筆者が小学2年生の頃に、生まれ故郷のクラブであるアルビレックス新潟がJ1昇格を果たした。それがきっかけでアルビレックスに興味を持ち、自然とJリーグ全体に興味を持っていったという感じで17年くらい見続けている。そんな私なりの「個人的なクラブ別最強助っ人」を勝手ながら発表していくことにする。
なお、基本的には数字で判断するので、ファンサービスとか性格とかそういったところはいったん考えずに選びました。
みなさんの中にも印象に残る助っ人外国人は数多くいるかと思うので、「いやいやこの選手じゃないでしょ!」、「あいつが1番凄かったんだけどな」というご意見、ご感想もいただけると嬉しく思います。
順番的には東日本から少しずつと言った形で。今回は、
③いわてグルージャ盛岡
までの7チームを書いていくことにします。
個人的最強助っ人
FW ウィル選手
(2001年、2003年在籍 J1 26試合24得点 J2 4試合4得点 2001年 J1得点王)
今やJ1に定着した北海道コンサドーレ札幌。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。J1昇格とJ2降格のサイクルを4回繰り返してきたり、2004年には「J2最下位」も経験した。財政難で苦しい時期も多く過ごしてきたクラブだが、今ではJ1にいるのは当たり前。2019年にはルヴァン杯準優勝と結果が出てきた。
そんなコンサドーレだが、インパクト抜群の助っ人が多く在籍していた。JFL時代からJリーグ昇格に大きく貢献した「怪人」バルデス選手、J1昇格に大きく貢献したビジュ選手やブルーノクアドロス選手といった守備の匠、エメルソン選手やダヴィ選手、フッキ選手といった圧倒的な力を見せつけた攻撃者が在籍してきた。2020年ではジェイ選手やアンデルソンロペス選手、チャナティップ選手などの選手たちが在籍し、それぞれの個性がでチームに貢献している。
その中で最強助っ人には、ウィル選手を選出。2001年にトリニータからJ1昇格したコンサドーレに加入したウィル選手。初のJ1の舞台であったが、そこで26試合24得点という大暴れ!その結果、「昇格チームからJ1得点王」という離れ業を達成した。播戸竜二選手との強力2トップは他チームの脅威になっていた。圧倒的なまでの左足のパワーは規格外で、特に1stシリーズ第14節アビスパ福岡戦で決めたゴールはまさしく「悪魔の左足」そのものだった。
ただし、悪童ぶりもまた「規格外」だった。マリノスに移籍した2002年には「試合中にチームメイトへの暴力行為」で解雇。2003年にもコンサドーレに在籍していたが、途中で解雇される。退団理由は「夜の繁華街で女性に暴行」。いろいろと「規格外」が過ぎる(笑)。多分SNSのある今の時代には絶対現れないタイプの選手だ。
しかし、ファン思いの一面もあり、所属先のサポーターからは愛された選手でもあった。
個人的最強助っ人
GK ゴドンミン選手
(2020年〜在籍 J3 19試合)
2019年にJ3昇格を果たしたヴァンラーレ八戸。Jリーグ加盟から2年経っているが、在籍した助っ人選手は2名のみ。その上、ヴァンラーレでJリーグ先発出場経験のある選手が1人のみのため、必然的に先発出場経験のあるゴドンミン選手となる。松本山雅FCから期限付き移籍で加入したゴドンミン選手はまだ21歳と将来性豊かなGKだが、松本山雅でスタメンを掴み取るにはまだ経験が必要だろう。来年以降も期限付き移籍継続でヴァンラーレで活躍していくことになるか。
来年以降は環境を整えながら、続々と助っ人外国人がやってくることになるだろう。どんな選手がやってくるか、今後が楽しみなチームだ。
③いわてグルージャ盛岡
個人的最強助っ人
MF モレラト選手
(2020年〜在籍 J3 30試合5得点)
J3創設時のオリジナル12クラブの1つ、いわてグルージャ盛岡。初年度の2014年は5位と健闘したが、その後は2桁順位が続き、苦戦を強いられているのが現状だ。
そんなグルージャだが、2019年10月に経営権を「駅前留学」でおなじみのNOVAホールディングス株式会社へ譲渡され、2019年オフには積極的な補強に打って出た。その中の1人がモレラト選手である。中盤の底が本職だが、トップ下やトップとしても起用されており、攻撃性能が高い選手。2020シーズンは5ゴール3アシストを記録し、チームに貢献してた。
NOVA体制下でグルージャは積極的な補強ができるようになっているので、これからも素晴らしいタレントがやってくることになるだろう。ヴァンラーレ同様に来年以降が楽しみなチームだ。
個人的最強助っ人
FW マルコス選手
(2001年〜2004年途中在籍 J1 27試合21得点 J2 41試合34得点 2001年J2得点王)
2009年のJ2優勝、J1再昇格から11年。震災があり、地方クラブにとっては避けて通れない「主力の引き抜き」、「財政難」がありながら、J2降格することなくここまで戦い続けてきた。2012年にはJ1リーグ2位、2018年には天皇杯準優勝という活躍も見せてきたベガルタ仙台。ここ数年、特に今年はピッチ内外で低迷が続く苦しい状況だが、熱狂的なサポーターにもう一度応えて欲しいところ。
