ここ最近、アルビレックスの攻撃力が凄まじいです。
リーグ戦の得点数を数字として出すと
シーズン通算 26試合 44得点。
吉永監督就任後 17試合 32得点。
さらに後半戦5試合で見ると、
5試合 13得点
昨年、1年間通して42試合48得点の攻撃力が嘘のようです。
もちろん、対戦相手との巡り合わせもあります。第24節 琉球戦、第25節 町田戦なんかは相手の調子がかなり悪い時に当たったということもあります。
だが、それだけで1試合3得点、4得点と取れるわけがないです。ではここ最近の大量得点は実力なのか、それとも偶然の副産物なのか?という疑念が浮かびました。
そんな心配を払拭したシーンが第26節 徳島戦の3点目。タイトルに記載したシーンでした。
このシーン、右サイドのフランシス選手がドリブルで突破しようとしたところで徳島のDF ヨルディバイス選手に当たり、ボールがゴール中央、ペナルティエリアのわずか外側のところにこぼれます。そこに走りこんだ渡邉新太選手がこのボールをダイレクトで右足一閃。ポストの内側を叩き、ゴールに突き刺さるスーパーゴールとなりました。
さてこのシーン、新太選手のスーパーゴールとなったわけですが、シュートの瞬間を見ると、右サイドにいたフランシス選手がちゃんとゴール前に走りこんでいます。(しかもフリーの状況になっている)
さらに左にはこの日、チームの2点目を決め、絶好調のレオナルド選手もフリーになっていました。
新太選手がシュートを狙おうとしていることで徳島DFがコースを消しに行った結果ではありますが、フリーの選手が2人いる形を作ることに成功しています。
この形、ここ数年の新潟にはあまり見られなかった形のように感じています。流れの中で、ゴールの近くにしっかりとポジションを取る選手が3人以上居るという状態。しかも、それぞれが虎視眈々とゴールを狙う姿勢を取ることで相手DFがつられてフリーの選手が複数出るというこの形。攻撃の形とかではかなり理想的なのではないかと思います。
さらに凄いのは、フリーの助っ人外国人が複数いるこの状態で間髪入れずに、ダイレクトでシュートを選んだ新太選手の決断力です。じつは、筆者としてはこの決断力に感動を覚えています。
正直「トラップするのかな」とおもっていたのですが、ボールが来た瞬間にシュートすることを決めていたのでしょう。しかし、ここまで1得点とゴールに飢えている状況だったとはいえもっとシュートを打ちやすい体勢、よりゴールの近い場所に持っていくことも選択肢としてあったはずですが、お構い無しに打ちに行ったあの決断力。ここ数年のチームには見られなかったものと感じています。
おそらく「コースが見えたら打て」というのが、吉永監督の基本方針なのでしょう。この日の1点目の戸嶋選手のスーパーボレーにしても、この3点目の新太選手にしても、「コースが見えたら打て」という姿勢が見えたものでした。戸嶋選手の場合はセットプレーのこぼれ球で、かつパスコースもなかったので、ある意味シュートしか選択肢がなかったとも言えますが、それでも少しもためらわなかったのは素晴らしいです。
そしてそれ以上に新太選手の得点は、「フリーの助っ人外国人が複数いる」という、選択肢が豊富にある中で、「俺が決める!」という強い気持ちと決断力を見せてくれたので、個人的には今シーズンの新潟のベストゴールではないかと思ってます。
こうした、「選択肢が他にあっても、コースが見えたら打ちに行くと姿勢」が強く現れている今の新潟。こうした姿勢をチーム全体として見せているからこそ、現在の攻撃力の覚醒に繋がっているのでしょう。
以上