2022 各球団のドラフト1位・2位は誰だ!(横浜DeNAベイスターズ編)
年に1度の大イベント、プロ野球ドラフト会議が今年もやってくる。
多くのスター候補生がプロ野球界にやってくるこの日は、1プロ野球ファンとして非常に楽しみである。
そんなドラフト会議について、各球団のドラフト1位・2位を考えていきたいというのが今回の趣旨。(3巡目以降は指名順による要素が大きすぎるので書かない)
・あくまでも「考えていきたい」なので、「予想」ではない
・自分が各球団の編成だったらこの選手を上位で指名したい
ということをダラダラと書いていくものとなります。
日本ハム→中日→ロッテ→広島→楽天→阪神→西武→巨人→オリックス→DeNA→ソフトバンク→ヤクルト
の順で書いていくことにします。
1巡目2回目指名→吉田賢吾選手(桐蔭横浜大 捕手)or菊地吏玖選手(専修大 投手)
2巡目→門別啓人選手(東海大札幌高 投手)or野口泰司選手(名城大 捕手)
【チーム状況】
2021シーズンのリーグ最下位から2位に躍進を遂げた今シーズン。一見すると、「この調子でいけば、来年は期待できるぞ」となりそうだが、得失点差では大幅にマイナスを叩くなど、決して盤石の戦いはできていない印象のベイスターズ。
投手陣は先発・救援ともに、現状の主力陣がそれなりに計算できそうなのは朗報だが、先発陣は高卒出身の若手がまともに育っていないし、救援陣の勤続疲労も不安が残る。
野手陣は、名前だけ見ればかなり強そうに見える。なにせ打線の中核を担うのが
・「セ・リーグ首位打者経験者」(佐野恵太選手・宮崎敏郎選手)
・「セ・リーグホームラン経験者」(ソト選手)
・「セ・リーグ屈指の強打のセカンドにしてチームの4番」(牧秀悟選手)
・「ムードメーカーにして3割経験者にして好守のセンター」(桑原将志選手)
ここに「名門ニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト」であり、2021シーズンの4番、オースティン選手が来シーズンはスタメンに戻ってくるとされている。本当に「名前だけだと凄まじく強そうだ」。
しかし、現実は厳しい。セ・リーグで最も狭い横浜スタジアムを本拠地としながら得点数はリーグ4位と低迷。盗塁数も多くなったとはいえ、リーグ5位と褒められたものではない。それでいてチーム打率はリーグ2位なのだから、いかにバランスが悪いかがわかる。ここでは記載しないが、「コンタクト能力に長けている」・「盗塁など足を使える」野手を3巡目以下では獲得しておきたいところだろう。
さらに問題なのは捕手陣。戸柱恭孝選手・嶺井博希選手・伊藤光選手の30代の3選手がローテーションで起用されている状態で、加えて若手選手は伸び悩み。打てる捕手は実質不在の厳しい状況が数年続いている。「打てる捕手」は確実に欲しいところだ。
【自分が編成の立場であったらどうするか】
1巡目本指名で指名したいのは松尾汐恩選手(大阪桐蔭高)だ。甲子園を沸かせた強打の捕手で、ポテンシャルの高さは図抜けている。二遊間を守ることもできるほどの身体能力の高さも持っていることから、上手くいけば今後15年の捕手事情は解決する。2軍で経験を積み重ねて3年後に1軍正捕手争いに殴り込みをかけるというイメージでいけば、理想的な補強だ。
1巡目2回目指名を行う場合、理想としては吉田賢吾選手(桐蔭横浜大)を指名したい。こちらも強打の捕手で、長打力は今度ドラフト候補のなかでも屈指だ。こちらは松尾選手とは異なり、「捕手らしい捕手」といったところだ。地元横浜出身という点でも、人気が出そうな選手だ。
吉田選手がすでに指名されている場合は菊地吏玖選手(専修大)を指名したい。単純に先発ローテーション候補としても期待できるし、勤続疲労が心配される救援陣に厚みを加えることも期待できる、どこのポジションでも活躍が期待できそうな投手だ。球速も出て、制球力も高い菊地投手は1年目から活躍が期待できる即戦力投手だ。
2巡目指名は1巡目の結果で大きく変わる。
1巡目で捕手を獲得できれば、門別啓人選手(東海大札幌高)を、1巡目で捕手を獲得できなければ野口泰司選手(名城大)を指名したい。
門別投手は全国大会出場経験は無いものの、特大のポテンシャルを持つ期待大の左腕である。最速で150キロに迫る速球と必殺のスライダーを武器に投球を組み立てる投手で、菊池雄星投手(現 トロント・ブルージェイズ)とベイスターズのエース・今永昇太投手を足して2で割ったような投手という印象を持った。高卒投手の育成にはかなり不安のあるベイスターズだが、いい加減その汚名を返上したいところだろうし、この門別投手は格好の逸材だ。
