5位にヤマハ・池谷投手(21才)、6位に静岡商高・高田投手(18歳)と将来性もある若い左腕を補強し、4位には履正社高・小深田選手を指名し、将来の三塁手候補もしっかり確保した。
4位の小深田選手、6位の高田投手については「よくこの順位で獲れたな」と言う印象が強い。それくらいいいものを持った選手のはず。
個人的には12球団でも1,2を争うくらいの良いドラフトを展開できたという印象。即戦力を獲りながら、育成にも力を入れていくという意思がしっかり伝わるもので、将来の明るい展望ができるものだった。外野手の指名が無いところを見ると、FA権を持つ梶谷選手との交渉は順調に進んでいるといったところか。
補強ポイント
①即戦力の外野手
②将来のスター候補生
実際のドラフト結果(育成指名は省略)
1位 佐藤 輝明 外野手(近畿大)
2位 伊藤 将司 投手(JR東日本)
3位 佐藤 蓮 投手(上武大)
4位 榮田 裕貴 捕手(立命館大)
5位 村上 頌樹 投手(東洋大)
7位 高寺 望夢 内野手(上田西高)
8位 石井 大智 投手(四国IL・徳島)
このドラフト、最大の注目とされていた近大・佐藤選手を4球団競合の末、矢野監督が当たりくじを引いて見せた。地元出身でチームが待ち望んだ左の長距離砲。身体能力の高さから「糸井2世」と言われていた佐藤選手を確保できたことはタイガースにとってはかなり大きなポイントと言える。糸井選手に衰えが見え、福留選手が退団、高山選手は中谷選手が伸び悩み、固定できずにいるライトの定位置を1年目から奪うかもしれない。(ただし本人は内野手志望とのこと。大山選手をライト起用した試合もあったが、その影響か?)
佐藤選手の獲得で、①・②のポイントを確保できたということか、2位以降は即戦力になれそうな選手を多く獲得した。
2位にはJR東日本・伊藤投手を指名。球速はそこまで速くないが、多彩な球種を持ち、実戦型の投手と言う評価。先発ローテーションに左腕が少ない(髙橋投手くらい)ことを考えると、いきなりのローテーション入りも考えられる。
3位の上武大・佐藤投手は大学4年春までリーグ戦登板なしという選手だが、ポテンシャルは高く評価されていたとのこと、4年秋では初登板を果たすと、18イニングで防御率1.50と結果を残した。MAX155キロとのことだが、「こんなものじゃない」という言葉が多いことからも、ポテンシャルはかなり高いことが分かる。1年目から救援陣の一角、3年後には球界屈指のリリーバーになっているかもしれない。
5位の東洋大・村上投手はケガが無ければ、このドラフトの1位候補と言われた投手。能力が足りないのではなく、単純にケガによる順位の降下であるはずなので、ケガを克服した時には一気に飛躍するかもしれない。四死球から崩れることは無く、ゲームメイク能力に長けた投手という印象。
6位の三菱自動車岡崎・中野選手はチーム内の二遊間の競争を激化させることができるくらいの好守の選手。北條選手や木浪選手、糸原選手や小幡選手への刺激も考えるといい補強だと思う。
大砲タイプを佐藤選手で確保し、即戦力の先発で期待できる投手も2人確保。リリーバーとしての大きなポテンシャルを持った投手も獲得し、二遊間激化のための刺客も入れたタイガースのドラフト。完璧ではなかったかもしれないが、しっかりとまとめてきたという印象だ。
今回はここまで
次は広島・中日・ヤクルトについて書いていこうと思う。
11/14追記→以下のリンクのとおりとなります。
kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com
以上