野球とサッカーが好きな人間のブログ

野球とサッカーが好きな人間が好き勝手に喋ってます!順位予想とかもやってます!

12球団 2020年ドラフトを今更ながら振り返る(パ・リーグ編 千葉ロッテ・北海道日本ハム・オリックス)

3回前から始めたドラフト振り返り企画。

ちなみに前回以前の記事はこちら

  

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

  

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

 

今回は 

千葉ロッテ北海道日本ハムオリックスの3チーム

この3チームについて、ドラフト前に書いた「予測編」について、下にリンクを貼ります。良かったらご覧ください。

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

千葉ロッテマリーンズ

補強ポイント

①即戦力内野手

②将来有望な先発左腕候補

 

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 鈴木 昭汰 投手(法政大)

2位 中森 俊介 投手(明石商高

3位 小川 龍成 内野手國學院大

4位 河村 説人 投手(星槎道都大)

5位 西川 僚祐 外野手(東海大相模高)

 

序盤から好調を維持し、途中までは激しい優勝争いを繰り広げたマリーンズ。終盤に大失速し、CS進出すらも危うかったが、なんとか2位でシーズンを終え、CS進出を果たした。近年は補強にも力を入れており、チームとしての戦力値は伸びてきている。

そんなマリーンズだが、「内野陣の層が薄い」こと、さらに「先発投手陣に左のパワータイプがいなかった」ことを私は懸念していた。そのため、補強ポイントには

①即戦力内野手

②左腕の先発候補

をあげていた。

そんな中、1位には早大・早川投手を指名してきたのだが、ご存知のとおり、イーグルスにアタリくじを引かれてしまい、獲得できず。地元出身だけにここは当てたかっただろう。

しかし、ハズレ1位で法大・鈴木投手を指名し、見事に獲得。早川投手に比べると注目度では落ちるが、この鈴木投手も素晴らしい投手。MAX152キロのストレート鋭く曲がり落ちるスライダーが武器。試合終盤になっても落ちない馬力も兼ね備えており、制球面でもそこまで苦労するタイプではない。気持ちの強さが見てわかるような、堂々としたマウンド捌きは、まさに「エースの風格」である。早川投手こそ獲得できなかったが、負けず劣らずの実力派、先発型パワータイプ左腕を獲得してみせた。お見事、マリーンズフロント陣。

即戦力内野手では3位に國學院大・小川選手を指名。大学時代は主に遊撃手として活躍し、主将も務めていた。172センチとプロ野球選手としては小柄な部類に入るが、守備能力はすでに1軍クラスという呼び声があるほど。また、打撃面も「群雄割拠」の東都大学リーグや国際大会で結果を残しており、十分期待できる。

マリーンズは現在、遊撃手のレギュラーを張っている藤岡選手も含めて、攻守ともに突き抜けた選手がおらず、小川選手は1年目からレギュラーを奪うチャンスがあると予想。そういう意味では、いい選手を獲得できたと思う。

即戦力パワー型左腕即戦力内野手の両獲りに成功したマリーンズだが、他の指名でも素晴らしい動きを見せていた。

2位には明石商高・中森投手を指名。ストレートの質、スライダーの鋭さは高校トップクラスという評価で、「5年後の若きエース候補」になるであろうこの中森投手を指名できたのは非常に大きい。1位競合すら予想されていたので、2位指名、しかも全体21番目の指名はかなり意外だったが、マリーンズにとっては「漁夫の利」といったところか。

4位の星槎道都大・河村投手192センチという体躯から繰り出される150キロ超えのストレート、落差の大きなフォークと明確な武器がある。長身ではあるが、まだ線が細く、プロの世界で筋力トレーニングを中心に鍛えて、身体を作っていくことになりそう。身体ができてきた時には、とてつもない力を発揮する投手になるかもしれない。

5位には東海大相模高・西川選手を指名。高校時代は通算55本塁打という数字が示すとおり、「右の大砲」として名を馳せてきた。まだまだ粗削りではあるが、飛ばす力は天性のものがあり、プロ仕様のミート力がついた時には、安田選手との生え抜き大砲コンビによる中軸を組めそうだ。

 

補強ポイントに即戦力をしっかり確保し、将来の主軸候補も抜け目なく獲得したマリーンズ。個人的には、「最もうまいドラフトを行ったチーム」だと思っている。

 

 

北海道日本ハムファイターズ

補強ポイント

①即戦力の投手

②西川選手の後釜候補となる俊足外野手

 

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 伊藤 大海 投手(苫小牧駒澤大

2位 五十幡 亮汰 外野手(中央大)

3位 古川 裕大 捕手(上武大)

4位 細川 凌平 外野手(智辯和歌山高)

5位 根本 悠楓 投手(苫小牧中央高)

6位 今川 悠馬 外野手(JFE東日本)

