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12球団別 春季キャンプ「個人的」見どころについて(セ・リーグ編)

ついに始まる2024シーズンの日本プロ野球

今回から2回は、2月1日(オリックスは2月2日、西武は2月6日)から始まる各球団の春季キャンプにおける見どころについて、話していきたい。(今回はセ・リーグ編)

現地に練習を見に行く人、テレビで各球団の練習映像を見る人(私は完全に後者だが)、どちらの方にしても、少しでも刺さるようなポイントをあげられればと思います。

 

阪神タイガース

高卒2年目ながら1軍キャンプスタートを果たした門別啓人投手茨木秀俊投手に注目したいところ。

門別投手は、ルーキーイヤーとなる2023シーズンの時点で、モノの違いを見せつけているウエスタンリーグで12試合で2勝、さらに55イニングを投げて50被安打・15与四球・WHIPにして1.18、防御率は2.78と、高卒ルーキーとは思えぬ球質の良さと制球力の高さを誇り、素晴らしい内容を見せつけた。岡田彰布監督も2024シーズンから本格的に1軍戦力として計算している旨の発言もしているほど

茨木投手は、「まずは1軍を経験させる」という意味合いが強そうだ。昨シーズンのウエスタンリーグでの成績(防御率6.57、WHIP1.85)、イニング消化数(12試合で38・1/3イニング)を考えると、2024シーズンも主戦場は2軍になることが予測される

とはいえ、ポテンシャルの高さは随一で、(公称)182センチ85キロという恵まれたフィジカルも持っている。掴んだチャンス、ここで猛アピールできれば1軍ローテーション候補に殴り込みをかけることにも繋がる。

 

広島東洋カープ

西川龍馬選手バファローズに移籍し、外野の枠に空きが生じた。この1枠を巡る争いは白熱必至である。

筆頭候補は33歳のシーズンにしてレギュラー返り咲きを狙う選手会長堂林翔太選手だが、すんなりと決まりそうな雰囲気は全く感じられない。

対抗1番手は昨シーズン11本塁打を放った長距離砲・末包昇大選手。貴重な右の大砲として、不動のレギュラー定着を狙っていくことになるだろう。

一方で、若手選手の躍進にも期待したいところ。特に高卒3年目にして首脳陣・ファンの期待を一身に背負う巧打者・田村俊介選手、大卒2年目で豪快なスイングから放たれる長打が魅力の中村貴浩選手と、圧倒的なポテンシャルを持った若手選手たちが虎視眈々とその座を狙っている。熾烈極まる外野手レギュラー争いに注目だ。

 

横浜DeNAベイスターズ

多くの楽しみはあるが、やはりゴールデンルーキー・度会隆輝選手が1番の見どころになる。

私がどれだけ度会選手に期待しているかがわかる過去記事は以下のとおり。

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

読売ジャイアンツ

2021シーズンはリーグ4位、2022シーズンはリーグ最下位、2023シーズンはリーグ5位と、投手陣に大きな課題を抱え続けているジャイアンにとって、即戦力ルーキー2人の台頭は必要不可欠だ

ドラフト1位ルーキー・西舘勇陽投手はどの球種も高品質な本格派右腕で、球威だけでなく制球力も高い。先発でもリリーフでも対応可能な万能性も兼ね備えた点も魅力で、中央大学の先輩でもある阿部慎之助・新監督がどのような起用法をしていく方針であるかもわかってくるこの春季キャンプは注目である。

ドラフト2位ルーキー・森田駿哉投手必殺のスライダーに注目してほしいところ。富山商業高校時代から素晴らしい球質を誇っていたが、法政大・ホンダ鈴鹿では故障にも苦しんだ。しかし、故障を乗り越えてついに掴んだプロの世界。失うものが無い27歳のオールドルーキーが、左腕陣に割って入れるか注目だ。

 

東京ヤクルトスワローズ

リーグ最下位の防御率が示すとおり、スワローズの課題は投手陣。この投手陣の中でも先発投手陣の層の薄さは深刻である

その先発投手陣を大きく変えることができる、そんなポテンシャルを持つ、奥川恭伸投手吉村貢司郎投手が1軍キャンプスタートとなった。共にドラフト1位で入団し、今後10年は投手陣の屋台骨として活躍することが期待できるだけの能力を持っている両投手。この2人がキャンプからアピールをして、先発ローテーションにしっかりと入り、崩壊してしまった投手陣の救世主となっていくことができるか。モチベーション高く入ってくるであろうこのキャンプに注目だ。

