前回書いた記事の続きです。前回の記事は以下のリンクのとおりです。
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野手陣
捕手は清水選手が軸となる形だろう。昨シーズンの盗塁阻止率は.345と悪くなく、課題とされていた打撃面でも.259 5本塁打と成長の跡を見せつけた。また、直球系に強いのは力勝負を好むパ・リーグという環境ではかなりのプラス要素で、今シーズンはさらに力強い打撃を見せてくれるのではという期待がある。控えには宇佐美選手や石川選手、郡選手、ベテランの鶴岡選手といったメンツがいて、選手層はそこそこ厚い。
一塁手は、中田選手で確定だろう。今シーズンは、オープン戦から持ち前の長打力はもちろん、難易度の高いボールに対しては無理に振り回さず、ヒットを狙い打てているなど、状態の良さを見せつけており、例年よりもかなり期待できる。3割30本100打点を期待したいところだ。この中田選手がいる以上、清宮選手がレギュラーを取ることは難しいだろう。
二塁手は、渡邉選手が本命。2013年ドラフト1位の大器がついに本格覚醒するかもしれない。今シーズンは「2番・二塁」としての構想の下、オープン戦からしっかりと結果を残している。昨シーズンは.262 11本塁打だった打撃面は.280~.300 15本塁打を期待したい。控えには杉谷選手や石井選手がいるが、渡邉選手が1年間レギュラーとして戦うことがチームの上位進出のためには必要だ。
三塁手は、現時点ではビヤヌエバ選手が本命だろう。だが、ジャイアンツにいた昨シーズン・今シーズンのオープン戦を見る限り、落ちるボールが多い日本野球に対応するのは難しいかもしれない。そしてその裏で横尾選手が自慢の長打力をアピールして、一気にレギュラーを奪おうとしている。
遊撃手は、石井選手が本命になりそうだ。もともと182センチということでサイズ的には「大型内野手」だったわけだが、昨シーズンから長打が増えてきており、文字通りの「大型ショート」として主力を張る可能性が高い。だが、若手では平沼選手、中堅には実績十分の中島選手、ベテランには谷内選手がおり、誰がレギュラーを奪ってもおかしくない。遊撃手の選手層は厚いといっていいだろう。
外野陣のレギュラーは左翼手・近藤選手、中堅手・西川選手、右翼手・大田選手でほぼ確定的だろう。
・近藤選手 打率.330 10本塁打(昨シーズンは.302 2本塁打)
・西川選手 打率.300 出塁率.410 100得点(昨シーズンは打率.288 出塁率.393 88得点)
・大田選手 打率.300 25本塁打(昨シーズンは.289 20本塁打)
これくらいの数字は残してほしい。
さらに控えには、松本選手、谷口選手、淺間選手と素材は確かな選手がそろっている。この6人がいれば、1年間通しての戦いでも困ることは無いだろう。
DHは王選手が本命だろう。昨シーズンはかなり苦労したが(打率.255)、本来は.300は打てるはずだ。今シーズンは、苦手だった落ちる系のボール(昨シーズンの打率.164)の見極めを良くし、一段高いレベルで日本野球に対応していきたいところだ。対抗は清宮選手だろう。高卒3年目を迎えたが、なにかつかみ切れていない印象。素材を考えれば、そろそろレギュラーを取っていかないといけない時期に来ているはずだ。
投手陣
先発陣は絶対的エース・有原投手を軸に、ベテランの金子投手、ドラ1の河野投手、ドラ2の立野投手、ケガから復帰したマルティネス投手、新加入のバーヘイゲン投手、昨シーズン6勝のロドリゲス投手、杉浦投手、村田投手がいる。中盤戦以降には、上沢投手も戻ってくる予定。さらに、甲子園を沸かせた吉田輝星投手もいる。先発投手陣にケガ人が多くやりくりに苦労した昨シーズンのようにオープナーを採用することはかなり減るのではないか。やはり本来なら、「しっかりとした6人の先発投手」がローテーションを組み、回すことが理想のはず。
救援陣は、ロングリリーフをこなせる加藤投手や吉川投手、ショートリリーフ枠には井口投手、西村投手、公文投手、玉井投手にドラ4の鈴木投手もいて、先発・リリーフともにこなせる便利屋枠では堀投手、上原投手がいる。勝利の方程式では、石川投手、宮西投手がいて、守護神には秋吉投手がいる。
