野球とサッカーが好きな人間のブログ

野球とサッカーが好きな人間が好き勝手に喋ってます!順位予想とかもやってます!

シーズン半分を終えたJ2リーグ 振り返り&今後の展望 part2(新潟・甲府・山形・長崎・町田 編)

シーズン42試合のうち、半分の21試合が終了したJ2リーグについて、簡単な評価と今後の展望をしていきたいと思い、前回から書き始めたこのシリーズ。前回の記事は以下のとおりです。

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

 

今回はその続きから。

 

4位 アルビレックス新潟 勝ち点41

評価→S

やっているサッカーの質の高さ、攻守ともに高い水準を誇る数値。素晴らしい前半戦を過ごしたといっていいだろう。開幕前に選手たちのメンツを見た時には「J1昇格争いに加われる・・・のか?」と疑問符がついていたのが正直なところ。しかし、アルベルト監督体制2年目という「継続性」は選手達の能力を最大限に引き出し、昇格争いに加わるどころか、中心を担っている。特に高木善朗選手の活躍は凄まじく、21試合出場で7得点11アシスト。現時点の数値だけでもシーズンMVPレベルである。ここにきて若干失速気味であるとはいえ、今のところは想定以上の大躍進。文句なしのS評価だ。

今後の展望

ここ3試合のうち2試合では完封しているとはいえ、失点数は増えてきている。第21節・ジュビロとの直接対決でもそれが露呈し、3失点を喫して敗戦をしてしまった。ハイラインを設定するサッカーでは避けて通れない「裏抜けされて失点」という形は特に多くなっており、昇格争いを戦っていく上ではやや不安な点である。しかし、「失点が怖いからラインを下げましょう」となっては元の木阿弥だ。

このチームに求められるのは、「やり切ること」

千葉和彦選手舞行龍ジェームズ選手を中心とした、経験豊富なディフェンスラインのさらなる奮起と「やり切る力」が今後のカギだ。また、千葉選手・舞行龍選手だけではなく、遠藤凌選手岡本將成選手といった若手選手たちがどこまで成長するかも大きなポイントとなる。

 

5位 ヴァンフォーレ甲府 勝ち点37

評価→A

ヴァンフォーレ安定感はJ2でも屈指。J1昇格経験3度を誇る実績はダテではない。好機をしっかり決めきる決定力易々と失点を許さない強固な守備力、ともにさすがの一言だ。今シーズンは主力の大量移籍新助っ人の合流遅れで苦しむかと思いきや、結局昇格争いに加わってきた。戦力的には中位くらいかと思っていたが、右サイドの絶対的主力関口正大選手シャドーに定着しつつある長谷川元希選手ウイングのドリブラーである鳥海芳樹選手といった「ルーキーズ」がチームを活性化させている

S評価とまではいかないまでも、A評価は当然だろう。

今後の展望

今後の昇格争いを勝ち抜くために必要なのは「得点力」だ。ここまで1得点のウィリアンリラ選手の得点量産が必ず必要となってくるはず。ポストプレー、周りを活かす仕事はしっかりできている印象だが、もう少しエゴを出してもいいとは思う

ヴァンフォーレが連れてくる助っ人FWはまず高品質だ。一度エンジンが掛かったらどこまで得点量産できるか、注目である。

 

6位 モンテディオ山形 勝ち点36

評価→B

元々、やっているサッカーの質は素晴らしかった。開幕から9試合で1勝4分4敗の大不振で石丸清隆監督が解任となったが、その間も指標上ではJ2トップクラスの質を誇っていた。第10節・ジュビロ戦で勝利を収めると見事に息を吹き返し、ここまで10勝6分5敗の6位。見事なV字回復を見せつけた。ここまで17失点モンテディオ伝統の堅守は維持できている。21試合で27得点と、得点力にはやや不満が残るところだが、ここ数試合はちゃんと得点もとれているので、そこまで心配することではないだろう。

