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待ち望んでいた「アルビレックス新潟 トップ下争い」激化!高木善朗選手と伊藤涼太郎選手に注目!

アルビレックス新潟「4-2-3-1」のシステムを採用している。そして、いわゆる「トップ下」と呼ばれるポジションは1人のみが先発出場することになる。

そして、トップ下には2人の強力なプレーヤーがいる。「新潟のキング」高木善朗選手「天才」伊藤涼太郎選手の2人だ。

 

①  昨シーズンまでの流れ

アルビレックスが4-2-3-1のシステムを主として採用したのは2019シーズンの途中吉永一明監督の時代からだった。

(※それまでは有力なブラジル人選手を活かすためか、「4-4-2」システムを主として採用しており、「トップ下」がない状態だった。2010シーズンから2012シーズンまでのミシェウ選手と2017シーズンのチアゴガリャルド選手は、実質「トップ下」と言っていいが、ここでは「2トップの一角」としてカウントしています。)

2019シーズン途中から本格採用されたトップ下だが、当初はシルビーニョ選手高木善朗選手とで争われていた。しかし、シルビーニョ選手は抜群のテクニックがあったが、ムラが激しく、守備面での貢献も決して高くなかったという印象で、最後には高木選手が主として起用されることが多くなるという展開だった。

シルビーニョ選手が退団した2021年シーズンに至っては、高木選手の独壇場だった。「4-2-3-1」システムを採用したのが40試合だったが、そのすべての試合で高木選手がトップ下で先発出場しており、対抗者がいない状態となっていた。そのためか、高木選手の疲労がたまっても代えが利かず、終盤戦のパフォーマンス低下に直結する形となっていた。

 

② 2022シーズンの流れ

そんな事態を重く見たのか、2021シーズンのオフに強化部は「対抗候補」を獲得する水戸ホーリーホックで圧巻のテクニックを見せていた伊藤涼太郎選手だ。

開幕から4試合はトップ下を2人並べる「4-1-2-3」システムを採用し、高木選手伊藤選手共存政策を図ったが、あまりハマらないとみるや、松橋力蔵監督は「4-2-3-1」システムへ戻すことを決断(第5節・ヴァンフォーレ甲府戦から)。ここから、トップ下を巡る争いが良い影響を生むことになる。

最初に魅せたのは伊藤選手。前述のヴァンフォーレでは、前半26分に敵陣でボール奪取→松田詠太郎選手へのパスで先制点の起点となる。さらに前半31分、堀米悠斗選手から供給された左からのクロスに難易度の高いダイレクトボレーを叩き込んでの移籍後初ゴールを決めて、チームにシーズン初勝利をもたらす。


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(前述した「難易度の高いダイレクトボレー」はこの動画の2分41秒頃からのシーン。本当にすごい)

 

さらに第6節・ザスパクサツ群馬では谷口海斗選手の2点目を演出する技ありのダイレクトスルーパスによるアシストを決めて、存在感を発揮してみせた。

一方の高木選手も負けていない。第9節・栃木SCで先発出場すると、前半9分にコーナーキックからイッペイシノヅカ選手のゴールをアシスト。さらに後半30分には創造性溢れる浮き球のスルーパス谷口選手のゴールをアシストと、1試合2アシストを決める。さらに第11節・V・ファーレン長崎では、1-1の同点で迎えた後半29分に魅せる。本間至恩選手が供給した左からのクロスに利き足とは逆の左足で芸術的なダイレクトボレーを叩き込み、これが決勝点。チームの勢いを加速させる圧巻のゴールを決めてみせた。

「やっぱり高木選手がファーストチョイスかな」と思わせた直後の第12節いわてグルージャ盛岡戦、今度は伊藤選手が魅せる。前半44分、センターサークル付近でボールを受けてドリブルで1人を抜くと、そこからスルーパスを出す。そこに走り込んだ松田選手がゴールを決め、アシストを記録。さらに、第14節・ツエーゲン金沢では、前半30分に魅せる。ペナルティエリア近くでイッペイ選手とパス交換、さらにペナルティエリア侵入後には谷口選手とのパス交換で相手ディフェンスを翻弄し、最後は自らシュートを決め、これが決勝点。

その後も、

高木選手

第15節 東京ヴェルディ先制ゴール

第19節 モンテディオ山形で、1点目の起点

第21節 大分トリニータでは2ゴールを挙げ、チームの全得点を奪う

伊藤選手

第17節 横浜FC1点目と2点目の起点

第18節 水戸ホーリーホックではコーナーキックから本間選手のゴールをアシスト、さらにプレーのクオリティで松橋監督から名指しで高評価を受ける。

第19節 モンテディオでも、コーナーキックから田上大地選手のゴールをアシスト

第22節 ブラウブリッツ秋田では鮮やかすぎるループシュートで3点目を獲得。

第24節 ザスパクサツでは味方との連携で抜け出してゴールを挙げる

 