 

久し振りに2年連続Bクラスに沈んだファイターズ。 このオフは、西川選手や有原投手のメジャー移籍も噂されており、戦力ダウンは必至の状態。ドラフト組にその穴を埋める活躍を期待できるかがカギになりそう。

そういう意味では、補強ポイント①、②にあげたところをいかにして確保するかというところに注目して見ていたが、1位・2位指名で一気に解決させてきたドラフト戦略は圧巻だった。

1位指名には、「即戦力投手」 苫小牧駒澤大・伊藤投手を一本釣りで獲得。ドラフト前から公言していたこと、さらに地元北海道出身ということもあり、他球団も手を出さず(出せず?)、難なく確保してきた。MAX155キロのストレートに加え、カーブ・スライダー・カットボール・フォーク・チェンジアップ、スプリットと豊富かつ全てが高次元の変化球、三振の山を築く球威に、抜群のコントロール。スタミナもあり、1年目から活躍するのは確定的といっていいだろう。ファイターズは有原投手が移籍しそうな先発も、秋吉投手の不振で固定できなかった抑えも、ともに困った状況。どこで起用されるのか、注目していきたい。

さらに2位には「俊足外野手」中大・五十幡選手を指名。圧倒的なスピードは、間違いなくプロ野球界を席巻すること間違いなし。西川選手のメジャー移籍で「1番・センター」が空いてしまいそうな状況だったが、この選手がいきなりその穴を埋めてしまうかもしれない。まずは1985年以降には達成者のいない「70盗塁」を目指して欲しいところ。

補強ポイントを押さえた素晴らしい指名をしてきたファイターズだが、3位以降もまたいい選手を獲得してきた。

3位指名の上武大・古川選手は、打撃力に定評のある捕手。今のファイターズ捕手陣を見てみると、清水選手、石川選手、宇佐美選手、田宮選手、郡選手などのように多く揃っているが、打撃に大きな期待ができる選手がいない。そういう意味でいくと、「打撃に定評のある」古川選手の存在価値は「唯一無二」という感じだ。

4位指名の智辯和歌山高・細川選手はスピードが武器の外野手だが、遊撃手としてもプレーしていた。ファイターズは遊撃手にも苦労しているようなので、この細川選手が「2番・遊撃手」として5年後くらいに出てくると面白いかも。「1番・五十幡選手、2番・細川選手」という超高速スピードスターコンビが誕生した時には、対戦する各球団は頭を抱えることになりそうだ。

5位指名の苫小牧中央高・根本投手は、左腕から投じられるスライダーに定評のある投手。173センチと決して大柄ではないが、それを感じさせない投手としての魅力がある。タイプ的にはジャイアンツの田口投手やホークスの和田投手に近い印象。「勝てる投手」になる素質がありそうなので、早い段階で1軍ローテーション争いに食い込んできても不思議はない。

そしてまさかの6位指名だったのが、JFE東日本・今川選手。社会人屈指の長距離砲がまさかこの位置で指名されるというのは驚いた。長打力が武器だが、いわゆる「ブンブン丸」ではない。「攻撃的2番打者」をやっていただけあって、バットに当てる技術そのものが高いので、率も残せそうなタイプ。フォームに少し癖があるのが、この指名順位に影響を与えたのかもしれない。とはいえ、普通に考えれば上位で指名されるべきだと思っていた選手を6位指名で獲得できたファイターズのドラフト巧者ぶりは素晴らしいものがある。

 

マリーンズ同様、素晴らしい補強ができたファイターズ。来年はこのルーキーたちが1年目から大活躍してくれるかもしれない。

 

 

オリックス・バファローズ

補強ポイント

①とにかく「振れる」野手

②一芸を持った野手

 

実際のドラフト結果(育成指名は省略)

1位 山下 舜平大 投手(福岡大大濠高)

2位 元 謙太 外野手(中京学院大中京高)

3位 来田 涼斗 外野手(明石商高

4位 中川 颯 投手(立教大)

5位 中川 拓真 捕手(豊橋中央高)

6位 阿部 翔太 投手(日本生命

 

2年連続最下位のバファローズ。さすがに即戦力を獲ってくると思っていたが、驚くほどの真逆。「5年後を見据えた」 ドラフト戦略となった。

1位指名したのは、福岡大大濠高・山下 舜平太投手MAX153キロのストレートと縦に大きく割れて落ちる超高品質のドロップカーブ、この2球種のみで高校野球界をざわつかせた逸材。各方面から絶賛される「バファローズのエース候補」いや「日本のエース候補」だ。2球種だけでは現代野球では厳しいということは、本人も承知済みで、「山本由伸投手への弟子入り志願」という記事が出ている。意識の高さは間違いなさそうだ。山本投手の下、フォークや高速シュート辺りを吸収出来れば、5年後にはとてつもない投手になるかもしれない。