「昇格候補」と言われていたので、「今の順位に満足できるか」と言われると決してそうは言えないところではあるが、外国人選手がなかなか結果を残せていない現状を考えれば、この順位にいるのはそれなりに健闘しているといっていいのではないだろうか。よってB評価とした。

今後の展望

クラモフスキー監督の就任によってさらに面白いサッカーになることは間違いなく、後半戦の要注目クラブとなりそう。そんなチームにアクセントを加える存在になると思っているのは、ルリーニャ選手だ。

攻守ともに組織力が高く、連動したサッカーを見せるモンテディオではあるが、個の力で状況を打破できる選手が少し足りない印象がある。そんなチームにおいて、ルリーニャ選手のドリブル能力は貴重だ。先発起用でもジョーカー起用でも必ずチームのアクセントになってくれるはず。J1昇格争いに本格参戦していきそうな後半戦、この選手が果たす役割は大きくなる。

 

7位 V・ファーレン長崎 勝ち点36

評価→C

「昇格大本命」「優勝候補筆頭」と言われたチームだったので、ここまでの成績に対して高評価は付けられない。開幕節のツエーゲン戦では勝つには勝ったが、後半に攻め込まれる形を作られた。そこから始まり、第2節のアルビレックス戦での敗戦、第5節のアルディージャ戦での0-4の大敗(4点目なんかは完全に集中力が切れていた)。開幕からまさかの展開を味わうことになり、吉田孝行前監督が解任。松田浩監督が就任してからは連勝を果たすなど徐々に持ち直し、7位までは来ているが、こんなものではないはずだ。なので、評価としてはC評価とした。

今後の展望

ここまではかなり厳しい書き方となったが、松田監督就任以降は連勝を重ね、一気に昇格争いに食い込んできそうな勢いがついているのもまた事実。ウェリントンハット選手の合流、エジガルジュニオ選手都倉賢選手2トップ固定で増した攻撃力カイオセザール選手加藤大選手のダブルボランチによる中盤の引き締め江川湧清選手新里亮選手ダブルセンターバック固定で復活したV・ファーレン伝統の堅守はやはり超J2級である。タレントの質はどう考えてもJ1昇格候補筆頭。助っ人外国人のレベルはJ1でも上位に食い込めるほどだ。このまま、「一戦必勝」を繰り返していけば、大逆転でのJ1昇格も見えてくる。

 

8位 FC町田ゼルビア 勝ち点35

評価→A

シーズン前の大型補強で話題をかっさらったゼルビア。その前評判に恥じない戦いぶりを見せているといっていいだろう。特に長谷川アーリアジャスール選手が素晴らしく、すでに5ゴールを挙げている。守備陣も高橋祥平選手を中心に21試合20失点堅守を形成している

また、既存戦力を見ても、中島裕希選手がベテランらしく、抜け目のない動きですでに5ゴールを挙げ、チームを牽引。10番を背負い、J2屈指のプレースキッカーでもある平戸太貴選手もゴールとアシストの両面でチームの攻撃を組み立てる。

第2節でジュビロ、第5節でヴァンフォーレ、第9節で琉球、第14節でアルビレックスといったチームに勝利を収めるなど、大物キラーぶりも発揮昨シーズン19位からの躍進という点、J2を面白くしている点も含めてA評価だ。

今後の展望

大物キラーぶりは存分に見せつけているが、それでも8位ということでどういうことかは察しが付くだろう。このチーム、「取りこぼし」が非常に多い

特にホームの町田GIONスタジアムで第6節・ツエーゲン戦、第11節・レノファ戦、第16節・ギラヴァンツ戦と「内容では明らかに勝っている試合」で3敗を喫している。実にもったいない。ここからはそういったところを改善することが大事になる。そういう意味では得点力のさらなる向上が必要だ。ここまで1ゴールと苦しむ鄭大世選手1ゴールは挙げたが、怪我で1か月以上離脱してしまったドゥドゥ選手の名誉挽回に期待がかかる。

