J1編3回目。本当は13位から18位まで書こうと思いましたが、13位から15位のチームについては色々と書きたいことが多かったので、今回は13位から15位までにとどめておきます。
これまでの記事は以下のリンクのとおりです。
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13位 浦和レッズ(2019年成績 9勝10分15敗 勝点37 14位)
ACLでは準優勝を果たしたものの、Jリーグでは低迷を続け、(数字上ではあるが)最終節まで残留争いに巻き込まれるなど、苦しい2019シーズンを送ったレッズ。そしてこのオフについても苦戦を強いられた。原選手(サガン)、小塚選手(トリニータ)、杉岡選手(ベルマーレ)へオファーを出すと報道されるも結果はご存知の通り。杉岡選手に至っては(レッズファンにとっては)憎きアントラーズに移籍される屈辱。
結局、J2得点王のレオナルド選手を獲得したが、実質的な即戦力はこの人のみ。高校サッカー準優勝を果たした青森山田高校の10番・武田選手やトリニータからレンタルバックした伊藤選手もいるが、さすがに即戦力で使っていくことはないだろうと思われる。
そうなると現有戦力の奮闘が非常に大きなポイントになるわけだが、元が14位のチームだった上、監督も変わらなかったことを考えると、上位進出するイメージがなかなか湧かない。13位予想としたのはこういった点にある。
ただし、2020シーズンは、これまでの「3-6-1」や「3-5-2」などの3バックシステムから「4-4-2」や「4-2-3-1」などの4バックシステムに変更を行う模様。「4バック+2ボランチ」と「前線からのプレッシング」を軸に50失点と崩壊気味の守備陣から改善していくことが狙いか。現状をなんとか変えようとする姿勢が見えているのはポジティブな要素である。
ただ、レオナルド選手の守備での貢献度はお世辞にも高くないので、相棒となる選手は守備面の負担を大きく受けることになりそう。今年で34歳と決して若くない興梠選手が背負うのは酷なような・・・。そういうところを考えると、昨年期待を裏切り続けた杉本選手(今年で28歳)の復活を期待したいところだ。
あと、レオナルド選手の場合は周りに優秀なパサーやブラジル人がいないと苦しいかもしれない。ガイナーレやアルビレックスの時には優秀なブラジル人やパサーが周りにいた。ファブリシオ選手・エヴェルトン選手といったブラジル人や、柏木選手・長澤選手のような巧さのある選手が活躍してくれないと、大変なことになりかねない。
最後に、レッズサポーターとフロントに言いたい。
1.「レオナルド選手にラファエル・シルバ選手と同じことを期待するな」
2.「レオナルド選手がレッズのサッカーに慣れるまではとにかく耐えろ」
3.「マルティノス選手はやればできる。少しくらいはやりやすい環境を作る努力を」
注目選手 柏木陽介選手
詳しくはこのリンク先の記事で
ただ、「4-4-2」だとポジションが・・・。
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14位 名古屋グランパス(2019年成績 9勝10分15敗 勝点37 13位)
レッズ同様、苦しんだ名門クラブ・グランパス。風間監督からフィッカデンティ監督へのシーズン途中での監督交代もあり、混迷を極めた2019シーズンから立ち直り、上位進出を狙いたいところ。
ジョー選手、カブリエル・シャビエル選手、前田直輝選手と「圧倒的な個の力」を持つ選手が揃う前線には多くの新戦力が加入。ベルマーレから山﨑選手を獲得し、ポストプレーヤーを確保すると、シャドー候補にはフロンターレから阿部選手を獲得する。さらに、マリノスからマテウス選手、ジュビロから秋山選手、アントラーズから相馬選手と3選手をレンタルバックさせた。3シーズン前にJ2で11得点を挙げた生え抜きの青木選手もいるので、かなりの激戦区である。前線の質・選手層だけならJ1でもトップクラスと言っていい。
一方、それ以外のポジションを見ると、かなりの不安材料が付きまとう。特にセンターハーフの層はかなり薄く、サンフレッチェから稲垣選手を獲得したものの、エドゥアルド・ネット選手との契約更新がなされておらず、いつ正式退団してもおかしくない状態(公式サイトからはすでに削除済み)。さらに、長谷川アーリアジャスール選手が全治半年の大怪我を負ったことが発覚。復帰は早くてもシーズン後半となるとのことで、かなりの痛手。これ以上中盤の選手たちが離脱がするようであればチーム崩壊も近いという状況になってしまった。(飽和状態のシャドーからコンバートもあるか?)