一方、スワローズの武器である「強力打線」に、23歳の濱田太貴選手が本格的に割って入れるかに注目していきたい。強烈なスイングの鋭さから放たれる長打力は魅力で、こちらも今後10年は主軸として活躍するだけの力は持っているはず。この選手が「2番・レフト」もしくは「7番・レフト」で1年間活躍し、「打率.260~.280、20~25本塁打を見せてくれる、そんな期待を抱かせるようなキャンプにできるかに注目だ。

 

中日ドラゴンズ

ドラゴンズの課題は、圧倒的ともいえる打撃力の低さだろう。このオフの補強で、中田翔選手中島宏之選手の実績十分な両ベテランに加え、通算57本塁打を放った実績を誇る上林誠知選手、メジャー通算40本塁打を放っているディッカーソン選手を獲得した。この4選手は全員1軍キャンプスタートとなっており、打線を劇的に良化させる起爆剤として期待していることが伺える。特に中田選手や中島選手には「若手のお手本」としての役割も期待しているはずで、この春季キャンプで見せる一挙手一投足に注目していきたい。

その一方で、昨シーズンの不振組であるビシエド選手高橋周平選手(2軍スタート)の復活にも注目したいところ。このまま終わるわけにはいかない。永年チームを支えてきた2人の復活を期す戦いにも注目していきたい。

 

 

以上

「小野裕二選手&長谷川元希選手加入」がアルビレックス新潟にもたらすものとは

○2024シーズンへの本気度

○「ニイガタスタイル」の更なる進化

○タイトルレース参戦への覚悟

 

アルビレックス新潟のオフシーズンの動きは、上記3点を示すには十分すぎるものであった。

まずは、他クラブからのオファーも報道されていた守護神・小島亨介選手の慰留に成功。この小島選手を中心に、多くの主力選手がチームに残留してくれたことで、チームのベースは崩すことなくシーズンインできそうである。

 

攻守に貢献度が高かったボランチ高宇洋選手FC東京へ移籍したものの、いわきFCで評価を高めていた宮本英治選手をすぐに獲得。

宮本選手は圧倒的な運動量を武器に攻守に高い貢献度が期待できる「ボックストゥボックス型」のボランチでありながら、左右のサイドバック、3バックの時のセンターバック、トップ下も可能なポリバレントも併せ持つ、J2屈指のMFである。非常にいい補強をしたという印象であった。

 

そして、衝撃を与えたのが、

サガン鳥栖で「10番」を背負い、キャプテンを務めていた小野裕二選手

ヴァンフォーレ甲府で「10番」を背負い、副キャプテンを務めていた長谷川元希選手

この2選手の獲得である。

 

小野選手、長谷川選手について簡単にご紹介すると以下のとおり。

 

小野裕二選手】

・キャリア変遷

小野選手は、10代の頃からあふれる才能を見せつけていた選手であり、名門横浜F・マリノスユースで別格の存在感を示していた。それだけでなく、トップチーム昇格1年目の2011シーズンには高卒新人ながら「10番」を背負ったほどに若くして圧倒的な才能を見せていた。

2013シーズンからベルギーリーグに移籍したが、そこで大きなケガを幾度も負ったこともあり、才能を発揮するには至らなかった。しかし、その時期に苦労した経験が今の小野選手を作ったということになるだろう

Jリーグに復帰後はサガン鳥栖ガンバ大阪に在籍。特にサガンではキャプテンを務め、チームをまとめる役割も果たすなど、人間としての成長も見せ、選手としての円熟味を増している。

・プレー面

プレー面を見ると、まず目を引くのは高精度なシュート。2023シーズンは35本のシュートで9ゴールを決めており、この数字だけでも決定力の高さが分かる。また、171センチながら、ヘディングでのゴールも多いポジション取りの巧みさが窺い知れる。

さらに、パスの正確さやトラップのうまさ、フィジカルの強さ、ドリブルの推進力もハイレベルで兼ね備え、「捌ける・運べる・時間を作れる・撃てる」という攻撃に必要な要素を1人でこなせてしまう万能型アタッカーといっていいだろう。

メインポジションとしてはセンターフォワードやトップ下だが、攻撃的なポジションであればどこでもハイレベルに対応できる点もチームにとっては有難いところだ。

 

