今回はそんなベイスターズ投手陣を展望していくことにする。
先発陣
当確 → 今永投手
有力 → 濵口投手 上茶谷投手 平良投手 坂本投手
当落線上 → 大貫投手 飯塚投手 京山投手 阪口投手 井納投手 ピープルズ投手 櫻井投手
流動的 → 石田投手
まずは先発陣から。
東投手が2月に「左肘内側側副靭帯再建手術」通称「トミージョン手術」を受けることが決まった。その影響で、先発ローテ当確と言えるのは、2019シーズンに13勝をあげ、侍ジャパンにも選出された今永投手のみと言える。この人に関しては特別なことをせずに、いつも通りの調整をしてくれればなんの問題もないだろう。
問題は残りの投手たちだ。先発ローテを6人で形成すると仮定すると、残り5枠を誰が埋めていくのか。
ラミレス監督は当初、「先発ローテ全員左腕計画」を口にしていた。もちろんリップサービスも含んでいるだろうが、もしその言葉を信じるとすると、東投手と今永投手に加えて、濵口投手、坂本投手、櫻井投手、石田投手ということになる。まともに考えればこの青字で書いた4人に可能性があるということになる。ただ、2ケタ勝利の経験のある濵口投手と即戦力ルーキーの坂本投手はともかく、高卒3年目で一軍での先発経験のない櫻井投手が有力というのは少し期待過剰かと思い、ここでは「当落線上」としている。ただし、ゆくゆくは先発ローテに入って欲しい投手だし、打撃もいいということで、期待を込めての先発ローテ入りは十分にあり得る話である。
また、石田投手についてはエスコバー投手の怪我がどれほどのものか、2019シーズンに怪我や不調でいない期間の長かった中継ぎ投手陣(三上投手、砂田投手、パットン投手)がどんな状態かにもよって起用法が変わりそうなため、「流動的」に入れている。ただ、個人的には先発ローテで安定した投球ができる投手は1枚でも多く欲しいので、先発として1年間投げて欲しいと思っている。
右腕たちもただ指をくわえて見ているわけではない。2019シーズン7勝をあげ、完封勝利もあげた上茶谷投手、6勝をあげ、このオフにはウィンターリーグでさらなる成長を遂げた大貫投手、5勝をあげた変則サイドスローの平良投手、開幕投手経験のある井納投手がいる。この4人が全員先発ローテに入ってくることだって十分にあり得る。期待の若手でいえば、飯塚投手、京山投手、阪口投手がいる。そろそろ殻を破って欲しい3投手、期待値は相当に高い。ピープルズ投手だって2軍にいるために日本に来たわけではない。196センチの長身から力のあるストレート、大きなカーブを武器に必ず戦力になってくれる投手だ。
リリーフ陣
中継ぎ
勝利の方程式 → パットン投手 三嶋投手 エスコバー投手(復帰し次第)
リードもしくは僅差ビハインド → 国吉投手 三上投手
ロングリリーフ → 齋藤投手 赤間投手 笠井投手
ショートリリーフ → 砂田投手 藤岡投手 武藤投手
敗戦処理・大量リードから → 伊勢投手 濱矢投手 平田投手 進藤投手
抑え → 山﨑投手
続いては、リリーフ陣。
エスコバー投手が膝の怪我で2軍に降格した。2019シーズン、74試合に登板した中継ぎの柱。この投手の離脱はチームに大きな影響を与えそうだ。可能な限り早い復帰を待ちたいところだ。(もちろん復帰後はすぐに勝利の方程式として頑張ってもらいたい。)
とはいえ、このチームにはエスコバー投手以外にも頼れる投手はたくさんいるということを忘れてはいけない。
「勝利の方程式」を担って欲しい投手としてはパットン投手と三嶋投手を挙げたい。