 

 

4位・アルビレックスから8位・ゼルビアまで紹介し、今回はここまで。

回は9位・ヴェルディから13位・ファジアーノまでを紹介することとする。

 

 

以上

 

 

シーズン半分を終えたJ2リーグ 振り返り&今後の展望 part1(磐田・京都・琉球 編)

シーズン42試合のうち、半分の21試合が終了したJ2リーグ。現在の順位と勝ち点がこちら。

1 ジュビロ磐田 勝ち点47

2 京都サンガF.C.  勝ち点44

3 FC琉球 勝ち点42

アルビレックス新潟 勝ち点41

ヴァンフォーレ甲府 勝ち点37

モンテディオ山形 勝ち点36

V・ファーレン長崎 勝ち点36

8 FC町田ゼルビア 勝ち点35

9 東京ヴェルディ 勝ち点33

10 ジェフユナイテッド千葉 勝ち点28

11 ブラウブリッツ秋田 勝ち点28

12 水戸ホーリーホック 勝ち点27

13 ファジアーノ岡山 勝ち点25

14 ツエーゲン金沢 勝ち点25

15 レノファ山口FC   勝ち点22

16 松本山雅FC   勝ち点22

17 栃木SC   勝ち点21

18 ギラヴァンツ北九州 勝ち点19

19 愛媛FC   勝ち点18

20 ザスパクサツ群馬 勝ち点17

21 大宮アルディージャ 勝ち点16

22 SC相模原 勝ち点13

 

予想通りの展開となったチーム予想以上の健闘を見せるチームがある一方、予想を大きく下回るチームもいくつかある。

 

今回からは第21節を終えた時点での各チームの簡単な印象と今後の展望を計5回に分けて書いていく。(順番としては第21節終了時点時点の順位の順で紹介していくこととする。)

なお、

・評価はS、A、B、C、D、Eまでの6段階評価

・基本的にはシーズン前に行った順位予想と照らし合わせて判断している。

 

(シーズン前の順位予想と個別の戦力分析は以下のとおりです。)

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

 

kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com

  

 

 

1位 ジュビロ磐田 勝ち点47

評価→A

開幕から2連敗、第5節ではレノファに敗戦と、開幕から5試合で勝点6とスタートダッシュ失敗したが、なんだかんだで昇格圏内にしっかり食い込んできたジュビロ。戦力的にはもっと上のレベルのサッカーをやっていくことが求められるのだろうが、まずは「J1昇格」を果たすことが最優先だ。ルキアン選手を中心にした「個の能力の高さ」を武器とした攻撃力はやはり脅威だし、第14節・ザスパクサツ戦から第20節・V・ファーレン戦まで7試合連続完封勝利を果たすなど、守備陣が失点を許さないようになってきた。Jリーグ優勝3回の経験を持つ名門がこのままJ2に居ていいわけがない。そんなプライドが伝わるような戦いを見せた前半戦だった。メンツの質を考えてこれくらいやるのは想定内ということでここはA評価

今後の展望

カギを握るのはファビアンゴンザレス選手小川航基選手だろう。今は1トップ、そしてルキアン選手が主力として活躍している。しかし、ルキアン選手が毎試合活躍できるわけではない。必ず不調の時期はやってくる(第12節から第15節、第17節から第20節にかけて無得点という時期があったので、実はもう過ぎているのかもしれないが)。そういう時に替わりをできる選手は貴重だ。ゴンザレス選手小川選手の出来次第では2トップというオプションも加えることもできるため、チーム戦術に幅をもたらすことも可能だ。

 

2位 京都サンガF.C.  勝ち点44

評価→A

絶賛J1昇格争い中サンガにS評価ではなくA評価とするのはおかしな話なのかもしれない。しかし、そもそも論としてこのチームの戦力はJ1クラスで、率いるのはあのチョウキジェ監督だ。この順位は当たり前だし、なんならもっと独走していても不思議ではない。なのでS評価ではなくA評価とした。

