野球とサッカーが好きな人間のブログ

野球とサッカーが好きな人間が好き勝手に喋ってます!順位予想とかもやってます!

片渕浩一郎監督の解任。どうなるアルビレックス新潟

4月14日、アルビレックス新潟は片渕浩一郎監督の解任と、吉永一明アカデミーダイレクターの新監督就任を発表しました。

個人的に片渕前監督には、昨年のJ3降格危機からの脱出も含め、「よくやってくれた」という印象が大きいのですが、やはりそこはプロの世界。本当に厳しい決断を下したということになります。


結果的に片渕体制最後の試合となった山形戦。結果は2-2の引き分けで、それほど悲観するものではなかったと言えます。
ですが、失点シーンを見ていくと、「昇格を目指すチームにしては・・」という印象も受けてしまいます。特に1点目の崩され方はその印象を強く受けるものでした。新潟の右サイドを完全に崩されて、「ど」が付くほどのフリーでクロスを上げられ、頭で簡単に合わせられる。
去年の長期連敗の時に、飽きるほど見たようなシーンです。
その前の8節岡山戦でも、後半開始から5分以内に2失点。これも去年に飽きるほど見たシーンです。
今年は「負けないサッカー」を目指して、守備から入るスタイルを取っているチームのはず。(私もこのスタイルについては良く思っていましたし、実際に失点も少なくなっていたのも事実です。)
しかし、守備重視の内容面で不満を述べる方も多かった。そこに、あのような失点シーン。
厳しく言えば、あまりにもお粗末な姿を見せていたとも言えます。

「このままでは、去年の二の舞になる」という思いが出てきてもおかしくありません。今年のフロントの決断は早かったです。

さて、そんな中で新監督となったのは、吉永一明監督です。まず、この状況で監督を引き受けてもらえたことについて、感謝しないといけないです。山梨学院大付のヘッドコーチや監督、J1清水などでもヘッドコーチを務めるなど指導歴が長く、さらには新潟シンガポールでも監督をされていて、4冠制覇を達成するなどの実績を残されています。

過去の吉永監督のインタビューを見たのですが、
「相手を見て、どこで優位を作れるか。その時に周りはどこに立つのかを考えれば良い
というコメントがあり、「サイド攻撃にこだわる」「中央から攻めないといけない」という感じではなさそうです。対戦相手をしっかり分析しているからこそのコメントだと思います。逆に言えば、個の能力が非常に大切になるとも言えます。
そうなると、外国人アタッカーの重要度はさらに高くなりそうです。特にスピードのあるフランシス選手、チョヨンチョル選手。圧倒的なテクニックを備えるシルビーニョ選手。恐らくこの3人については、スタメン起用がかなり増えてくるのではないかと思われます。
システムも大きく変わる可能性があります。現在は4-4-2ですが、スピードのある選手を活かすための4-3-3や、中央にシルビーニョ選手を置く4-2-3-1を使うことも増えてくるのではないかと思われます。次の東京ヴェルディ戦でどういったメンバー、システムとなるのでしょうか。


今日の会見の中で新潟・是永社長は、「今年の選手のポテンシャルは高い。今年昇格を逃したら、何年後になるかわからない」という趣旨のコメントを出しています。相当な覚悟でこの決断を下したことかと思われます。
吉永新体制での初戦は20日東京ヴェルディ戦。新監督初戦から苦手ヴェルディとの試合という難関から始まります。しかし、苦手とかそんなことを言っていられる状況ではありません。監督交代のこの状況、「今年昇格を逃したら何年後になるか分からない」というコメントを出し、この決断を下した社長の覚悟に、選手たちは何を感じるのかが分かる試合になってきます。
勝利以外は許されない試合が続きます。

以上

激しいポジション争いの中で、ピンチを迎えた戸嶋選手とレオナルド選手

現在、3勝2分3敗の勝点11、9位にいるアルビレックス新潟


正直、開幕前の練習試合や開幕直後の対戦相手を見たときには、かなり厳しいことになるかもしれないと思ったものですが、それなりの成績を収め、上位に食らいついています。

柏レイソル大宮アルディージャといった昇格候補本命のチームも決して波に乗れているとは言えないので、「中盤戦まではしっかりと上位に食らいつき、終盤戦で一気にまくって昇格」なんてシナリオを描きながら、ニヤニヤしている筆者です。


さて、今回のテーマ

タイトルの通りです。戸嶋選手とレオナルド選手のことです。


まずは、今年のアルビレックスのスタメンの変遷をご覧いただきます。

今年の開幕直後のスタメンはこちらでした。


f:id:kka2b:20190410000227j:plain


この11人で今年はスタートしました。この先発メンバー、第3節までは固定されていて、「今年はこのメンツを軸にするのか」と思った方も少なくないかと思われます。


その後まず変化を加えたのは前線です。第4節の横浜FC戦の先発は、

f:id:kka2b:20190410000701j:plain

達也選手のところにシルビーニョ選手を入れました。レオナルド選手を孤立させないことと、ベテランの達也選手を毎試合スタメンというのはリスクがあるというところでしょう。