このように2人揃って活躍を見せており、第24節・ザスパクサツ群馬戦終了時点では、

高木選手→6ゴール3アシスト

伊藤選手→4ゴール5アシスト

という数字となっている。

 

③高木選手・伊藤選手、それぞれの良さについて

高木選手伊藤選手という2人の強力なトップ下のプレーヤーを擁するアルビレックス。どちらが出ても攻撃力が落ちることのない、素晴らしい形となっているが、2人の良さとは何なのか。ここからは私なりの見解を記すことにする。

高木選手の長所

・抜群のポジショニングの良さ

・在籍5年目らしい、チームメイトとの連携

・守備面での高い貢献度

 

高木選手の長所としてはこの3つが思い浮かんだ。(もちろん、これ以外にも存在する)

まずはポジショニングの良さ」だ。これが顕著に表れたのが第21節・トリニータこの試合では2ゴールを奪ったのだが、2ゴールともポジショニングのうまさが際立ったものだった。

1点目は鈴木孝司選手が中盤に下りてボールを受けたタイミングで、高木選手は最前線にポジショニングを取る。さらに、トリニータのディフェンスラインの高さを確認して、オンサイドギリギリに位置取ると、鈴木選手のスルーパスに反応して裏抜け、ゴールキーパーとの1対1を制した。

2点目は右サイドの松田選手のクロスに合わせたものだが、この直前の動きが良かった。最初はアサイドに入っていた高木選手だが、味方の動きや相手ディフェンスの動きを見て、ファーサイドに方向転換鈴木選手がニアに入り相手ディフェンスを引き付けることで出来たスペースに移動し、フリーでシュートを撃つことができた


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(この動画の0分50秒~2分21秒まで見てもらえればわかるかと思われます。)

 

「チームメイトとの連携」については、やはり在籍年数の長さが顕著に出ている。特にセンターバック舞行龍ジェームズ選手田上選手、左サイドバック堀米選手ボランチ島田譲選手、左サイドハーフ本間選手といった3年以上共にプレーしている選手との連携は一日の長がある。

「守備面での高い貢献度」も忘れてはならない。ボールホルダーへの寄せパスコースを切る動きなど、サボらずに続けることができ、前線からの守備構築に大きく貢献している。球際でも激しく闘うことができ、「闘えるファンタジスタとして貴重な存在である。

 

伊藤選手の長所

・圧倒的なボールテクニックと創造性

・シュートレンジの広さ

・途中出場からでも数字を残せる個人能力

 

一方、伊藤選手の長所としてはこの3つが思い浮かんだ。(もちろん、これ以外にも存在する)

まずは「圧倒的なボールテクニックと創造性」だ。特に顕著に現れたのは第12節・グルージャ戦と第22節・ブラウブリッツ戦だ。

グルージャ戦の前半44分に見せたスルーパスは、まさに圧巻の一言。右サイドから中へ走り込む松田選手へのパスとなるわけだが、パスを出した瞬間はペナルティエリア手前にできた「スペースへのパス」という感じ。「どこまで先が見えてるの!?」というようなパスだった。しかもパスの強さも完璧で、これ以上強いとキーパーにキャッチされるし、弱ければディフェンスにカットされる。本当にこの強さしかないというパス

私の語彙力が足らずうまく説明できないが、以下のハイライトの2分06秒あたりから見てもらえれば、何を言いたいかがよく分かるかと思われる。とにかく凄いのである。


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また、ブラウブリッツ戦で見せたループシュート創造性とテクニックの象徴といっていい。これは以下の動画の4分52秒くらいから見てもらえばわかる。ループシュートを選択できるセンスそれを可能にする技術の高さは凄まじい。

ちなみに伊藤選手のループシュートを生み出したシマブクカズヨシ選手の70メートル級ドリブルも圧巻なので、そこも注目だ。


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「シュートレンジの広さ」も魅力の一つだ。アルビレックス移籍後はまだ決まっていないが、ミドルシュートが素晴らしい。ホーリーホック在籍時に見せたミドルシュートによるゴールが以下の動画である。


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また、「途中出場からでも数字を残せる個人能力」も魅力だ。途中出場しているモンテディオ戦ではアシストを、ブラウブリッツ戦ではゴール(前述したループシュート)を記録している。また、2021シーズン(ホーリーホック在籍)には、途中出場した第41節・愛媛FC戦で決勝ゴールを、第42節・ヴァンフォーレ戦では2ゴール1アシストを記録。途中出場でも数字を残せる選手というのは貴重だし、「短い時間でもインパクトを残せるだけの個人能力がある」証拠である。

 

 

高木善朗選手伊藤涼太郎選手。それぞれに個性を持つ2人のトップ下でチームをJ1へ導くことができるか。熾烈な競争に注目だ。

 

 

以上