1巡目で捕手を指名できなかった場合、野口選手は是が非でも獲得しておきたい選手だ。ややクセのある打撃フォームだが、そこから繰り出される長打力は素晴らしい。また、2塁送球1.9秒台という強肩も魅力だ。こちらも先述した吉田選手同様に「捕手らしい捕手」といったイメージで、強肩強打の捕手としての活躍が期待できる。
ここ数年のドラフト戦略もあり、多少の誤算はあれども、少しずつ「常勝軍団への道」は見えているベイスターズ。今年はとにかく「打てる捕手」が最優先課題となりそうだ。
以上
2022 各球団のドラフト1位・2位は誰だ!(オリックス・バファローズ編)
年に1度の大イベント、プロ野球ドラフト会議が今年もやってくる。
多くのスター候補生がプロ野球界にやってくるこの日は、1プロ野球ファンとして非常に楽しみである。
そんなドラフト会議について、各球団のドラフト1位・2位を考えていきたいというのが今回の趣旨。(3巡目以降は指名順による要素が大きすぎるので書かない)
・あくまでも「考えていきたい」なので、「予想」ではない
・自分が各球団の編成だったらこの選手を上位で指名したい
ということをダラダラと書いていくものとなります。
日本ハム→中日→ロッテ→広島→楽天→阪神→西武→巨人→オリックス→DeNA→ソフトバンク→ヤクルト
の順で書いていくことにします。
今回はオリックス・バファローズについて。
1巡目本指名→矢澤宏太選手(日体大 投手・外野手)
1巡目2回目指名→杉澤龍選手(東北福祉大 外野手)or曽谷龍平選手(白鴎大 投手)
2巡目→イヒネ・イツア選手(誉高 内野手)
【チーム状況】
・2021シーズンパ・リーグ制覇の立役者である「ラオウ」杉本裕太郎選手やT-岡田選手の不振
・リリーフ陣を支えていた吉田凌投手や山田修義投手のコンディション不良に加え、富山凌雅投手の大不振
・期待外れに終わりつつある外国人選手
・2度にわたるコロナ禍
これほど誤算だらけであったにもかかわらず、連覇したことは凄いことである。中嶋聡監督が率いている間は、大崩れする心配はなさそうだ。
とはいえ、黄金時代到来に向けて視界良好かと言われるとそうでもないのも事実だ。
まず投手陣でみれば来年も活躍できる見込みがある救援投手が極めて少ない。事実、2021シーズンの救援陣と今シーズンの救援陣でメンツが大幅に異なる。2年連続で活躍できた投手は、比嘉幹貴投手と平野佳寿投手の両ベテランくらい。来年も安心して任せられる投手は欲しいところ。(ただ、ここは既存戦力で頑張ってもらった方がいいだろう。)
そして野手陣を見ると、内野・外野共に層はかなり薄い。レギュラー陣と控え組の差がかなり大きいのは、長年続く不安材料だ。
内野手であれば、紅林弘太郎選手・大田椋選手・野口智哉選手・宜保翔選手、外野手であれば渡部遼人選手・来田涼斗選手・元謙太選手・池田陵真選手という若手有望株がいるとはいえ、不測の事態に備えておいた方がいいのは間違いない。できれば即戦力も押さえておきたいところだ。
【自分が編成の立場であったらどうするか】
1巡目本指名で指名したいのは矢澤宏太選手(日体大)だ。投げれば150キロ超の速球に加えて、スライダー、カーブ、チェンジアップの変化球も高性能。バファローズに不足している速球派左腕として活躍が期待できる。さらに野手としては圧倒的な身体能力な高さで走攻守で貢献が見込める。レギュラー格の選手が不足している外野手の救世主候補として、そして173センチの身長を感じさせない豪快なフルスイングから「守備と走塁にも長けた吉田正尚」として期待できる。
1巡目2回目指名を行う場合、理想としては杉澤龍選手(東北福祉大)を指名したい。「天才」と称されるほどのバットコントロールの巧さを誇る中距離砲タイプの打者で、175センチ80キロという体型も含めて「ポスト吉田正尚」の正統後継者候補にもなり得る選手だ。
杉澤選手がすでに指名されている場合は曽谷龍平選手(白鴎大)を指名したい。こちらは即戦力となりえる速球派左腕で、1年目から先発ローテーション入りもしくは救援陣に加わることが期待できる投手だ。矢澤選手のところでも記載したとおり、バファローズに不足している速球派左腕であることも考えると、チーム内での需要はかなりありそうだ。