不振だった上、怪我人が多かった昨シーズンですらリーグ3位の防御率だった投手陣。今シーズンはさらに数字を良くし、リーグ屈指の投手陣を形成したい。
注目選手→西川 遥輝選手
将来的なメジャー移籍志望を表明した「チームの顔」。持ち前の出塁能力で今シーズンは出塁率.410 100得点を目指し、チームの得点力増に貢献したい。
5位 千葉ロッテマリーンズ
野手陣
捕手は田村選手が本命だろう。しかし、強肩を武器にしている柿沼選手(昨シーズンの盗塁阻止率.522)や、ドラ2で即戦力として期待のかかる佐藤選手といった選手たちがその座を狙い、虎視眈々とチャンスを伺っている。3選手とも20代前半~中盤なので、高いレベルの争いを経て、成長していってほしい。
内野陣を見ると、一塁手は井上選手が本命だ。2年連続で24本塁打を放った長打力はもちろんのこと、2年連続で60個以上の四球を選んでいる(2018年→63個 2019年→67個)選球眼は好打者の証。昨シーズンは序盤に大不振が響いたために打率がかなり低迷していた(昨シーズン打率.252)が、今シーズンは打率.280 30本塁打 75四球を目標に戦ってもらいたい。対抗候補も安田選手くらいしかおらず、その安田選手もなかなか一軍定着できていない状態。普通にやれば、不動の「4番・一塁」で井上選手が固定されるだろう。
二塁手は、中村選手が本命だ。守備力・走塁力はチームトップクラスで、「長打も打てる二塁手」としても貴重な存在。ただ、昨シーズンは低打率(.232)で苦しんでしまったので、今シーズンは最低でも.250 20本塁打 20盗塁を期待したい。対抗は三木選手だろうが、さすがにレギュラーとして起用するには打撃が弱いだろうか。
三塁手は、レアード選手が本命だ。昨シーズンはチームトップの32本塁打を放ち、長打力不足というチームが長年抱えていた課題の解決に貢献した。打率の低さについては、そこに目をつむってでも長打力に期待したい選手なので、気にしないでいいだろう。(1割台とかになってしまったら別だが)
対抗には香月選手や松田選手、そして安田選手ということになるだろうが、今年中にレアード選手の牙城を崩すにはまだ力不足感は否めないか。
遊撃手は、藤岡選手が本命になるかと思われた。ところが、ドラ5の福田選手が想定以上の長打力を見せており、オープン戦では3本塁打を放つなどでアピールに成功。定位置争いは一気にわからなくなってきた。そうなると、平沢選手の立場は一気に厳しくなってくる。今シーズンで高卒5年目だが、今年も結果が残せないようだと、トレードの話が出てきてもおかしくない立場に来てしまっている。形勢逆転できるだろうか。
そして、内野陣の争いという面では大きなニュースがあった。鳥谷選手の加入だ。三塁手・遊撃手としての起用がメインになるだろうが、未だに高い出塁能力は健在。
昨年のチーム打率はリーグ5位の.249だったがチーム出塁率はリーグ3位の.330だったことからもわかるように、「ボールをよく見れる選手」が起用される傾向のあるマリーンズではかなりの起用が見込まれる。
外野陣は、左翼手 荻野貴司選手、中堅手 福田選手、右翼手 マーティン選手が有力だろう。ただし、荻野選手が開幕に間に合うかは微妙なところで、間に合わなかった場合は、角中選手や清田選手あたりが開幕スタメンに入ってくるのだろう。また、福田選手は1年間レギュラーとして出場したことが無いので、やはり体力面には不安が残る。マーティン選手にしても、昨シーズン加入直後はかなり打てていたが、終盤はかなり攻略されている印象もあった。今シーズンは日本の投手に一段高いレベルで対応してほしいところだ。
控えには角中選手や清田選手、岡選手、加藤選手、菅野選手あたりになるだろう。藤原選手や育成の和田選手は二軍で実践を積むことが優先されるだろう。
DHは、角中選手が最有力だろう。体調や起用する選手次第では、レアード選手やマーティン選手、井上選手あたりがDHになることもあるだろうが、基本的には角中選手がDH起用だろう。
