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J1昇格を目指す新潟の『裏キーマン』 早川史哉選手

ここまで17試合を消化し、6勝8分3敗の勝ち点26、6位に位置するアルビレックス新潟。2位までに与えられる「J1昇格」を目指すという面ではまだ物足りなさも感じるところもあるが、アルベルト監督の目指すサッカーは着実にチームに浸透しつつある。

これからやってくる後半戦には、結果はもちろん、内容面でもかなりの期待をしていい、それくらい「魅せるサッカー」はできている。たった1試合の結果で一喜一憂するのではなく、もっと長い目で見るべきだし、それだけの価値はあると感じさせてくれている。

 

さて、そんな新潟について。

ここまでの17試合、スタメン・ベンチ入りメンバーの計18人のメンツを見ていくと、なんと1試合も同じものが無いことが分かる

(1試合ごとに書いていくと大変な文量になってしまうので、ここでは省略。)

新型ウイルスによる3か月半にわたるリーグ戦の中断、それに伴う超過密日程、さらにシーズン途中に加入した選手たちの影響もあるだろうが、これはなかなか見られない光景だ。

そんな「18人」のメンツが毎回変わっていくという状況の中で、1試合たりとも18人の枠から漏れていない選手が3人いる。

・背番号3 マウロ選手

・背番号11 渡邉新太選手

 

そして

・背番号28 早川史哉選手

 

この3人だ。

 

マウロ選手、渡邉新太選手については想像に難くなかった。実際、マウロ選手は第6節・山形戦以外は全試合出場だし、渡邉新太選手に至っては全試合出場中。

疲労が心配されるので、どこかで休めるといいのだが・・・。)

2人とも先発出場がほぼ当たり前の選手だし、

・対人の守備で抜群の強さを誇り、「闘将」と呼んで差し支えないほどの熱いプレーを見せてくれているマウロ選手

・「走力、攻撃センス、決定力も含めてすべてがハイレベル」で、昨年37試合で5得点9アシストと、決して本来の能力を発揮できたとは言えなかったにもかかわらず、オフにはJ1クラブからもオファーがあったくらい、誰もが認めるポテンシャルを持つ渡邉新太選手

この2人については、戦術面でも替えが利かないので、なんとなくわかっていた。

(私は、このチームの守備のキーマンをマウロ選手攻撃のキーマンを渡邉新太選手とみている)

 

しかし、早川選手に関しては「少し意外だった」というのが正直なところ。今回調べるまでは気づかなかったくらいだ。(私が無知なだけなのだが。)

 

 

1試合欠けることなく18人の枠に入ることができるというのは、それだけでかなり貴重だし、本当にありがたいことだ。(特に今シーズンのような特殊なシーズンの場合は)

要は、

・基礎能力があること

・ケガをしない

・戦術面での理解がしっかりできている

・プレーにムラが少なく、安定感がある

・不用意なカードをもらわない

 

この5つが揃っていないとできないことだ。

ここに書いていくと簡単なように見えるが、これが恐ろしく難しい。

①基礎能力が無いと試合には出れない。

②ケガをしても同じく試合に出れない。

③戦術面での理解ができていない選手は多少は出られても安定して試合に出せない

④調子にムラがある選手はやはり毎試合に出すのは怖いので、出場機会を与えるのにためらいが生じる

⑤不用意なカードは、出場停止につながるので、積み重なると累積警告や退場によって次の試合に出れなくなる(例:第11節のレノファ山口での本間至恩選手)

 

これだけの要素が揃っていないといけないわけだから、非常に大変である。

そういう意味では早川選手は「この5つをしっかり満たしている選手」ということになる。やはり凄い選手だと感じる。

 

さらにもっと凄いのは、『マウロ選手や渡邉新太選手のように「アルベルトサッカーの要」という特別な位置ではないにもかかわらず、全試合「18人枠」にいる』というところにある。

これだけだと見た感じが良くないが、言い換えると『「守備のマルチロール」として抜群の信頼を掴んでいる』という言い方になるだろうか。

早川選手は、本職であるサイドバックはもちろん、サイドバックもこなし、3バック時のセンターバックも任される。さらに第7節・水戸ホーリーホックでは途中出場でボランチに配置されたこともある。(しかも、ボランチとしても素晴らしい働きを見せてくれた。)

アルベルト監督早川選手にはかなりの信頼を置いているのがよくわかる。それを象徴していたのが第15節・アビスパ福岡。この試合では1点リードの後半17分に、左サイドバックで先発出場した原拓也選手に替わって途中投入した。

しかし、この試合のベンチ入りメンバーを見ると、左サイドバックを本職にしている堀米悠斗選手もベンチにいた。

にもかかわらず、サイドバックの新井直人選手を左サイドバックに配置転換させてまでも早川選手を投入したのである。

 

すでに周知の事実ではあるが、早川選手は元々クレバーな選手でもある。170センチと体格に恵まれているとは言えないし、圧倒的にスペシャリストな能力があるとも言えない。しかし、毎試合安定した働きが期待でき、複数ポジションをムラなくこなせる万能性とクレバーさをアルベルト監督は高く評価しているのだろう。こういう選手が1人いてくれると監督としてはかなりありがたいところだ。

 

 

2016年、プロ1シーズン目に急性白血病を発症し、プロサッカー選手どころか1人の人間としての生命の危機に立たされた経験もある早川選手。そこからの復活劇は有名な話だが、そこに至るまでの想像を絶する生命を賭けた苦闘、さらにプロサッカー選手としてのブランク、それを埋めるための闘いはとてつもない精神力が必要だったはず。

(詳しくは、早川選手の著書『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』をご覧いただきたい。

 

そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常

そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常

  • 作者:早川史哉
  • 発売日: 2019/10/26
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

クレバーで守備的なポジションであれば全てのポジションをこなせる万能性、プレーにムラが無い安定性、そして並の選手ではまず味わったことの無い日々を過ごし、そこで証明して見せた強靭な精神力も持ち併せた早川選手を「新潟、J1昇格」への『裏キーマン』として推していきたい。

 

 

以上