2位には中京学院大中京高・元選手を指名。186センチ85キロと言う体躯から繰り出す長打力は非凡なものがある。2年夏に出場した甲子園では逆転満塁ホームランを放つ活躍を見せており、「勝負強さ」も持ち併せた選手。今のバファローズには圧倒的に欠けている能力だと思うので、これだけでも非常に魅力的だ。高校時代は外野、三塁、遊撃、そして投手と複数のポジションをこなすなど、野球センスも光っている。バファローズはこの元選手を「内野の軸となる選手」として育てていくのか、「外野で攻守に躍動する選手」として育てていくのか、注目だ。ちなみに私は外野、それも俊足・強肩を活かしてライトで育ててほしいと思っている。

3位には地元の明石商高・来田選手を指名。1位指名される可能性もあるかと思われていたが、全体36番目まで残っていたのは予想外だった。しかし能力は間違いない。鋭く速いスイングで長打を生み出し、50メートル5.8秒を記録するスピードでダイヤモンドを駆け、遠投100メートルの強肩で走者を刺す。まさしく三拍子揃ったスター候補生だ。かつてはバファローズジュニアでプレーしており、「地元のスターが低迷するチームを復活させる」というストーリーを期待したい。

4位は立大・中川 颯投手を指名。184センチと言う長身であるが、アンダースローである。長身に比例して腕が長いが、その腕をしならせて投げ込むボールには球速以上の威力を感じる。見ていると、腕が「グニャーッ」としなり、地上スレスレのところから投じられるボールが「グワァーッ」とノビてくるような印象を感じる。(語彙力がないのでこんな感じになったが、実際見てみるとわかってもらえるのではと思う。)先発ローテーションや中継ぎとしてもイケそうで、重宝されそうだ。

5位には豊橋中央高・中川 拓真選手を指名。遠投110メートル、2塁送球最速タイム1.83秒を誇る強肩に、高校通算44本塁打を放った長打力を持つ捕手だ。甲子園出場経験は無いためか、中央球界では無名だったが、バファローズスカウト陣はかなり前から注目していたようで、ドラフト前から「高校生捕手を1人は獲る」と言っていたが、その「1人」はこの選手のことだったようだ。捕手陣は、伏見選手や頓宮選手という「攻撃型捕手」に、若月選手や松井雅人選手といった「守備型捕手」がいて、育成枠ではあるがフェニックスリーグでは4番も務めるほどに期待される稲富選手もいるので激戦区だが、この中川選手がどこまで食い込めるか。

6位には日本生命・阿部投手を指名。今年で28歳のオールドルーキーで、1年目から勝負の選手。社会人歴が長いだけあって、コントロールは素晴らしく、球速もMAX151キロと力強さもある。20代後半でのドラフト指名、バファローズと言えば比嘉投手が思い出される。比嘉投手のような「中継ぎ陣の切り札的存在」になってもらいたい投手だ。今月22日に開幕する都市対抗野球では、所属する日本生命も出場するため、恐らく阿部投手も登板することになるだろう。来年の活躍も見越して、見てみたいところだ。

 

「5年後」を見据えたドラフト戦略で、スケールの大きな選手たちを多く獲得したバファローズ

ただ不安なのは、山本由伸投手、山岡泰輔投手、吉田正尚選手という日本球界屈指のタレントが5年後もチームに居てくれるか。彼らがいる間に優勝し、「勝ちグセ」がついた状態にしておかないと、せっかく獲得した若手選手たちも腐っていってしまいかねない。そういう意味では「即戦力がもっと必要だったはずなのだが・・・。」

と思っていたところ、「福岡ソフトバンク長谷川勇也選手がFA権を行使した場合にはすぐ調査する」と言う記事が出た。(そのリンクが今は消えているので、話が消えてしまった可能性)

この中で、「高校生を多くとったということは補強するということ」という文がある。(超重要!)

これをまともに捉えると、今年は多くのトレードやFA補強、外国人選手の補強があるということだ。であれば、今年のドラフト戦略は至極妥当だと思う。

 

①今年オフでの即戦力の補強で2021年は最下位脱出、Aクラス入り

②2022年以降、安定して優勝争いに食い込むようにする

③この3年でドラフト指名してきた選手達が育ったところで黄金期到来

④力を入れている育成機関で育った若手選手達による新陳代謝で好循環

 

この4段階でチームの長期にわたって安定した強さを維持するという算段だ。

「やる気MAX、ORIX」で、そろそろ結果を出してほしいところだ。

 

 

今回でドラフト振り返りシリーズは終了。

これから入団する選手達が今後どんな活躍をしてくれるのか。私たち野球ファンに強烈な印象を与え、社会の希望となってくれる選手がどれだけ出てきてくれるかを楽しみにしたい。

 

 

以上