最終ラインも層自体はかなり薄い。特にセンターバックと右サイドバックは1人でも離脱したらかなり危険。左サイドバックは太田選手と吉田選手と強力な2人が居るので、同時離脱さえしなければまだなんとかなりそうだが、センターと右サイドはそういうわけにもいかず。おまけに金井選手がエスパルス移籍ときたものだから、層の薄さに拍車がかかってしまった。万が一、左右のサイドバックができる吉田選手が離脱でもしようものなら、右サイドも左サイドもやりくりに困窮しそう。さすがに「フロント、ちょっと見通しが甘いのでは?」と言わざるを得ない印象だ。中盤の層の薄さを考えると、今年はシミッチ選手のセンターバック起用もできそうにないので、離脱者が出ないようにフィジカルコーチには最大限の活躍が求められる。
キーパーは守護神ランゲラック選手が居て、武田選手や渋谷選手と控えのレベルも一定以上はあるのでそれなりには安心できる。
しかしながら、中盤・最終ラインの層の薄さを考えるとさすがに上位予想はできず、14位予想とした。
注目選手 ジョー選手
昨シーズンはまさかの6ゴール止まり。ここは大きな誤算だった。今年は最低でも15ゴールを!今年は警告0も目指して欲しい(昨シーズンは1回のみ。意外にも少ない。)
※2/6追記 「膝のケガが長引き、ブラジルに一時帰国した」との報道が出ました。1日でも早い回復を。
15位 清水エスパルス(2019年成績 11勝6分17敗 勝点39 12位)
このチームもまた、2019シーズンは苦しんだ。特に守備陣は壊滅状態がひどく、34試合中20試合で複数失点。2節のガンバ戦の4失点、3節のコンサドーレ戦の5失点から始まり、23節のコンサドーレ戦ではなんと8失点(しかもホームで)。それだけ崩壊していてよく残留できたと思うほどである。
さらに、このオフにはエースストライカーであるドウグラス選手がヴィッセルへ移籍。ただでさえ、2019シーズン中に北川選手がオーストリア移籍をしていて層の薄い攻撃陣に大きな穴が開いてしまうことになった。加えて左サイドバックの松原選手がベルギー移籍となり、脆弱な守備陣にさらなる追い打ちを受けた。
しかし、「オリジナル10」・「サッカー王国・静岡」の意地にも賭けて、ここから怒涛の補強を敢行!まずはサイドバック候補として、アルディージャから奥井選手とグランパスから金井選手を獲得。(ちなみに2人とも契約更新後の移籍。ちょっとした騒ぎに。)
ゴールキーパーにはコロンビアリーグからのブラジル人・ヴォルピ選手を獲得。セービング技術だけでなく足元の技術にも定評があるヴォルピ選手は、今シーズンから指揮を執るクラモフスキー監督の希望であろう。さらに守備の要であるセンターバックには、ブラジル1部・セアラーからヴァウド選手を獲得し、U23日本代表の岡崎選手もFC東京からレンタル移籍で確保。昨シーズンに比べれば、質量ともに改善されたとみていいだろう。
攻撃陣に目を向けると、トリニータから後藤選手を獲得した。ただ、失礼ながら後藤選手だけではドウグラス選手の穴は防げない。フロントもそこは認識しており、タイ代表で2018シーズンにはサンフレッチェでもプレーしたティーラシン選手を獲得。さらにスイス・ルガーノからブラジル人のカルリーニョス・ジュニオール選手も獲得予定 (2月5日時点)。(ちなみにルガーノはラファエル・シルバ選手がアルビレックス移籍前に在籍していたクラブ)
2列目には西澤選手や金子選手、石毛選手や滝選手、中村選手とスピードやゴールへの嗅覚に優れた選手が多く、河井選手のようなゲームメイカーもいる。ジュニオール・ドゥトラ選手のような試合終盤の切り札になりえるドリブラーも控えており、かなり層は厚い。前線の補強も進み、なかなか面白い攻撃陣が完成した。
あとは、クラモフスキー監督の下で進んでいくであろう攻撃サッカーへの対応である。マリノスではヘッドコーチを務め、「ポステコグルー監督の右腕」として指導してきたクラモフスキー監督なので、おそらくキーパーから繋いでいくスタイルになる事だろう。
不安材料は、あの「堅守マリノス」がポステコグルー体制1年目の2018シーズンに56失点(前年比だと20失点増)していること。ただでさえ、リーグワーストだった守備陣がスタイル転換の中、どこまで耐えられるかが不安である。
「スタイルを変える」ということは痛みを伴うものだが、エスパルスはその痛みを伴ってでもスタイルを変化させる覚悟ができているか。そして、ギリギリの戦いになるであろう残留争いの中でブレずにやり遂げるか。大きな転換期を迎えるシーズンになりそうだ。
注目選手 ヴァウド選手
守備陣再建のため、この選手に白羽の矢が立った。
2019シーズン、ブラジル1部リーグで30試合出場の実績を誇るこの選手が活躍するかしないか。そこが今シーズン、そしてその先のエスパルスのチーム戦略を大きく分けることになるかもしれない。
次回は16位から18位について書いていきます。
(2/7投稿 リンクは以下のとおりです。)
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以上