【長谷川元希選手】

・キャリア変遷

法政大学在学中にヴァンフォーレ甲府特別指定選手として登録されていた長谷川選手は、2021シーズンから正式にヴァンフォーレに入団。1年目から攻撃のタクトを掌握すると、高いドリブルスキルと圧倒的なテクニックで攻撃陣を牽引し、2022シーズンにはチームを天皇杯優勝に導くなど、ヴァンフォーレの顔として、チームを背負い、結果を残し続けてきた。天皇杯優勝に伴って、2023シーズンはアジアチャンピオンズリーグACL)にも参戦。J2リーグ42試合の長丁場を戦いながら、ACLの戦いに挑むという厳しいスケジュールながら、年間通して圧倒的な存在感を示し続けた

・プレー面

簡単に言えば、ドリブル、パス、シュート、セットプレーのキッカー、どれもハイレベルでこなせてしまう万能型アタッカーである。相手守備陣からしてみれば、

○ドリブルを封じたと思えばキラーパスを出され

○パスを封じれば華麗なトラップからシュートを打ち込まれ

○パスもシュートも封じたと思えば、ドリブルであっさりとかわされ

○ドリブルもシュートもパスも封じたと思えば、セットプレーでチャンスを演出される

 

「止めようがない」選手である。

 

少なくともこの3年間、J2で長谷川選手を超える万能型アタッカーは誰1人としていなかったと自信をもって言える。

また、怪我にも強い身体をしている点も心強いところだ。加入してから3年間の成績が以下のとおり。

2021シーズン:36試合出場7ゴール6アシスト

2022シーズン:40試合出場8ゴール4アシスト

2023シーズン:39試合出場7ゴール6アシスト(ACL 5試合出場2ゴール)

このように、長期離脱をすることなく、その上で安定した成績を残せ、計算が立つ選手であることがよくわかる。ケガがちな選手も多いアルビレックスにとっては、このような選手の存在は貴重である。

メインポジションとしては、トップ下・サイドハーフといったところ。トップ下であれば高木善朗選手長倉幹樹選手との競争、サイドハーフであれば三戸舜介選手の後継者的な役割を果たしながら、小見洋太選手太田修介選手などと競争をすることになるだろう。いずれにしても、チーム力の強化には大きく貢献することになる。

 

 

 

さて、小野選手と長谷川選手の獲得はアルビレックス攻撃陣に何をもたらすか

私が思う「3点」をここでは紹介する。

①攻撃陣の選択肢

小野選手長谷川選手の加入によって、攻撃陣の選択肢は確実に広がる

小野選手は1トップのセンターフォワードとしての起用をメインとしそうだが、トップ下やサイドハーフでの起用も想定され、鈴木孝司選手谷口海斗選手長倉幹樹選手との共存も可能。状態次第では、鈴木選手谷口選手長倉選手との2トップを組むことも可能と、起用法の幅は大きく広がる。

長谷川選手もまた、トップ下だけでなくサイドハーフでも起用可能で、マルチな活躍が期待できる。パサーにもドリブラーにもクロッサーにも、そしてスコアラーにもなれる変幻自在なプレイヤーであるため、高木善朗選手との共存でチャンスクリエイターを同時に起用するというワクワク感を楽しめる可能性もある。

 

②意外性

アルビレックスの選手達には足下の技術が高く、「巧さ」を感じさせる選手が非常に多い。その一方で、意外性のあるプレーをする選手は少ない印象である

昨シーズン途中まで在籍していた伊藤涼太郎選手は「なぜそこが見えているんだ!?」というプレーを見せることが多かったが、現チームではそういったタイプは少ない印象だ。

しかし、小野選手長谷川選手の加入は、チームに足りない「意外性」をもたらすことが期待できる。以下のプレー集(DAZN公式より)を見てもらえれば分かりやすいが、「ここでその選択肢をとるのか!?」というプレーが多い

 


www.youtube.com


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上手さはもちろんのこと、「相手守備陣に対してより怖さを与えることができる意外性」を持っている2人の加入は、確実に攻撃力をアップさせることに繋がるはずだ。

 

③得点力

上記した①、②の効果により、チーム全体の得点力はかなり高まるはずである

2023シーズンのアルビレックスは、

ボール支配率:56%(J1リーグ1位)

パス平均本数:600.7本(J1リーグ1位)

シュート平均本数:12.9本(J1リーグ4位)

ゴール期待値:1.122(J1リーグ16位)

得点数:36得点(J1リーグ16位)

(「Football LAB」さんより)

 