続いて5節の福岡戦では、f:id:kka2b:20190410000844j:plain


シルビーニョ選手から達也選手に戻しました。前線からのプレスに活路を見出したかったのでしょう。


6節の徳島戦では、f:id:kka2b:20190410001038j:plain

シルビーニョ選手と新太選手のツートップで挑みました。片渕監督は圧力をかけてくる徳島の背後を突きたいという意図をもってこのスタメンにしたと語っています。

(ここで初めてレオナルド選手がスタメンを外れます。)

そしてこの試合、戸嶋選手は精彩を欠いていました。すると後半頭から渡邊凌磨選手との交代を命じられます。


すると、第7節の町田戦

f:id:kka2b:20190410001438j:plain

戸嶋選手ではなく凌磨選手がスタメンに、さらに前線も矢野貴章選手と渡邊新太選手のツートップになります。(レオナルド選手はベンチ外)

そしてこの試合、凌磨選手が素晴らしいJ初ゴールを決め、勝利しました。


そして、直近の第8節の岡山戦

f:id:kka2b:20190410001745j:plain


前線は平松選手と達也選手に、残り9人はそのままという形です。

そしてこの試合、途中出場したシルビーニョ選手とフランシス選手の活躍で価値ある勝点1をもぎ取ります。


ここまでの8試合でのスタメンの特徴としては

ボランチより後ろはまず固定

・前線は対戦相手や選手のコンディションによって選択肢が多い。だが、一度でもスタメン起用された選手の「ほとんど」が3試合連続でスタメンを外れるということはない。

・また、前線については、競争意識を高めるために練習で良かった選手にはすぐにチャンスを与えている。

(例→平松選手や凌磨選手など)


ということです。


さて、ここからが本題です。

レオナルド選手は第6節から3試合連続でスタメン外、それどころかベンチにも入っていません。いわゆる先ほど書いた「ほとんどの選手」からも漏れてしまったということです。

さらにチームに不可欠と思われた戸嶋選手が2試合連続でメンバー外なんです。

2人ともケガという情報もないので、単純に考えれば「競争に負けた」ということになります。


原因を考えると、レオナルド選手はゴールゲッターとしての実力不足といったところでしょうか。5試合出場でPKでの1点のみでしたから。

ポストプレーなどは試合を重ねるごとに良くなってました(福岡戦では達也選手の幻のゴールを生み出す、いいポストプレーを見せていました)が、チーム全体として決定力不足の状態が続いていたことで、より直接的にゴールを期待できる選手を求めたのでしょう。

その結果がスピードのあるフランシス選手やチョヨンチョル選手といったプレイヤーの起用にもつながっています。

しかも、フランシス選手が2ゴールを決めたことで、レオナルド選手の立場は苦しくなってきているのは間違いないです。


そして戸嶋選手です。

昨年、そして今年の開幕直後を見て、戸嶋選手がメンバー外にまで落ちるとは誰も想像できなかったのでは無いでしょうか。

そんな戸嶋選手がスタメンから外れた理由も、おそらくレオナルド選手と近い理由でしょう。いわゆる「ゴールを期待できる選手を使いたい」といったところかと思われます。

戸嶋選手の特徴は豊富な運動量とインテリジェンスに富んだポジショニングの良さ、攻守の切り替えの早さといったところです。バランス良く攻守に貢献できるといったところでしょうか。一方で、サイドアタッカーとしては、突破力や創造性という面でやや不安があります。


その戸嶋選手に代わってスタメンに起用されたのが、凌磨選手です。凌磨選手の特徴は卓越したテクニックと突破力にあります。一方で守備面や運動量の不足といったところに不安がありました。戸嶋選手と比べると対極とも言えるタイプでしょうか。

ところが途中出場した6節の徳島戦でチームの攻撃のリズムを変え、流れも変えると、7節の町田戦で決勝ゴールを決めるなどの活躍。しかも90分間戦い抜き、完封勝利にも貢献しました。チームの攻撃力の向上に間違いなく貢献し、今のチームにおいては外すことはできない選手です。

そうなると、戸嶋選手を使うポジションとしてはボランチということになりそうですが、カウエ選手と加藤大選手がいいだけに、牙城を崩すのは容易ではありません。

ベンチに入れるにも、攻撃の切り札にするには個の能力の面で少し弱い。守備を考えて入れたとしても、凌磨選手が成長を続ける今だと、なかなか変えづらい。その結果、メンバー外といった現在の状況に繋がっているように思われます。



