22チームによる激しい戦いが繰り広げられるJ2リーグ。
そのJ2リーグの特徴の1つが、「有望な若手選手が多く躍動していること」だ。
今回は、J2リーグで才能を見せている(個人的に注目している)若手選手を10人紹介することにする。
(なお、ここでいう「若手選手」は1998年4月2日より後に生まれた選手とします。)
①から⑩の順番は、個人的注目の度合いが高い順からとなっています。
① 三戸舜介選手(アルビレックス新潟 MF 2002年9月28日生まれ)
今、最も勢いのある快足ウインガー。先日、U-21日本代表に選出されたことで、知名度も一気に上がったのではないだろうか。また、Jリーグ選出の「2022年J2リーグ 5月MVP」にも輝いている。
164センチと決して体格に恵まれているわけではないが、それを感じさせないドリブルのキレとスピードは驚異的。パスセンスもハイレベルで、周りの選手を活かしたプレーもできる点も評価が高い。また、シュート力はチームでも屈指。ここまでのキャリアでリーグ戦5得点をあげているが、その内4点はペナルティーエリア外からのシュートである。
加えて、守備の強度も高い。類い稀な才能を持ちながら、手を抜かずに攻守に動き回れる三戸選手は今のアルビレックスのサッカーには欠かせない存在である。
② 椿直起選手(水戸ホーリーホック MF 2000年6月23日生まれ)
マリノス産のキレキレドリブラーで、若いうちから海外移籍(オーストラリア・メルボルンシティFC)も経験している選手。
2020年にはギラヴァンツ北九州でプレーし、J2・5位への躍進に大きく貢献した。彼の細かいボールタッチで進むドリブルは分かっていても止められない。また、左サイドからカットイン→シュートはJ2では屈指。①であげた三戸選手よりもドリブラー色が強い選手という印象である。一方で守備に難があるのか、先発出場とジョーカー起用が半々と言ったところか。
しかしドリブル能力はホンモノだ。ホーリーホックの試合を見る際は、この天才ドリブラーを要チェックだ。
③ 佐野海舟選手(FC町田ゼルビア MF 2000年12月30日生まれ)
ゼルビアが誇るJ2屈指のボールハンター。長く主力として活躍しているせいで忘れていたが、この選手、まだ21歳だったのである。
ダブルボランチを採用するゼルビアで、相棒である高江麗央選手と共にチームを牽引する佐野選手。最大の武器である圧倒的なボール奪取力は、高い危機管理能力を活かしたポジショニングの良さとフィジカルの強さの賜物である。
加えて、攻撃面でも貢献できるようになってきており、昨シーズンは6ゴールを記録している。
2年前からJ1への個人昇格が囁かれているほどの才能の持ち主。ボールハンター系ボランチを求めるのであれば、この選手はチェックしておくべきだ。
④ 坂本亘基選手(ロアッソ熊本 MF 1999年1月19日生まれ)
躍進続けるロアッソを象徴する高性能アタッカー。166センチと小柄ながら、それを全く感じさせない豊かなスピードを活かしたドリブルで相手守備陣を崩し、パワフルなシュートを放つ。シュートレンジがかなり広く、30メートルくらいのミドルシュートであれば強烈かつ枠にしっかり入れてくるという印象。昨年のJ3最終節で、チームのJ2昇格を決めるスーパーミドルを突き刺したことは、サポーターの記憶に新しいところだろう。
ちなみにジュニアユース時代からロアッソに在籍していた「地元産」であり、この点もポイントが高い。「地元クラブの旗頭」としてJ1に導く活躍を期待したいところだ。
⑤ バスケスバイロン選手(東京ヴェルディ MF 2000年5月16日生まれ)
チリが生んだ才能豊かなドリブラー。青森山田高校時代からその名を轟かせていたバスケスバイロン選手だが、今年から加入したヴェルディでは「ジョーカー」として多くの出場機会を得ている。