このスタッツが示すとおり、「ボールを支配し、パスを回す攻撃の形はできているが、決定的なシーンを作ることがうまくなく、加えてシュート精度も欠けていたといえる。

より決定的なシーンを生み出し、より多くの得点を奪うためには、

○相手守備陣に的を絞らせない多くの選択肢

○相手守備陣を翻弄する意外性

チームとして持っておく必要があると私は考えている。

 

前述のとおり、小野選手と長谷川選手は複数ポジションをハイレベルで対応でき、プレー面では相手守備陣を欺くような意外性のあるプレーができる。

上記した2点を解決するにはジャストフィットな補強といえ、チームの得点力の大幅増をもたらすことになるだろう

 

 

以上のとおり、小野選手、長谷川選手の加入によってチームにもたらされるものについて書いていった。

 

2024シーズンのアルビレックスは攻撃力に注目していきたい

 

 

以上

アルビレックス強化部はもっと評価されるべきだ

「チーム強化」というのは、本当に難しい。

 

20年以上にわたってサッカーを見てきて、毎年のように思うことである。

 

あくまでも私の主観だが、多くの人は

「ビッグネームを獲れ」

「金を使って選手を連れてこい」

「いい選手が多く居て困ることは無いんだから、獲りまくれ」

と言っている印象である。

 

しかし、

○ビッグネームを数多く揃えている。

○前年の好成績、そこからの継続性もある

などの理由で、前評判も上々。上位進出はもちろん、優勝候補として挙げられながら、シーズン序盤からズッコケて、まさかの降格なんてチームも数多く見てきた。

(例→2005年 ヴェルディ、2010年 FC東京、2012年 ヴィッセルガンバ、2014年 セレッソ、2018年 レイソル)

 

「ビッグネームを獲れば強くなる」「前のシーズンが良かったから、今シーズンも良いはず」というのは、決してアテにならないということである。

 

 

さて、ここからが今回の本題。アルビレックスの強化についてである。

今シーズンのアルビレックスの補強にはかなり否定的な声が聞こえてきていた。というのも、今シーズンから加入してきた選手たちのメンツが以下のとおりであったためである。

DF 新井直人選手

MF ダニーロ・ゴメス選手

FW 太田修介選手

FW グスタボ・ネスカウ選手

FW 長倉幹樹選手(夏に加入)

 

これで全選手である。「主な選手」ではない。繰り返すが、本当に5人で終了している。

「継続路線」

「超ピンポイント補強」

「既存の若手選手の成長を促す」

ということを色濃く出したということだろう。

 

とはいえ、シーズン開幕前に4人、夏加入を含めても5人のみというのは過去のJ1昇格組を見ても類を見ない少なさである。同じJ1昇格組の横浜FC19人の新加入選手を獲得していたということを考えれば、いかに少ないかがよく分かるというものだ。

さらに言えば、太田選手と長倉選手はJ1経験は無し。新井選手はセレッソに在籍していたが、リーグ戦はわずか6試合のみ出場で、J1の強度に適応できるかが不透明な状況だった。

 

昨シーズンJ2を制したメンバーがほぼ残留したとはいえ、J1経験が少ない選手ばかり「本当に戦えるのか?」という不安が多く出るのも無理はないところだっただろう。

 

しかし、今シーズンを11勝12分11敗の勝ち点45、10位、最終盤9試合に関しては4勝5分無敗というJ1復帰1年目としては上出来の結果で終えることに。

強化部の選択が正しかったことを証明した。

 

獲得した選手では

太田選手

ケガで19試合出場に留まったが、その中でも5ゴール(チーム内2位)と2アシストの活躍。

新井選手

24試合出場し、左右のサイドバックをこなしながら、今シーズン怪我がちだった堀米悠斗キャプテンの不在を感じさせない活躍。さらに3ゴールを決める攻撃面での貢献も見逃せない。シーズン終盤には彼無しのアルビレックスは考えられなくなるレベルに。

長倉選手

夏からの加入でありながら、いきなりチームにフィット。

加入してすぐに高い技術を見せつけてサポーターの心をあっさりと掴んでみせると、最終節のセレッソ戦では見事な決勝ゴールを決め、2024シーズンでの大活躍を予感させた。NEXTブレイクプレーヤー候補といって差し支えない。

 

と、活躍してみせた。ダニーロ選手とネスカウ選手についても本領発揮とはいかなかったが、持っている能力の高さは随所に出していた。

シーズン通して、「強化部の見る目の高さ」をまざまざと見せつけた

 

 

 

強化部の素晴らしい仕事ぶりは今年だけではない

 

このことは、以下の2つの点でも表れている

 