では、この2人はこのまま「スタメン争いに加わることができないのか?」

答えは「NO」です。


まず、2人とも若いです。

戸嶋選手は今年で24歳、レオナルド選手も今年で22歳という非常に若さが際立つ選手です。このまま堕ちていくことは考えられないです。というより、伸び代ばかり。これからの選手です。

さらに2人とも賢いプレーヤーです。戸嶋選手は言わずもがなですし、レオナルド選手も試合を重ねるごとにアルビレックスのサッカーに慣れてきていたようにも感じます。


片渕監督が「相手の特性や自チームの選手のコンディションをみて、戦術やメンバーを決める」起用法をしているという面から見ても、2人にはまだまだチャンスがあるはずです。


ただし、「継続して出られるか」ということになると少し話が変わってきます。

そのチャンスが与えられた時に結果を出せるかどうか。ここに尽きます。

7節にスタメン起用された凌磨選手もゴールという結果を示し、チームに勝利をもたらしたことで8節でもスタメンに名を連ねています。昨年に遡ると、それまでスタメン起用がほとんどなかった大武選手や川口選手が少ないチャンスの中で結果を出し、レギュラーになりました。


戸嶋選手やレオナルド選手はチャンスを迎えた時、結果を残せるか。それとも凡庸、それ以下の結果に終わってしまうのか。

この2人が次にスタメンの機会を与えられた試合は要注目です。



以上

開幕戦 8回裏のピンチでの続投 山岡投手は何を感じるか

2019パ・リーグ開幕戦
バッターは3番 近藤 健介選手

ここまでバファローズ開幕投手である山岡 泰輔投手は7回まで1失点、ヒットも2本に抑えていました。しかし8回に捕らえられ、この状況を作り出してしまいました。山岡投手はこの時点で105球を投じていました。さらに近藤選手には第2打席でタイムリーを浴びていて、それまで抑え込んでいたというわけではありませんでした。
通常であれば、勝ちパターンの投手をつぎ込んでもおかしくない場面です。澤田投手や吉田一将投手、左なら齋藤投手もいました。
しかし、ベンチの判断は「続投」でした。
結果としてはすでにご承知の通り。初球に2点タイムリーを浴びて、同点に追いつかれてしまいました。

出た結果だけ見れば、継投ミスとなってしまった形です。結果として、勝てた試合を落としてしまった訳ですから。

では、なぜあの場面で首脳陣は山岡投手を続投させたのか。
それまで強力ファイターズ打線を3安打で抑え込んでいたこと。その前の西川選手を打ち取っていたこと。これから多くの登板機会が見込まれるリリーフ投手を開幕戦から使い込みたくなかったこと。色々な事情があったことかと思います。
しかし、1番の理由は「エースとしての自覚を持たせること」ということではないでしょうか。

今年、バファローズは多くの主力を放出しました。特に投手陣では西投手と金子投手という2人の大きな存在を放出することになりました。そんな投手陣の中から開幕投手を任されたのは、23歳・3年目を迎えた山岡投手でした。1年目から即戦力として期待され、実際、その期待に違わぬ力を見せつけてきました。1年目8勝、2年目7勝をあげています。
しかしこの2年間、力を見せつけたとはいえ、2桁勝利が一度もありませんでした。打線の援護の少なさ、リリーフ投手が打たれて勝ちを失うこともありましたが、それを含めても物足りなさがあったことも事実でしょう。
首脳陣もそれを分かっていたのでしょう。早くから開幕投手に指名、さらに副選手会長にも任命しています。
しかし開幕前最後の登板。6回1失点と結果だけ見ればいいピッチングをしていましたが、緩慢なベースカバーをしたり、悪送球で自らピンチを作り出し、広げてしまうというミスを犯します。それに西村監督が激怒し、「開幕投手と副選手会長の剥奪」の可能性について言及するという事態が起こってしまいました。

普通に考えれば、6回1失点の投手にここまで言うことはまず無いはずです。あっても「苦言を呈する」くらいでしょう。しかし、西村監督がここまで言ったということ。それはすなわち「お前が『エースとして』チームを支えなければいけないんだ」という気持ちを山岡投手に持っているからということに他なりません。

2000年以降、Aクラスはわずかに2回。かつての強かったチームの影はすっかり消えて、負け慣れてしまったチームになってしまいました。そんなチームを変えるためには、山岡投手がエースとしての自覚を持ち、チームを引っ張るようになってくれることが必要です。
あの開幕戦での続投の判断も、チームを大きく変えるために、そして、山岡投手にエースとしての自覚をより強く持ってもらうために下した判断でしょう。

大事な開幕戦、あの場面での続投という首脳陣の判断。それを山岡投手はどう感じたのか。その答えは今シーズンが終わった後に出てくることでしょう。
「あの時の続投という判断が、『エース 山岡泰輔』を作り出した」と言えることを一ファンとして、期待してやみません。


以上