レギュラー陣はなかなかの実力者揃い。ただ、内野手を見ると、遊撃手以外はレギュラーと控えの差が大きい印象で、怪我人が出てしまったときはかなりの戦力ダウンになりかねないと考える。
投手陣
先発陣には、イーグルスからFA移籍でやってきた美馬投手が軸になりそう。すでに開幕投手に指名されていることからも、相当な期待がかかっていると思われる。石川投手もいるので、美馬投手と2枚で最低でも22勝以上は期待したい。
若手陣では昨シーズン中盤から本格覚醒しつつある種市投手、二木投手がいて、岩下投手、小島投手も入ってくるだろう。西野投手や土肥投手も佐々木千隼投手もローテーション候補に入ってくると予想され、争いは混沌としている。
救援陣は守護神の益田投手を中心に、左キラーの松永投手、右キラーの東條投手と田中投手と個性派揃いだったが、イーグルスからハーマン投手を獲得し、MLB・ブルワーズから元カープのジャクソン投手を獲得した。酒居投手が抜けたのは痛手だったが、1イニングを任せられる投手が2人も増えたのは大きいだろう。
1イニングで見せる爆発的な直球が魅力の東妻投手や石崎投手、ロングリリーフを任せることができる中村投手とチェン・グァンユウ投手もいて、救援陣は質量ともにかなり上がってきている印象。大谷投手や内投手も復活できれば、リーグ屈指のブルペン陣が完成する。
注目選手→種市 篤暉投手
圧倒的な直球とスピード・変化量ともに高次元のフォークとスライダーで三振の山を築き上げる本格派にして、若きエース候補。
昨シーズンは116と2/3イニングで135個の奪三振で、奪三振率は驚異の10.41(100イニング以上投げた先発投手で奪三振率10.00超えはホークス千賀投手、タイガースの髙橋遥人投手とこの種市投手の3人のみ)。この投手から目が離せない。
6位 オリックス・バファローズ
野手陣
捕手は若月選手が正捕手本命だろう。打撃は課題だらけだが、守備に関しては一流といっていい。実際、後逸数の少なさや盗塁阻止率ではリーグでも上の数値を出している。ファンからは批判が集まることも多いが(中には理不尽すぎるくらいのものも)、チームの守備面を考えれば、この選手に離脱されることが一番困ると思う。まあ、せめて.230は打てるとありがたいが。対抗は頓宮選手、伏見選手あたりになるだろう。ただ、頓宮選手は打撃はいいが、守備面ではやはり不安が残る(特にランナーを出してからの守備力)。伏見選手は打撃なら頓宮選手、守備なら若月選手を上回ることが条件だが、年齢を考えると成長は難しいか。
一塁手は、モヤ選手、T-岡田選手、ロドリゲス選手で争う形か。ただ、今のところはT-岡田選手が本命だろう。オープン戦では、ライトへの豪快な本塁打もあったが、一番良かったと思うのは、3月15日のタイガース戦で見せたセンターへの本塁打だ。外角低めのボールに対してセンターへはじき返してスタンドへ放り込む姿は、本塁打王に輝いた2010年や31本塁打を放った2017年でよく見た姿だった。今シーズンは活躍してくれると思いたい。ロドリゲス選手は守備面が不安か。ただし打撃はかなりよさそう。モヤ選手は攻守ともに粗すぎて厳しいか。キャンプまではかなり良かったのだが・・・。
二塁手は、福田選手が本命だろう。選球眼の高さ・走塁面では他の追随を許さない。問題は失策の多い守備面と長打力の無さだ。失策は10個以下、5本塁打を目標に頑張ってもらいたい。対抗は西野選手と宜保選手、大城選手だろう。 ただ、福田選手とタイプの似ている選手たちということに加え、西野選手や大城選手はケガが多く、宜保選手は遊撃手として見てみた肩の強さと守備範囲があるので、二塁手というところでは福田選手が基本的にはレギュラーとみていいだろう。
三塁手は、中川選手が本命だろう。打撃面ではもう心配していない。今年は.300 10本塁打を目標にして頑張ってもらいたい。問題は守備面で、オープン戦では後逸あり、送球難で併殺を取れないシーンもあった。守備からリズムが崩れ、打撃にまで影響されるとかなり困る。対抗は勝俣選手だ。ルーキー離れした長打力は見ていてかなり気持ちいい。ただ、ルーキーなのでできれば2軍で実践経験を積むことが望ましいのだが・・・。