2巡目指名ではイヒネ・イツア選手(誉高)を指名したい。特徴としてはナイジェリア仕込み(ご両親がナイジェリア人)の圧倒的な身体能力。走攻守すべてでポテンシャルの高さを感じさせる動きを見せていて、5年後がかなり楽しみな選手だ。アフリカルーツの身体能力も含めて、なんとなく宗佑磨選手に似ている気がする。現在は遊撃手だが、184センチという体躯を見ると、個人的には、宗選手で叶わなかった「大型センター」の将来も見てみたい。
優先ポイントとしては「即戦力の外野手」→「即戦力の左投手(中継ぎも可能)」→「野手のポテンシャル型」というところになるかと思われる。ここ数年のドラフト戦略で強豪への道を切り開きつつあるバファローズ。このオフのドラフトはどんな戦略をとっていくか、気になるところだ。
以上
アルビレックス新潟 「J1復帰」! 「2度目のJ1」は180度違うアプローチで挑む
本日、アルビレックス新潟はベガルタ仙台に勝利したことでJ1復帰を果たした。
長く苦しいことばかりだった5年間のJ2生活に別れを告げ、2023シーズンから再びJ1の舞台に挑むことになる。
そんなアルビレックスのサッカーについて、アルビレックスファン・サポーター以外の方はどのようなイメージを持っているだろうか?
特にJ1にいた2017シーズンまでの印象で止まっている方は以下のようなイメージを持っていることだろう。
○ブラジル人アタッカーがチームの得点源
○外国籍選手が居ないと、得点はまともに奪えない。
○ネット上で「百姓一揆」と表現された、守って守ってのカウンターサッカー
○有望な生え抜き日本人アタッカーはほぼ皆無
少なくとも2017シーズンまではこの認識は間違っていない。なにせ、
○2002シーズン〜2012シーズンまでのチーム得点王は毎年ブラジル人選手
○2008シーズン〜2010シーズンにかけて、マルシオリシャルデス選手欠場は23戦あったが、未勝利
○2004シーズン〜2017シーズンまでのJ1在籍14年間で、日本人の2ケタスコアラー1人(2013シーズンの川又堅碁選手のみ)
○2004シーズン〜2017シーズンまでの間、アルビレックスで100試合以上出場した「生え抜きのアタッカー」、1人(田中亜土夢選手のみ)
この歴史では、上記の印象・イメージを持たれていても仕方がないと言える。
しかし、「今のアルビレックスは全く違うチームである」ということを書いていきたい、というのが、今回のテーマである。
基本的には上記した「他チームサポーターが抱いているであろう印象・イメージ」と直近2シーズンでの実際のデータとで比較していく形にして紹介をしていくことにする。
○ブラジル人アタッカーがチームの得点源
→先述したとおり、2002シーズン〜2012シーズンまでは11シーズン連続でブラジル人アタッカーがチーム得点王。
2002、2003→マルクス選手
2004〜2007→エジミウソン選手
2008→アレッサンドロ選手
2010→マルシオリシャルデス選手
2011、2012→ブルーノロペス選手
さらに、2016シーズン(ラファエルシルバ選手)・2017年シーズン(ホニ選手)・2019シーズン(レオナルド選手)もブラジル人アタッカーがチーム得点王。
ちなみに余談にはなるが、2014シーズンはボランチであるレオシルバ選手がチーム最多得点(6得点)だった。この年の日本人アタッカーの最多得点は3得点で4人(成岡翔選手、鈴木武蔵選手、指宿洋史選手、川又堅碁選手)が並んでいた。
これほどまでにブラジル人アタッカーに頼っていたアルビレックスだが、直近2シーズンではどうなのか。
そのデータが以下のとおり。
2021シーズン→ブラジル人選手のゴール数 0
2022シーズン→ブラジル人選手のゴール数 0
ウソではない。本当に0ゴールなのである。
というより、この2シーズンについては、ブラジル人選手の所属そのものが0人だった。
ちなみに、少し範囲を広げて「外国籍選手」ではどうなのかというと、
2021シーズン→外国籍選手のゴール数 0
2022シーズン→外国籍選手のゴール数 4
(アレクサンドレゲデス選手2ゴール、イッペイシノヅカ選手2ゴール)
となっている。
いかにこの2年間、日本人選手がゴールを決めているのかが分かるだろう。
○外国籍選手が居ないと、得点はまともに奪えない。
→1つ前と若干被ってしまうところはあるが、より具体的な数値を出すことにする。
2002シーズン〜2017シーズンまでのチーム全体の得点数のうち、外国籍選手がどれだけゴールをあげているかを表す「外国籍選手ゴール率」が以下のとおり。
2002シーズン→48%(36ゴール/75ゴール)
