今回は、以前投稿した記事(下にリンクを貼っています)で16位~22位と予想したチームについて、簡単ではありますが書いていきます。
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では、ここから各チームについて
16位 ツエーゲン金沢(2020年成績 12勝13分17敗 勝ち点49 18位)
ゴールキーパーでは絶対的守護神・白井裕人選手が健在。圧倒的な威圧感をもつ白井選手の存在は、J2各クラブも脅威に感じているはず。
守備陣では、石尾崚雅選手、廣井友信選手の主力が健在のセンターバックに、庄司朋乃也選手(←V・ファーレン)が加入した。2018シーズンにはツエーゲンで41試合に出場した庄司選手の加入は柳下監督にとっても嬉しいことだろう。松田陸選手(←ガンバ)にも期待がかかる。サイドバックは長谷川巧選手(→アルビレックス)が退団するも、19歳・高安孝幸選手のさらなる成長が期待できる。渡邊泰基選手のレンタル延長も大きい。
中盤も、藤村慶太選手・大橋尚志選手の盤石ダブルボランチが揃って残留し、サイドハーフの島津頼盛選手・窪田稜選手の「20代前半・J2屈指のタレント」がしっかり残留。中盤の成熟度はJ2屈指ともいえる。サイドハーフには嶋田慎太郎選手(←アルディージャ)が加入し、ホドルフォ選手もレンタル延長し、かなりいい戦力になってきた。ただ、主力組の質はかなりのものだが、頭数がやや足りないか。主力組に怪我人が出ると少し怖いか。
前線では、13得点の加藤陸次樹選手(→セレッソ)、10得点のルカオ選手(→松本山雅)、ドリブラーの山根永遠選手(→ホーリーホック)が退団した。ポストプレーヤーの瀬沼優司選手(←横浜FC)、テクニシャンの丹羽詩温選手(←愛媛FC)を獲得。2020シーズンは特別指定選手として20試合出場した、将来性抜群の杉浦力斗選手(←興国高)にも期待大だ。しかし、得点力はやや下がっているか。
2021シーズンは、安定した守備を作って、まずは勝ち点を重ねていくスタイルだろうか。若手育成に定評のある柳下監督の手腕にも期待。
17位 東京ヴェルディ(2020年成績 13勝15分14敗 勝ち点54 12位)
永井秀樹監督の下、2020シーズンは平均ボール支配率58%はリーグ2位と「らしさ」を見せつけたヴェルディ。このオフは例年に比べると選手の出入りは少なかったので、割と継続路線といったところか。
守備陣では高橋祥平選手がゼルビアへ移籍したが、ホーリーホックからンドカボニフェイス選手を獲得した。守備陣の空中線に対する強さは昨年以上のはず。左サイドバック候補には安在和樹選手(←レノファ)、山口竜弥選手(←ガンバ)を獲得し、選手層は増している。
中盤では、1ボランチ(アンカー)の藤田譲瑠チマ選手(→ヴォルティス)が退団した。その後釜として加藤弘堅選手(←ギラヴァンツ)、梶川諒太選手(←ヴォルティス) が加入した。アンカーというイメージがあまりないので、2ボランチへのシステム変更もあり得るか。佐藤優平選手や山本理仁選手などの主力組はしっかり残留させたのは素晴らしい。
前線は、井上潮音選手(→ヴィッセル)へ移籍。そこを埋めるべく、ドリブラーの持井響太選手(←明治大)とストライカーの佐藤凌我選手(←明治大)を獲得。小池純輝選手や山下諒也選手も残留した。
これだけ見ると、かなり上位に行きそうな雰囲気があるが、17位予想としたのは2020シーズンの終盤戦の戦いにある。特段怪我人だらけだったわけでもなく、主力が通常どおり出場していたのに、7試合勝利なしでシーズンを終えてしまった上、その7試合で3得点しか取れていなかったのは気がかりだ。2ケタゴールが期待できそうな選手も今のところは山下選手くらいなのが不安とみている。この予想を覆して、「名門復活」となるか。
18位 ファジアーノ岡山(2020年成績 12勝14分16敗 勝ち点50 17位)
2020シーズン、まさかの低迷だったのはこのファジアーノ。42試合39得点と、とにかく得点が取れなかった。2021シーズンは有馬賢二監督3年目となる。どのようにしてチームを作り上げていくか。
守備陣では守護神・ホープウィリアム選手(→トリニータ)、センターバックの後藤圭太選手(→SC相模原)が移籍し、右サイドバックの主力だった椋原健太選手がまさかの引退となった。その代わりとするべく獲得したのは、20歳の新守護神候補・梅田透吾選手(←エスパルス)、23歳のセンターバック候補・井上黎生人選手(←ガイナーレ)、26歳のサイドバック候補・河野諒祐選手(←ホーリーホック)だ。若返りに成功させて、「育てながら勝っていきたい」ところだろう。