とはいえ、21試合で15失点の「高い守備力」、第14節のホーリーホック戦で見せた「チャンスが少なくても、決定機は確実に決めきる勝負強さ」や第15節のアルビレックス戦で見せた「90分間、猛烈なプレッシングをやり続ける体力」には思わず脱帽だ。当然「横綱相撲」で勝つ試合もあり、「やはりこのチームは強い」と思わされる前半戦だった。

今後の展望

チョウキジェ監督のサッカーはここからが勝負だ。前線からプレスをかけ、高い位置でボールを奪って常に試合を支配するサッカーは疲弊度が大きい。37歳のピーター・ウタカ選手の負担を軽減するためにも、センター・サイドを問わず仕事ができる武富孝介選手李忠成選手野田隆之介選手のような「セカンドチョイス」「サードチョイス」の選手たちの果たす役割は大きくなる。

一方、中盤は若手が多く、大きな心配はいらないだろう。福岡慎平選手川崎颯太選手といった能力の高い若手選手たちのさらなる成長がチームを昇格に導く、そんな展開が期待できる。

 

3位  FC琉球 勝ち点42

評価→S

昨シーズン終盤からいいサッカーをしている印象だったし、オフの補強も的確。樋口靖洋監督の手腕も確かなので、ある程度いいところに行くのではないかとは思っていたが、「まさかここまでやるとは...」という印象だ。攻撃面では、阿部拓馬選手キープ力池田廉選手清武功暉選手風間宏矢選手技術力の高さ清水慎太郎選手スーパーサブとして果たす仕事の大きさが光り、上里一将選手展開力風間宏希選手技術力がチームに落ち着きをもたらし、田中恵太選手沼田圭吾選手精度の高いクロスが相手を奈落の底へ突き落す。21試合19失点高い守備力も備えており、接戦も悉くモノにする。本当に強いチームだ。文句なしのS評価だ。

今後の展望

ただし、中盤戦にかけては勝利を掴めない展開が多くなっていた。特に第17節のブラウブリッツ戦では90+2分で先制点を奪いながら、その直後の90+3分で追いつかれるという展開を経験した。得点力もやや下降気味で、研究されつつあるのは明白だ。

しかし、J2全体でも屈指の良質なサッカーをしているのは間違いなく、今後もしっかりと「やり切る力」が今後のカギだ。

また、主力選手の流出は絶対に避けたい。財政的には余裕はないはずだが、ここは頑張って阻止をすること。これが最後まで昇格争いに食らいつくには必須条件だろう。

 

 

1位・ジュビロから3位・琉球まで紹介し、今回はここまで。

次回は4位・アルビレックスから8位・ゼルビアまでを紹介することとする。

 

 

以上

オリックス・バファローズ、この勢いは本物か

日本生命セ・パ交流戦2021が「ほぼ」閉幕。

(広島東洋カープ埼玉西武ライオンズ北海道日本ハムファイターズは残り試合があるため、「ほぼ」としている)

新型ウイルスの関係もあり、2年ぶりの開催となったこの交流戦、制したのはオリックス・バファローズだった。

交流戦前は18勝22敗7分のパ・リーグ5位だったバファローズ

それが、この交流戦期間で12勝5敗1分と言う成績で見事に借金を返済するばかりか、貯金に転じるまでの奮闘ぶりを見せ、パ・リーグ3位に浮上。さらに、4位の千葉ロッテマリーンズに1.5ゲーム差をつけることに成功すると、2位の福岡ソフトバンクホークスと0ゲーム差に、首位の東北楽天ゴールデンイーグルスとも2ゲーム差まで縮めることにも成功。お見事な戦いぶりだった。

 