2003シーズン→53.8%(43ゴール/80ゴール)
2004シーズン→59.6%(28ゴール/47ゴール)
2005シーズン→72.3%(34ゴール/47ゴール)
2006シーズン→37%(17ゴール/46ゴール)
2007シーズン→60.4%(29ゴール/48ゴール)
2008シーズン→50%(16ゴール/32ゴール)
2009シーズン→54.8%(23ゴール/42ゴール)
2010シーズン→66.7%(32ゴール/48ゴール)
2011シーズン→68.4%(26ゴール/38ゴール)
2012シーズン→51.7%(15ゴール/29ゴール)
2013シーズン→8.3%(4ゴール/48ゴール)
2014シーズン→26.7%(8ゴール/30ゴール)
2015シーズン→26.8%(11ゴール/41ゴール)
2016シーズン→51.5%(17ゴール/33ゴール)
2017シーズン→42.9%(12ゴール/28ゴール)
2013シーズン~2015シーズン以外は、凄まじいレベルの依存率である。特に2005シーズンは70%超えという依存率である。
得点を奪える外国人アタッカーがいることは悪いことではないし、いて困ることは無いが、ここまで依存してしまうと、コンディション不良が起きた場合や故障離脱が起きた場合に対応ができなくなる可能性が高くなる。
せめて30%以下にはしておきたいところだろう。
この「外国籍選手ゴール率」について、2021シーズンと2022シーズンはどうだったかが以下のとおり。
2021シーズン→0%(0ゴール/61ゴール)
2022シーズン→5.6%(4ゴール/71ゴール)
改めて数値で出すと、ここまで下がるものかと驚いた。2シーズン合計で4ゴールという依存の少なさ。
外国籍選手が少なかったこと、なかなかフィットできなかったことを差し引いてもこの依存度の低さは凄いことである。その上で2シーズン連続60ゴール超えという実績も作ったのは素晴らしい。
今後J1を戦う上では、外国籍選手に頼るところもあるだろう。しかし、日本人選手だけでこれだけできる今のチームであれば、以前ほどの依存状態にはならないだろうと想定される。
○ネット上で「百姓一揆」と表現された、守って守ってのカウンターサッカー
→かつては「守備から試合を組み立てて、縦に速く、ボールを奪ったらゴールまでスピーディーに攻撃を仕掛ける」という、堅実なスタイルを採っていたアルビレックス。ゆえにボール支配率は必然的に低くなる傾向にある。
しかし、今のアルビレックスは180度違うといっていい。
それを示すのが、以下のデータである。
2017シーズンボール支配率→44.7%(リーグ1位/18チーム中)
2018シーズンボール支配率→49.9%(リーグ1位/22チーム中)
2019シーズンボール支配率→48.5%(リーグ1位/22チーム中)
2020シーズンボール支配率→55.7%(リーグ5位/22チーム中)
2021シーズンボール支配率→61.3%(リーグ1位/22チーム中)
2022シーズンボール支配率→59.8%(リーグ1位/22チーム中)
(2022シーズンは39節終了時のデータ)
(データ参照:Football LAB様
データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB[フットボールラボ] (football-lab.jp) )
J1から降格してすぐの時の2018シーズン・2019シーズン、つまりチームにJ1経験組が多くいた時ですら、リーグの平均以下のボール支配率だった。それほどまでに「ポゼッション」とは縁のないチームだったということがわかる。
それが2020シーズンのアルベル監督(現FC東京監督)の就任を境に大きく変わった。特に2021シーズンは61%超えという驚異の数値である。
(参考:2020シーズン、あれだけ「ポゼッションサッカー」と話題となり、J1昇格を果たした徳島ヴォルティスでも58.4%だったのだから、この2シーズンがいかにすごいかが分かるだろう。)
さらに凄いのは「1試合平均パス数」だ。
2017シーズンから2022シーズンまでの1試合平均パス数が以下のとおり。
2017シーズン1試合平均パス数→351.0本(リーグ18位/18チーム中)
2018シーズン1試合平均パス数→425.2本(リーグ12位/22チーム中)
2019シーズン1試合平均パス数→442.2本(リーグ14位/22チーム中)
2020シーズン1試合平均パス数→546.2本(リーグ6位/22チーム中)