ボランチでは上田康太選手の退団(→栃木SC)は衝撃的だった。大きな補強も行われなかったので、白井永地選手とパウリーニョ選手の既存戦力で組むダブルボランチの奮闘が不可欠だ。
サイドハーフには宮崎幾笑選手(←FC東京)が加入し、即「10番」を背負う。固定できなかった右サイドハーフでの起用が予想される。また、左サイドの上門和樹選手の残留は大きい。
最前線は「イヨンジェ選手の復活が最大の補強」と言っていいだろう。2019シーズンは18得点をあげていたが、2020シーズンは6得点。こんなものではないはずだ。
戦力の入れ替えはそこまで多くなかったが、2020シーズン17位のチームなので、やはり上位に持っていくのはためらってしまった。とにかく今シーズンは既存戦力の復活が不可欠だ。
19位 SC相模原(2020年成績 16勝13分5敗 勝ち点63 J3 2位)
ついにJ2昇格を決めたSC相模原。19試合無敗(10勝9分)でシーズンを締めくくり、驚異的な大逆転昇格を果たしたチームは、J2を席巻する準備を整えている。
しかし、このオフは少し苦しかった印象。守護神・ビクトル選手(→モンテディオ)、ベテランセンターバック・富澤清太郎選手(→ヴェルディ)、ボランチのボールハンター・鹿沼直生選手(→ジュビロ)、攻撃の切り札の1つ、才藤龍治選手(→ブラウブリッツ)が移籍した。
代わりに獲得したのが、新守護神候補・アジェノール選手(←ブラジル・クリシューマ) 、センターバック・エドゥアルド・クンデ選手(←ブラジル・クイアバ)、ボランチ候補・川上竜選手(←ギラヴァンツ)と芝本漣選手(←ガンバ)。攻撃陣ではJ3で8得点を決めた安藤翼選手(←ヴァンラーレ)、平松宗選手(←カターレ)といったところだ。この選手たちが移籍した選手達の分をどこまで埋めることができるかがJ2残留への大きなカギとなる。
幸いだったのは、チーム得点王・13得点のホムロ選手やドリブラー・ユーリ選手、和田昌士選手、サイドを活性化させる星広太選手や夛田凌輔選手が残留したことだ。根本から変える必要が無いのはやはり大きいか。
19位予想、J3降格圏であるが、元日本代表・望月重良さんが代表を務め、話題性抜群のこのクラブには予想を大きく覆す大躍進を期待したい。
20位 レノファ山口FC(2020年成績 9勝6分27敗 勝ち点33 22位)
2020シーズンは躍進も期待されながら、まさかの最下位に沈んだレノファ。 雪辱を晴らしたい2021シーズンは、ベガルタでも監督を務めた経験を持つ渡邉晋監督が就任。最下位からの逆襲を狙う。
ゴールキーパーには、渡邉政権時のベガルタで正守護神を務めた関憲太郎選手を獲得。恐らく関選手が正守護神となっていくのだろう。
センターバックは主力を残しつつ、J1・183試合出場の実績を持つ渡部博文選手(←ヴィッセル)を獲得した。空中線の強さはJ2でもトップクラスだろう。素晴らしい補強だ。サイドバックは、安在和樹選手(→ヴェルディ)が移籍したが、石川啓人選手(←ロアッソ)を獲得した。守備陣の選手層は増しているといっていい。
中盤ではボランチの高宇洋選手(→アルビレックス)、サイドハーフ・ウイングをこなすドリブラーである田中パウロ淳一選手(→松本山雅)、パスに定評のある吉濱遼平選手(→FC岐阜)が移籍した。個性のある3選手の後釜を誰にするかが注目された。
ボランチの後釜候補としては、横浜FCで長年活躍していた佐藤謙介選手を獲得。高選手と比べると、ボール奪取ではやや劣るが、ボールの配球に優れた司令塔タイプで、レノファの攻撃を1段上にスケールアップさせることができる存在だ。この選手が2021シーズンのレノファのキーマンだと思っている。
サイド候補では、髙木大輔選手(←ガンバ)、島屋八徳選手(←ヴォルティス)というレノファ在籍経験のある2人に加え、草野侑己選手(←横浜FC)も獲得した。高井和馬選手、浮田健誠選手もしっかり残留させており、戦力値はアップしたといっていいだろう。
最前線では、9得点のイウリ選手(→ポルティモネンセ)が移籍。岸田和人選手(←グルージャ)を獲得したが、ここは大きな補強はなし。サイドハーフだった浮田健誠選手をトップに転向させる形が有力か。