この交流戦での強さを生み出した理由は多くある。

「強力先発投手陣の存在」

元々評価の高かった先発投手陣だったが、特に6月6日のドラゴンズ戦からの6試合は素晴らしかった。

6月6日 VSドラゴンズ 増井浩俊投手 6回無失点

6月8日 VSジャイアン 山岡泰輔投手 7回2失点

6月9日 VSジャイアン 宮城大弥投手 7回1失点(被安打1)

6月10日 VSジャイアン 山崎福也投手 6回無失点

6月11日 VSカープ 山本由伸投手 8回無失点

6月12日 VSカープ 田嶋大樹投手 5回無失点

 

当然ながら、この間は5勝1分で無敗。先発投手がこれだけしっかり試合を作れば、チームの戦いも安定するのは必然だ。

また、交流戦期間中、山本投手3勝無敗宮城投手2勝1敗山岡投手は1勝1敗ながら、HQS(ハイクオリティースタート、7回以上2自責点以下)を3登板中2回見せた。山崎投手増井投手もゲームを確実に作れば、苦しみ続けた田嶋投手カープ戦で見事な投球を見せ、復活の気配を感じさせた。

 

「若手・中堅・ベテランが融合した救援陣の存在」

シーズン開始から「ウィークポイント」と言われていたのが、救援陣だった。特に守護神を固定することができずに苦しんでいた。ブランドン・ディクソン投手が来日できずに退団したことから始まり、平野佳寿投手がケガ、漆原大晟投手も抑えに定着できずに配置転換、タイラー・ヒギンス投手もまた、ケガで本調子ではなく、2軍降格・再調整を味わった。

しかし、中嶋聡監督はその抑え不在の期間中にK-鈴木投手富山凌雅投手村西良太投手といった若い選手達を起用していった。そしてこの起用によって選手層が一気に増すことになる。

 

交流戦期間中の成績

K-鈴木投手 7試合登板 6イニング4自責点 1セーブ

トピック→

5月30日のスワローズ戦でセーブを挙げる。

 

富山凌雅投手 7試合登板 6・2/3イニング1自責点

トピック→

①5月30日のスワローズ戦で好リリーフを見せ、プロ初勝利

②6月12日のカープ戦で2点リードの6回無死満塁の場面から登板し、併殺打とセカンドゴロで切り抜ける好リリーフ

 

村西良太投手 8試合登板 4・2/3イニング4自責点

トピック→

①6月3日のタイガース戦で同点の7回2アウト1・2塁バッター・マルテ選手という場面で登板し、三振に打ち取る好リリーフ。その直後に勝ち越してプロ初勝利

②6月10日のジャイアン戦で打球を受けた能見篤史投手の代わりに緊急登板するも、1球でリリーフ成功

 

さらに、交流戦期間中にヒギンス投手野投手・澤田圭佑投手が復帰すると、

「8回・ヒギンス投手、9回・平野投手」という強固な勝ちパターンを形成

澤田投手K-鈴木投手富山投手村西投手山田修義投手あたりの若手・中堅勢が6回・7回を担当し、ベテランの能見投手比嘉幹貴投手の負担を軽減する。

といった形で、非常にバランス良く回るようになった。

 

穴の無い打線の構築

奮闘していたのは投手陣だけではない。野手陣の奮闘もまた素晴らしかった。

元々、今シーズンは「ホームランが出る打線」として知られるくらいには長打力に定評はあり、吉田正尚選手のさらなる進化、杉本裕太郎選手宗佑磨選手紅林弘太郎選手の台頭でチーム全体の長打力は明らかに増していた。しかし、

・チーム出塁率がそれほど高くなかったこと

・1、2番を固定できなかったこと

などもあり、それに得点力が比例しているという感じではなかった。

しかし、その問題を解決させたのは福田周平選手の復帰、それに伴う宗選手の2番起用だった。

出塁率を誇り、優れた選球眼と高いミート力・カット力で相手投手に多くの球数を投じさせる1番・福田選手選球眼の良さに加えて、長打力もある2番・宗選手の存在は相当大きかった。