そんなベガルタだが、優良助っ人が数多く在籍していたクラブである。中盤で見せるテクニックと運動量でチームの中心となったシルビーニョ選手や圧巻の得点能力でJ2得点王になったボルジェス選手、J1昇格に大きく貢献した守備職人のエリゼウ選手にストライカーのマルセロソアレス選手、J1での躍進を支えた快足アタッカー・ウイルソン選手。長身ストライカー・ハモンロペス選手にクリスラン選手と次々と名前が出てくる。
その中で、個人的最強助っ人に選んだのは、マルコス選手。189センチの長身でヘッドでゴールを決め、卓越したテクニックで両脚でもゴールを決める。2001年には40試合34得点の大暴れを見せて、ベガルタ初めてのJ1昇格に大きく貢献した。さらに2002年、クラブ初のJ1参戦のシーズンでも24試合18得点とゴールを量産。初昇格のシーズンにして初の残留に導く大車輪の活躍であった。「J1 ベガルタ仙台の礎を築いたのは、マルコス選手」といっても過言ではないはず。
翌2003年は3試合3ゴールと素晴らしいスタートでチームの開幕ダッシュに貢献。しかし大ケガをして離脱。「マルコスロス」になったチームは急失速してJ2降格。2004年も1試合に出場したが、ケガは完治せず。シーズン途中にベガルタを退団することになる。退団セレモニーでは、日本語であいさつ。その姿にベガルタサポーターの涙が止まらなかったという伝説的な助っ人だ。
個人的最強助っ人
FW レオナルド選手 ※2015年7月に日本国籍取得
(2014年~2015年在籍 J3 42試合10得点)
ついに悲願のJ2昇格を達成したブラウブリッツ秋田。2020シーズンは開幕から28戦連続無敗を達成するなどのすさまじい強さ。その強さを支えた堅守速攻を武器に、初挑戦することになるJ2でも躍進を狙う。実は2017シーズンにもJ3優勝していたが、J2ライセンスを得られなかったことでJ2昇格を逃した苦労もあった。いよいよ秋田に待ちに待ったJ2クラブが誕生する。躍進に期待したい。
そんなブラウブリッツだが、やはりこれまでJ3に居たこともあって在籍した助っ人は少ない。そんな中で選ぶとなると、レオナルド選手だろう。サガンやヴェルディ、栃木SC、ギラヴァンツというJ2クラブでも活躍していたレオナルド選手はJ3加盟直後のブラウブリッツで攻撃の中心として活躍。苦しい時期のブラウブリッツを支えた。
2021シーズンにはJ2に活躍の舞台を移すことになったブラウブリッツ。J2残留のため、躍進のためには強力助っ人の獲得と活躍は必須だろう。どんな助っ人がブラウブリッツにやってくるか。今から楽しみでならない。
個人的最強助っ人
DF レオナルド選手
(2004年~2009年在籍 J1 21試合1得点 J2 200試合10得点)
3度目のJ1の舞台を目指して、堅守速攻に磨きをかけ続けるモンテディオ山形。2015年を最後にJ1の舞台からは遠ざかっているが、J2で安定した戦いを続けており、近いうちにJ1昇格することになるのではという印象を持っている。
そんなモンテディオだが、あまり助っ人が大活躍したというチームではない。2006年に加入し、1年間ではあったが強烈なインパクトの活躍を見せたレアンドロ選手。2014年に加入し、闘将としてチームを引っ張ったディエゴ選手。この辺りは出てくるが、その他となると、なかなか出てこないところ。元々日本人だけでしっかりとしたチームづくりができるというのも大きな要因だろう。
その中で個人的最強助っ人に選出したのは、レオナルド選手。2004年にモンテディオに期限付き移籍で加入すると、対人の強さを活かしてディフェンスリーダーとして大活躍。その活躍が認められ、2005年には完全移籍で加入すると、2008年にはチームのJ1昇格にも大きく貢献。2009年のチーム初のJ1参戦の際にも「堅守モンテディオ」の形成に貢献し、J1残留を果たす原動力となった。
モンテディオで残した成績は「リーグ戦通算221試合出場」。もちろんモンテディオの助っ人の中では最多出場である。モンテディオが本気でJ1を目指せるチームになる過程はレオナルド選手抜きでは語れない。
個人的最強助っ人
FW イスマイラ選手
(2019年〜在籍 J3 52試合17得点)
こちらもまた、J3オリジナルメンバーの1つである福島ユナイテッドFC。これまでの最高位は7位となかなか上位に食い込めていないが、少しずつ力をつけている。特に今年の終盤戦の戦いは素晴らしく、AC長野パルセイロやFC岐阜といったJ2昇格争いを演じる強豪から勝利を収めるなどしており、力はある。あとはどれだけ安定感をつけられるかが今後のカギだろう。
そんな福島ユナイテッドFCだが、ドイツの名門・レヴァークーゼンユース出身のトカチ選手や、ヴェルディやコンサドーレにも在籍していたニウド選手(現・鹿児島ユナイテッドFC)など、他のJ3クラブに比べて助っ人が活躍しているケースが多い。そんな中で選出したのはイスマイラ選手だ。188センチの長身を活かしたストロングヘッダーであり、スピードも兼ね備えたイスマイラ選手だが、実はU17ナイジェリア代表歴のある期待値の高いFWである。2020シーズンは13得点を挙げてた上、まだ22歳と若く、上のカテゴリーから触手が伸びてもおかしくないポテンシャルを持つ。
このレベルの選手を獲ってこれる福島ユナイテッドFCのスカウト陣は目利きと言っていいだろう。今後も優秀な助っ人が続々やってきそうだ。
今回はここまで。次は8つ目のクラブ、鹿島アントラーズから。
以上