全体的には戦力はアップしている。ただ、まだ他チームとの戦力差は大きく、20位と予想した。渡邉監督の下で、番狂わせを起こせるだろうか。
21位 愛媛FC(2020年成績 8勝10分24敗 勝ち点34 21位)
J2参戦から16年目にして、クラブ史上最大の危機を迎えた愛媛FC。
ゴールキーパーにはゼルビアからJリーグ通算333試合出場の超実力派・秋元陽太選手を獲得し、岡本昌弘選手も残留。 これはかなりの補強となった。
しかし、ディフェンスラインでは3バックの中心であった山﨑浩介選手(→モンテディオ)が移籍し、貴重なバックアッパーの西岡大輝選手は引退した。その穴を埋めるべく獲得したのが、大谷尚輝選手(←ゼルビア)と浦田延尚選手(←松本山雅)である。大谷選手は空中戦の強さを武器としており、ゼルビアがJ2・4位に躍進した2018シーズンには37試合で先発出場した実績を持っている。浦田選手は愛媛に在籍した経験も持つベテランで、J2通算267試合出場の実績はダテではない。
中盤では左ウイングを担当していた長沼洋一選手がサンフレッチェに復帰。この穴を埋めるのは、パワフルな左足を持つ内田健太選手(←ヴァンフォーレ)だろう。セットプレーのキッカーとしても期待ができる内田選手の加入は、愛媛の新たな武器になるか。
渡邊一仁選手が引退したボランチには、運動量豊富な前田凌佑選手(←トリニータ)が加入。シャドーストライカー候補には、愛媛在籍経験もあり、得点・アシストともに来たできる近藤貴司選手(←アルディージャ)が加入した。中盤はやや戦力アップといったところか。
しかし最前線では、丹羽詩温選手(→ツエーゲン)、有田光希選手(→ヴァンフォーレ)が移籍し、新戦力の補強も無し。2019シーズンに9得点をあげながら、2020シーズンは0得点に終わった藤本佳希選手の奮起に期待といったところか。
中盤・守備陣は戦力アップしたが、最前線に課題は残ったまま。加えて、他チームとの戦力差の大きさを考え、21位予想。和泉茂徳・新監督はこの窮地をどう乗り切るのか。
22位 ブラウブリッツ秋田(2020年成績 21勝10分3敗 勝ち点73 J3 1位)
2020シーズンは開幕から28試合連続無敗で史上最速で優勝・昇格を達成するなど、記録ずくめだったブラウブリッツ。「4-4-2」、「2ボランチ+2サイドハーフ」のベースは変えずに堅守速攻でまずはJ2残留を目指していく。
オフの動きを見ると、守備陣ではセンターバックの韓浩康選手が横浜FCに移籍、左サイドバックの鎌田翔雅選手は退団となった。そこでセンターバックには増田繁人選手(←藤枝MYFC)を獲得。左サイドバックには高瀬優孝選手(←ザスパクサツ)、下坂晃城選手(←ゼルビア)を獲得。さらに、右サイドバック候補には飯尾竜太朗選手(←ベガルタ)、國分将選手(←ヴァンラーレ)が加入。センターバックは現状維持といったところだが、サイドバックは大幅に戦力アップしたというところだろう。
ボランチでは、パサー、プレースキッカーの江口直生選手・ボール奪取、セカンドボール回収の山田尚幸選手というバランスのいい主力コンビが残留した上で、パサーの普光院誠選手(←アスルクラロ)とボール奪取に優れた稲葉修士選手(←カターレ)を獲得。当然ながら戦力アップだ。
サイドハーフも、茂平選手と沖野将基選手、久富賢選手といった主力が残留し、攻撃のマルチロール・才藤龍治選手(←SC相模原)を獲得した。才藤選手はセンターフォワードとしても起用できるので、起用の幅は広がる。
最前線では、2年連続2ケタ得点の中村亮太選手が残留し、こちらも2年連続2ケタゴールの武颯選手(←カターレ)や空中戦に圧倒的な強さを持つ吉田息吹選手(←AC長野パルセイロ)を獲得した。戦力的には当然ながらアップだ。
とここまで書いてきたが、
①J2でレギュラーとしての実績を持つ選手がほぼいない(加賀健一選手と飯尾竜太朗選手くらい?)
②困ったときに独力で点が取れそうな助っ人外国人選手がいない
③守備陣の再構築に手間取りそう
ということもあって22位予想とした。
江口選手のセットプレー、中村選手、武選手の決定力で少ないであろうチャンスを活かしながら、堅守で守り切るというサッカーを進めていくのか。それができれば、J2残留はもちろんのこと、2020シーズンのギラヴァンツのような躍進も期待できる。
ますは開幕戦となるアウェー・ザスパクサツ戦に注目だ。