「2021シーズンJリーグ」の開幕まで1か月を切った。アルビレックス新潟は5年ぶりのJ1復帰を目指してのシーズンとなる。
ここからは前回の記事の続きである。
(以前の記事は以下のとおり。よかったらご覧ください。)
kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com
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さて、ここからは各ポジションごとに展望していくことにする。
起用が予想される選手
No.19 星雄次選手
No.25 藤原奏哉選手
No.27 大本祐槻選手
No.28 早川史哉選手
No.31 堀米悠斗選手
N0.32 長谷川巧選手
N0.50 田上大地選手
①4バックの場合
4バックの場合はシンプルに「サイドバック」としての起用となる。その場合は上記した7人全員が競争の対象となる。
左サイドバックの最有力は「キャプテン」・堀米悠斗選手だ。効果的かつ、内からでも外からでも迫力ある仕掛けで攻め上がり、体の強さと運動量で守備でも躍動するチームの精神的支柱は今年も健在だ。戦術理解度も高いので、今のままでいけばファーストチョイスであることは間違いない。
対抗1番手はトリニータからやってきた星雄次選手だ。この星選手も豊富な運動量を誇り、攻撃性能に長けた選手だ。クロス精度の高さもしっかり保証出来る、いわゆる「計算が立つ選手」だ。
早川史哉選手や長谷川巧選手、田上大地選手も選択肢には入ってくるだろう。ただし、早川選手と田上選手は右サイドバックとセンターバック、長谷川選手は右サイドバックとの兼任でもあるので、優先度は高くないだろう。
右サイドバックは、大混戦だ。田上選手は元FWらしいシュートの上手さを中心とした攻撃力と本職であるDFとしてのフィジカルの強さと体を張った守備力がある。さらに、2020シーズンは右サイドバックとして18試合先発出場した経験も持つ。サイドからも中に侵入してシュートできるという長所はアルベルト監督好みなはずだ。
ギラヴァンツから加入した藤原奏哉選手もまた、シュートの上手さが光る選手だ。また、本職がボランチであるためか、足下の上手さやスタミナ面でも大きな貢献が期待できる。また、過去の記事では「自分が目立ちたいとは思わない」と言うセリフがあり、「黒子役」「縁の下の力持ち」にピッタリの選手だ。
早川選手は「ピッチの指揮官」として全体を俯瞰して見渡せるクレバーさに、足下の上手さや高い守備力を持った万能性溢れるプレーが武器。相手の左サイドが強力な攻撃陣を持っている場合など、「守備重視で行きたい時」は早川選手がファーストチョイスとなるかもしれない。
長谷川選手はツエーゲンで、元アルビレックス指揮官でもある柳下正明監督の下、通算58試合出場した。シュートは少なく、基本的にはクロスを選択するタイプの選手。ただ、まだ22歳という若さでノビしろも大きい。育成に定評のあるアルベルト監督の下で大化けする可能性がある。179センチの高さも持っており、空中戦でも簡単に負けないという武器もある。
大本祐槻選手は強力な突破力と精度の高いクロスを持った攻撃性能の高い選手。ただ、あそこまでの突破力はさらに前目のポジション(サイドハーフやウイングフォワード等)で見たい選手だ。
②3バック(「3-6-1」「3-5-2」など)の場合
3バックの場合は「ウイングバック」としての起用となる。
左サイドは堀米選手と星選手の一騎打ちか。堀米選手、星選手ともにスピード・攻撃力・守備力・スタミナは申し分ない。左利きの堀米選手、右利きの星選手という形なので、スムーズに「外からクロス」・「中に入ってシュート」ができる堀米選手と「カットインすればクロス、シュートともに選択肢に入る」星選手。どう使い分けていくのかが注目される。
右サイドは田上選手、藤原選手、大本選手あたりの競争か。シュートの上手い田上選手と藤原選手、スピードを活かした突破力とクロスの上手さが武器の大本選手、攻撃スタイルによって起用法を変えていく形が予想される。長谷川選手もここに絡んでいってくれると、チームとしてはかなり助かる。
懸念材料
左サイドは堀米選手と星選手という「2人の本職」がいるため、まだ問題ない。あるとすれば怪我による離脱くらいか。
ただし右サイドは「本職」が長谷川選手しかいない。
(田上選手や早川選手の本職はセンターバック、大本選手はどちらかと言うとサイドハーフやウイングが本職、藤原選手の本職はボランチ)
アルベルト監督の中にはバリエーション豊かな発想があるので、そこの辺りはなんとかなりそうだが...。
DF(センターバック)
起用が予想される選手
No.4 岡本將成選手
No.5 舞行龍ジェームズ選手
No.16 ゴンサロゴンザレス選手
No.26 遠藤凌選手