遊撃手は、安達選手が本命だったはずだが、オープン戦ではかなり不安の残る状態。実績のある選手なので、合わせてくるとは思うが、体調面も含めて無理させられないのは事実。大城選手や宜保選手、太田選手あたりの一刻も早い活躍・台頭が望まれる。
外野陣は、左翼手・吉田正尚選手、中堅手・宗選手、右翼手・アダム・ジョーンズ選手で確定的だろう。
・吉田選手→.330 30本塁打 110打点
・宗選手→打率.280 出塁率.360 25盗塁
・ジョーンズ選手→打率.260 35本塁打 100打点
この数値は期待したい。というより、これくらいやってもらわない限り、バファローズの上位進出は無理だと言い切っていい。というのも、控えの層の薄さはかなりのもので、外野4番手以降は後藤選手や西浦選手、松井佑介選手、西村選手、杉本選手、小田選手といるが、この選手たちが先発メンバーになった時の期待感はそれほど高くないのが現状。西浦選手はまだ21才、西村選手は24才なので「これからの選手」だが、他は30才前後の選手なので、大幅な成長は見込めない。やはり主力3人の活躍は絶対条件だろう。
DHは、ロドリゲス選手が最有力だ。一塁手のところでも書いたとおり、守備にはかなりの不安があるが、打撃はかなりよさそうだ。この選手が.280 30本塁打はやってほしいところだ。
全体的に選手層は薄く、主力の離脱があると一気に戦力ダウンするという印象。主力がそろえば強いとは思うのだが・・・。
(過去に書いた記事が下リンクのとおり。こっちはキャンプ中に書いたかなりポジティブな目線。)
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投手陣
先発陣は山本投手と山岡投手の2枚看板は確定として、3番手以降が決まらずに首脳陣が頭を悩ませている。
田嶋投手は球威はあれど、制球難による自滅で失点を重ねるケースが多く、荒西投手は2巡目以降に打ち込まるケースが多すぎる。昨シーズン先発ローテに入っていた榊原投手とK-鈴木投手は制球難に加えて、球威も戻ってこないために打ち込まれている。プレミア12の最優秀先発投手に輝いた張奕投手とアルバース投手はケガを発症。ドラ3・村西投手や育成から支配下登録された漆原投手がローテーション入りするかもしれないほどの異常事態だ。「山本由伸2世」と呼ばれる、本田投手や鈴木優投手あたりの2軍からの突き上げが無いと本当に困ることになるかもしれない。
救援陣も深刻な状態だ。守護神のディクソン投手は万全の状態だが、近藤投手はケガ、増井投手は昨シーズンから続く制球難と球威低下が今シーズンも続いているようで、計算が勝ちパターンに入れるのはかなり危険な状態。右では吉田一将投手や澤田投手、比嘉投手や神戸投手、左では海田投手や山田投手あたりが奮闘しないと、崩壊してしまってもおかしくない。新加入のヒギンス投手が「8回の男」になるようだが、ここがしっかりしない限り最下位脱出は厳しいだろう。
(過去に書いた記事が下リンクのとおり。こっちはキャンプ中に書いたかなりポジティブな目線。この時までは先発陣には絶対の自信があったのだが・・・。)
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正直、投手が揃っていない現状のままでは『打線がどれだけ打てるか』に掛かっているバファローズ。ただ、その打線も勝負所で打てる選手が少なく、今年も苦戦必至か。なんとか、この下馬評を覆す躍進を1ファンとして見たいところだ。
注目選手→アダム・ジョーンズ選手
説明不要の大物助っ人。オープン戦では打てていなかったが、実戦でどれだけ打てるか。間違っても「ベタンコート2世」にだけはなってほしくない。
ちなみに応援歌は相変わらずのオリックスクオリティでカッコイイ。
(過去記事のリンク)
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パ・リーグ予想、終了。
下位に行けば行くほど文章が長くなってしまうのは、なぜなのか。
とりあえず、バファローズファンとしては、この予想が大きく外れることを祈りたいところだ。
以上