2021シーズン1試合平均パス数→637.4本(リーグ1位/22チーム中)
2022シーズン1試合平均パス数→679.6本(リーグ1位/22チーム中)
(2022シーズンは39節終了時のデータ)
(データ参照:Football LAB様
データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB[フットボールラボ] (football-lab.jp) )
アルベル監督(現FC東京監督)が就任した2020シーズン以前と以後でここまで大きく変わるものかと驚くばかりである。
ボールを6割前後握り、パスを繋ぎながらゲームを支配し、自分たちの下でコントロールする。
今のアルビレックスはこういったスタイルである。
○有望な生え抜き日本人アタッカーはほぼ皆無
→アルビレックスの日本人アタッカーといえば、鈴木慎吾選手や矢野貴章選手といった選手たちの印象が強い人も少なからず居るだろう。ただ、鈴木慎吾選手も矢野貴章選手もプロスタートは他のクラブ(鈴木慎吾選手は浦和レッズ、矢野貴章選手は柏レイソル)だった。
アルビレックスの生え抜きとなると、田中亜土夢選手が最も活躍した選手となるだろうが、その他は本当に出てこない。(ちなみに、川又堅碁選手は2012年にファジアーノ岡山に期限付き移籍している)
J1にいた14年で、生え抜きの日本人アタッカーが数えるほどというチームも珍しいが、かつてのアルビレックスはそういうチームだった。
しかし、今は違う。
その代表格が、この夏にベルギーの超名門・クラブブルージュに移籍した本間至恩選手だ。アルビレックスユースからの生え抜きアタッカーは類い稀なドリブル能力はもちろんのこと、アルビレックス在籍中に大きく成長を遂げたパス能力とシュート能力を遺憾なく発揮し、攻撃の中心として、そしてチームの顔として活躍を見せ続け、21歳にして欧州移籍を実現させた。
そんな本間選手の移籍があり、チームの攻撃力に不安がよぎる中、2人の若き才能がチームを引っ張る。2021シーズンにアルビレックスに高卒新人として加入した三戸舜介選手と小見洋太選手だ。
2人とも主戦場はサイドハーフ。それぞれの特徴は以下のとおりである。
【三戸舜介選手】
三戸選手は、圧巻のスピードを武器にしたドリブル能力の高さが注目されがちだが、パスセンスやシュートセンスも素晴らしく、総合力がかなり高いプレーヤーである。
163センチと小柄ながら、それを感じさせないパワーも持ち併せていて、今シーズンの第12節・いわてグルージャ盛岡戦で決めたシュート、第18節・水戸ホーリーホック戦で決めたシュートを見てもらえれば、お分かりいただけるだろう。
(この動画、4分08秒からゴールシーンあり)
(この動画、0分42秒から強烈なシュートシーン、3分04秒からゴールシーンあり)
この手のタイプの選手は守備力に難がある選手が多いが、この三戸選手は守備力も兼ね備えており、フィジカルも強い。おそらく、近いうちにA代表招集もあるだろう。
過去のアルビレックスで似たタイプを探すとなるとマルシオリシャルデス選手が一番近いか。
【小見洋太選手】
選手名鑑で「何を考えているのか読めないタイプ」と書かれる選手。
三戸選手のような圧倒的なスピードはないが、フィジカルの強さや間合いの取り方のうまさで相手をかわしていくドリブル力を持ち、高精度のシュート、相手ディフェンスラインの背後をとる動き出しのうまさも武器となっている。
また、守備への意識も高く、第17節・横浜FC戦の自身2点目はその象徴だ。相手最終ラインへのプレッシングもサボらずに実行。そのプレッシングの技術も高く、ボール奪取するシーンやパスコースを限定するシーンも多くみられる。
(この動画の1分38秒からこの試合であげた1点目のシーン、2分36秒から2点目のシーンあり)
今までのアルビレックスにはいなかったタイプの選手で、なんとも形容しがたい。
(髪型だけなら寺川能人選手(現・アルビレックス新潟強化部長)だが。)
将来的には「ドリブルもできる岡崎慎司選手」のような選手になってくれたらとは思っている。
上記した三戸選手・小見選手以外にも、シマブクカズヨシ選手や吉田陣平選手といった若く将来有望な選手が揃っている現在のアルビレックス。
未来は明るい。
このように、1度目のJ1とは真逆、
「180度違うアプローチ」で2度目のJ1に挑むことになるアルビレックス新潟。
2023シーズンのJ1でどれだけ暴れることができるか、期待したい。
以上