①チーム作りの上手さ

寺川能人強化部長が就任した2020年11月以降に加入が決まった主な選手が以下のとおりである。

2021シーズン

DF 千葉和彦選手藤原奏哉選手長谷川巧選手(レンタル移籍から復帰)

MF 高宇洋選手星雄次選手島田譲選手(レンタル移籍からの買い取り)

FW 谷口海斗選手鈴木孝司選手

※三戸舜介選手と小見洋太選手は2020年9月に加入決定。

2022シーズン

GK 小島亨介選手(レンタル移籍からの買い取り)

DF トーマス・デン選手渡邊泰基選手(レンタル移籍からの復帰)

MF 伊藤涼太郎選手松田詠太郎選手秋山裕紀選手(レンタル移籍からの復帰)

2023シーズン

DF 新井直人選手

FW 太田修介選手長倉幹樹選手

 

これを見てわかるとおり、「ビッグネーム」はほぼ獲得ゼロ

しかしその中で、現在のチームの核となる選手たちを次々と獲得、呼び戻しをしてみせている

また、補強面だけでなく、上記の伊藤選手、生え抜きの本間至恩選手、三戸舜介選手といった若きタレント3人を海外移籍させるなど、若手選手の育成面でも成功を収めていることからもチーム作りの上手さはわかる。

 

②「適正な選手数」の管理

最低でも年間40試合以上を戦うJリーグチームにおける「適切な選手数」

GK:4人

DF:8~10人

MF:10~13人

FW:5~7人

全体:27~34人

の範囲であると考えている。(あくまでも個人的な見解だが)

 

そんな中、アルビレックスの直近3シーズンの選手人数(2種登録、特別指定は除く)は以下のとおり。

2021シーズン 28人(GK4人、DF8人、MF10人、FW6人

2022シーズン 29人(GK4人、DF8人、MF12人、FW5人

2023シーズン 30人(GK4人、DF9人、MF11人、FW6人

このように、「適正な人数」をキープしている印象である。

 

 

「選手が少なすぎること」については、

○ケガ人や感染症といった「非常事態」への対応力低下

○シーズン中の戦術修正への対応力低下

○メンバーの固定化による競争力低下

を筆頭に、よろしくないことが多いのは明白である。実際に否定的な意見が多いので、ここでは割愛させていただく。

 

一方で、「選手が多すぎること」については肯定的な声が多い印象だ

冒頭にも記載したとおり、「いい選手はいくら多くてもいい。多ければ多いほど困らない」という声をよく聞く。

 

しかし、それは違うと個人的には思っている

選手が多ければ、競争力は間違いなく上がる

人が多ければ多いほど、「スタメン11人、ベンチを含めても18人の枠」に入るハードルが上がるので、それは当然である。

また、練習のレベルもそれなりに上がってくるだろうし、非常時や戦術修正への対応力も上がるはずだ。

 

しかしその一方で、チーム内で行う紅白戦にも参加できない選手が増えること」が懸念される。こうなってしまうと、以下のことが想定される。

 

紅白戦にも参加できない選手が増える

→紅白戦に参加できなくなることでモチベーション低下する選手も比例して増える

→モチベーション低下、フラストレーションを抱えた選手が不満分子に変化する

→チーム内に悪影響を与える行動をとる選手が出てくる可能性も高まる。

→首脳陣によるチームマネジメントが格段に難しくなる

→空中分解の可能性が格段に上昇する

 

まさしく「負のスパイラル」である。上記したメリットも全て覆してしまいかねない。

 

「プロなんだから」、「自分を見直す期間にすればいい」という声が聞こえてきそうだが、選手たちも「プロ選手」である以前に「一人間」であるということを忘れてはいけない

「試合に出れません、紅白戦も参加できません」の中でモチベーションを高く維持して、苦しいトレーニングを日々続けることはかなり難しいことである。言葉ほど簡単なことではないはずだ。

 

また、「全員戦力」を掲げる松橋力蔵監督率いる現在のアルビレックスにおいては、「適正な人数をキープすること」は非常に重要なことである。

 

・選手のモチベーション管理の面

・「全員戦力」を掲げるチーム方針遂行の面

・それでいて、高い競争力を維持しつつ、リスク管理にも備える面

この「3つの面」全てを実現させ続けているチーム強化術は相当素晴らしい。

 

 

ビッグネームを乱獲しなくても、選手を多く獲得しなくても、魅力的な攻撃サッカーを展開し、チームを確実に強化させ続けているアルビレックス強化部

もっと評価されるべきである。

 

 

以上