No.28 早川史哉選手
No.35 千葉和彦選手
No.50 田上大地選手
①4バックの場合
4バックの場合は「2センターバック」の形。ゴンサロ選手はボランチ、田上選手、早川選手が右サイドバックとして起用される可能性を考えると、基本的には、上記7人からこの3人を除いた4人で争うことになりそう。
このうち、舞行龍ジェームズ選手と千葉和彦選手はタイプとしては似ているという印象。足元の技術の高さでビルドアップに大きな力をもたらし、豊富な経験を活かした総合的な守備力の高さを持つ。
ただし、舞行龍選手は元々ケガがちで、「超過酷なスケジュール」だった2020シーズンの終盤はパフォーマンスが落ちていた印象。千葉選手は直近3年で公式戦出場が20試合、1年間フル稼働してパフォーマンスを落とさずに入れるかは微妙なところか。併用がベストか。
そうなるともう1枠を岡本將成選手と遠藤凌選手とで争う形か。184センチの岡本選手、183センチの遠藤選手、ともに高さは問題ない。
岡本選手はスピードに定評があり、2020シーズンは育成型期限付き移籍で入った鹿児島で24試合に出場するなど実戦経験を積んだ。1月30日の高知ユナイテッドSC戦では千葉選手とコンビを組み、非常に安心してみていられた。
遠藤選手はフィード力の高さとクレバーなディフェンスを武器としている。高知戦では2本目の途中から入り、1年目とは思えない落ち着きを見せた。将来的には舞行龍選手や千葉選手の後継者をなれる素材。コンビを組んで学ぶも良し、コンビを組まずとも練習から学ぶも良し。育成に定評のあるアルベルト監督の下で、さらなる成長を期待したいところ
②3バックの場合
これだけ上質なセンターバックが多い2021シーズン。昨シーズン終盤に採用した3バックの採用頻度はさらに高くなるかもしれない。
中央部は千葉選手が有力か。サンフレッチェで3バックを経験していることも大きく、まさに適任中の適任。3バックはオプションの1つで、毎試合採用するわけではないことから、併用ということもあまり考えずにいっていい。3バックの場合は千葉選手を中心に組み立てる可能性が高そうだ。
そうなると残り2枠が問題だ。
カバーリング・フィード力に定評のあるタイプの舞行龍選手と遠藤選手はうち1枠を巡って対峙する形か。経験と信頼の舞行龍選手か、若さと可能性の遠藤選手か、どちらになってもおかしくない。
スピードと対人の強さに定評のある岡本選手は3バックだとかなり定位置争いに有利となるか。貴重なスピードタイプで、3バックの構成バランスを考えると、絶対的に必要な存在だ。「アルビレックスユース出身の選手がトップチームの守備の要になる」という夢のような話が現実味を帯びてくる。(湘南にいるあの人?知らん(笑))
早川選手や田上選手、ゴンサロ選手も絡んでくるだろう。クレバーなディフェンスの早川選手、対人の強さの田上選手とゴンサロ選手、それぞれに武器があり、3バックでも対応できるインテリジェンスも持っている。特にゴンサロ選手は、ボランチがあれだけの混戦(詳しくはPart2にて)なので、センターバックを主戦場にしてもいいのではないかと思っている。
懸念材料
まず怪我をしないことだろう。舞行龍選手や千葉選手といったベテラン勢はもちろんのこと、今年一気に開花しそうな雰囲気のある岡本選手や遠藤選手もとにかく怪我だけは気をつけてもらわないといけない。
あとは最長身が舞行龍選手の185センチなので、空中戦にやや不安は残るか。
GK
起用される選手
No.1 小島亨介選手
No.21 阿部航斗選手
No.41 藤田和輝選手
ここもまた大混戦だ。
フィード力もあり、安定したセービングを見せる小島亨介選手がファーストチョイス。同じく鋭いフィード力を持ち、ハマった時(2020シーズン第9節栃木戦が代表例)は日本代表級のプレーを見せる藤田和輝選手がセカンドチョイスで進んでいくと思われていた。
ところが、1月30日の高知戦では阿部航斗選手が1本目~2本目途中で出場(要は主力組)。1本目は後方からの組み立てでしっかりと貢献すると、2本目は開始早々から立て続けにピンチを迎えたが、連続の好セーブを見せて、アピールを見せた。
2020シーズンは、「第4キーパー」と(個人的に)思っていた藤田選手の大躍進があった。この2021シーズンもまた、下克上が起こるかもしれない。
懸念材料
小島選手がやや怪我が多いということくらいか。
とはいえ、控えも層が厚いので、小さい怪我や1試合程度の出場停止くらいならまだ何とかなりそう。ただ、3人体制はやはり怖いので、怪我が無いことが一番ではある。
各ポジションの大まかな展望をしていった。
細かい点、特に戦術面に明るくないので、大した話はできなかったが、少しでも2021シーズンのアルビレックスに興味を持ってもらえると嬉しく思っている。
以上