最大の武器である、テクニカルかつスピードとパワーも兼ね備えたドリブルはJ2屈指。それに加えて、シュートやパスも非凡だ。ここまでJ2リーグ戦4ゴール3アシストを記録しているが、これをわずか506分の間で挙げているということが高いセンスの裏付けだ。
攻撃力の高さは証明済み。守備の強度やスタミナ面を改善させ、常時スタメンの座を掴みたいところだ。
⑥ 佐藤凌我選手(東京ヴェルディ FW 1999年2月20日生まれ)
抜群のスピードと裏抜けの技術で相手ディフェンスラインを翻弄し、決定機を確実に仕留めるスナイパー。昨シーズンは大卒ルーキーながら、42試合13ゴールの大活躍を見せ、ヴェルディ若手陣の旗頭となった。今シーズンもここまで21試合で8ゴールを叩きこむ活躍ぶりで、サポーターからの期待に見事に応えている。
生え抜き日本人エースが長らく不在だったヴェルディにおいて、彗星の如く現れた大器だ。
178センチと決して大柄ではないが、ポストプレーも巧みであるのもポイントが高い。加えて、端正なマスクの持ち主で、女性人気を得やすい点も注目だ。
⑦ 長谷川元希選手(ヴァンフォーレ甲府 MF 1998年12月10日生まれ)
高いテクニックでヴァンフォーレの攻撃を操る若き天才司令塔。パスよし、ドリブルよし、シュートよしの三拍子揃った万能型である。
まだ23歳ながら、ピッチを俯瞰で見渡せるような冷静な振る舞いと視野の広さで攻撃を牽引し、周りを存分な活かすその姿は、正に「天才司令塔」そのもの。その才能はピッチ内で異彩を放っている。
現在はJ2で10位と苦しんでいるヴァンフォーレだが、この選手が更なるレベルアップをたせば、自ずとチームは上位に食い込める。
「1人で違いを生み出せる男」それが長谷川元希選手だ。
⑧ 土信田悠生選手(ロアッソ熊本 FW 1999年7月23日生まれ)
高い身体能力とシュート能力の高さを誇る、ロアッソ期待のエース候補。
現在はリーグ戦1ゴールと、決して本領発揮とはいっていないが、フィジカルの強さとどんな体勢でも正確なシュートを打ち込める身体能力はホンモノ。
現在は途中出場が多く、出場時間は短いが、その中でも存在感を発揮しているところからも、力があることは間違いない。
2歳上のエース・髙橋利樹選手の存在も大きく、お互いに刺激し合い、切磋琢磨して、将来的には「ツインタワー」がチームを高みへ誘ってくれるはずだ。
⑨ 山根永遠選手(ザスパクサツ群馬 MF 1999年2月5日生まれ)
ザスパクサツが誇る左サイドの核弾頭。積極的にドリブルを仕掛ける姿勢は見ていて清々しいほど。スピードはもちろんのこと、大きな切り返しを使ったドリブル力は高いレベルにあり、対峙するディフェンダーを惑わす。相手ディフェンスラインの裏を突くタイミングも良く、カウンター攻撃を狙うチームにはかなりフィットする。
また、ロングシュートの技術も高く、第18節・ロアッソ熊本戦では35メートル級のスーパーミドルシュートを突き刺した。
守備に臨む姿勢も良く、小柄ながらフィジカルの強さを活かしてボール奪取、そのままドリブルを展開というシーンも多く見られる。
⑩ 橋本健人選手(レノファ山口FC DF 1999年12月8日生まれ)
レノファの左サイドをストロングポイントに変える超攻撃的サイドバック。
正確無比なクロスの持ち主かつ、スペースがあればドリブルで相手守備陣を切り裂く積極性も兼ね備えている。今のJ2左サイドバック陣の中でも、「見ていてワクワクする」度では最も高いレベルといって良いだろう。守備の強度も持ち併せており、将来的には日本代表も視野に入ることは間違いない。
ちなみに大卒ルーキーながら、「特別指定選手」としてレノファに2年間在籍していた。
人気YouTubeチャンネル「MILKサッカーアカデミー」では、特別指定選手時代から絶賛されており、Jリーグファンの中では知名度は高い。
今あげた10人以外にも、J2には有望な若手選手が多い。J2を観れば、近未来の日本サッカーを牽引する選手たちをチェックできるので、少しでも関心を持ってもらえれば幸いです。
以上