この2人のどちらかは高確率で出塁し、吉田正尚選手杉本選手を中心とした「長打力自慢の中軸にランナーがいる状態で回す展開」が増えることになった。

さらに相手投手陣にとって厄介だったのは、Tー岡田選手復調安達了一選手仕事人ぶり伏見寅威選手勝負強さ紅林選手長打力が一気に嚙み合ってきたことだろう。こうなると上位から下位まで全く油断のできない、穴の無い打線となってくる。

さらにベンチに控えるアダム・ジョーンズ選手代打適性は素晴らしく、ここまでの代打成績は17打席で11打数7安打6四球。ちょっと異常なレベルである。交流戦期間中も4打席で2打数2安打2四球と結果を残した。2安打は6月8日、9日のジャイアン戦で見せたもので、いずれも貴重なタイムリ。2四球は6月11日のカープ戦で見せた、杉本選手へ繋いだものと、6月13日のカープ戦で見せた、T-岡田選手へ繋いだものというもの。その代打適性でチームを救ってきた。

結果として、交流戦期間中のチーム打率は.28712球団中2位96得点を記録した得点力は12球団中1位と素晴らしい成績を挙げてみせた。

 

私が考える交流戦制覇の主要因はこの3つだ。

 

問題はリーグ戦でこの好調が維持できるかというところだが、ポジティブな要素は多くあると思っている。

西野真弘選手の一軍復帰によって増した二遊間の層

6月11日のカープ戦から一軍に合流した西野真弘選手。この選手の存在は大きいとみている。ボールを選べて小技が利き、巧打を誇る左打者は、チームにとってはかなり貴重。今後必ず起こるであろう、「打線の組み替え」の際、2番に置いてつなぎ役を任せることも、7番や8番に置いて、中軸が還し切れなかったランナーを還す役割を任せることもできる。万能な西野選手が居てくれるのは本当に大きい。

ただでさえ安達選手を定期的に休養させること、紅林選手が今後バテてくることが想定されるという面を踏まえても、この西野選手の役割は大きくなるはずだ。

 

頓宮裕真選手、太田椋選手という長打力のある若手選手が控える

現在二軍調整中の頓宮裕真選手太田椋選手という長打力に定評のある若手2人。この2人が復調し、一軍に戻ってくる時が必ず来る。1年間フルで一軍に帯同した経験のない杉本選手紅林選手疲労による不調で長打を打てなくなった時にこの2人が復帰し、チームを救うことが期待される。

 

助っ人3選手の復調

ティーブン・モヤ選手ジョーンズ選手ステフェン・ロメロ選手の助っ人3選手。まだまだ本来の出来ではない。少なくとも、今より悪くなることは考えにくい

この3選手が本来の調子を取り戻すことができれば、スタメンの組み方や代打の起用法にもバリエーションが生まれるし、長打力の増大も期待できる。強力打線の形成のためにはこの3人の復調は必要不可欠だ。

 

まだまだいる、実力派リリーバーたち

若手投手陣の台頭で層が増した救援陣だが、まだまだ実力派は控えている。吉田一将投手吉田凌投手海田智行投手黒木優太投手はまだ一軍に呼ばれていない。アンダーハンドの中川颯投手が二軍で好投を続けている。この5人はどこがで一軍を助ける役割を任せられるはずだ。

今後、疲労などで調子を落とすリリーバーも間違いなく出てくる。そういった時にも、こういった実力派が控えているのは、大きな支えになるはずだ。

 

こうして書いていっても、「好材料が多いな」と感じた。

もちろん、現時点の戦力だけ見れば、イーグルスホークスに比べてやや見劣りしているし、ライオンズマリーンズファイターズと比べて勝負どころの経験が少ないのは否定できない。

それでも、その不安を払拭できるだけのポテンシャルとパワーを持っているのが、今年のバファローズだ。

 

叶うべき夢の先へ、バファローズの躍進に期待したい。

 

 

以上