2019シーズンは「冷蔵庫パンチ」ばかりが目立ってしまったパットン投手。不完全燃焼極まりないシーズンだったはずだ。今シーズンは外国人選手が6人になり、厳しい争いを強いられるかと思われた。だが、エスコバー投手の怪我による離脱で形勢逆転。中継ぎ投手として貴重な戦力となるため、一気に優位な立場に立った。ただし、それはあくまでも「結果を残せば」の話。今シーズンも2019シーズンのような投球をしていると、外国人選手枠もピープルズ投手に取って代わられるだろう。2017・2018シーズンのような活躍を見せ、再び必要不可欠な存在になれるか。「ショーグン」の復活に期待だ。
一方の三嶋投手。2019シーズンの序盤は苦しんだ。打ち込まれる試合も多く、2018シーズンの疲労が色濃く残っている印象だった。しかし、シーズンが進むにつれて徐々に本来の力を発揮し、最終的には71試合に登板し、エスコバー投手と共にリリーフ陣を支える活躍ぶりだった。リード時、同点、ビハインド時と、どの場面でも投げていた(投げざるを得ないチーム状態だった)が、できれば場面を固定して投げさせてあげたい投手だ。個人的な意見だが、「3点差以内リードの7回or8回に投げる」という形で固定してあげれば、防御率2点台もあるのではないかと思っている。ちなみに、本拠地横浜スタジアムでかなり打ち込まれているのは気がかりだ。(2019シーズンは防御率4.62)ここは要改善だ。
リードもしくは僅差ビハインドの場面で期待したいのは国吉投手と三上投手だ。
国吉投手の2019シーズンは激動だったと言える。オープン戦で158キロを記録して期待と注目を浴びた。しかし、開幕2戦目のドラゴンズ戦で1イニング4失点を喫し、「今年もダメか」と失望を買ってしまう。ところがロングリリーフで好投を続けると、4月のジャイアンツ戦で161キロを記録し、再び注目を浴びる。その後は好不調の波はあれど、特にピンチの場面での好投が多く、チームに欠かせない存在に成長した。今シーズンは、2019シーズン1年間を通して投げた実績とそれによって得られた自信を持ってシーズンインすることができる。役割としても僅差の重要な場面を任されることは確実だ。
一方、故障からの復活を違う三上投手。これまで積み上げた実績はリリーフ陣ではトップクラス。ブルペンのまとめ役としても貴重な存在であり、今年は1年間通して投げてもらいたいところ。不安があるとすれば、やはり故障した肘だが、休養もしっかりとし、昨シーズンの分も挽回してくれると期待したい。
ロングリリーフ枠には齋藤投手、赤間投手、笠井投手を予想した。3人とも複数イニングを投げられるスタミナがあるので、イニングを稼ぎたい時、流れを変えたいときにはこの3人を中心に回していってほしいところ。
ショートリリーフ枠には左は砂田投手と右には藤岡投手と武藤投手を予想。左打者多めのところには、昨シーズン16登板に終わり、雪辱を期すシーズンとしたい砂田投手を。右打者多めのところには、投手陣最年長でベテランらしく仕事人ぶりを見せつける藤岡投手と昨シーズンも活躍を見せてくれた武藤投手を、それぞれ使い分けながら、リリーフ陣に厚みを持たせる活躍を期待したい。
伊勢投手、濱矢投手、平田投手、進藤投手の4人は敗戦処理・大量リードの展開での登板から始まることになりそう。登板する1試合1試合から信頼を掴み、僅差のゲームで投げれるようになるまでになってくれるようになると、チームとしては助かるはず。
そして守護神は今年も山﨑投手で固定でいいだろう。もはや説明不要。5年連続20セーブ以上、2019シーズンのセーブ王は今年もベイスターズの9回を締めくくる。課題があるとすれば夏場に打たれることが多いことだが、今年はその時期にオリンピックがあるので、ベイスターズ的にはそこまで影響はないか。
ということで、ベイスターズ投手陣を展望してみた。先発陣には若い投手が多く、1人1人の持つポテンシャルは大きい。リリーフ陣には選手としての全盛期を迎える投手が多く、復活を期す投手も多い。ケガをし、今季の登板が絶望的になってしまった選手も出ているが、そういった選手たちの分も奮闘してほしいと思う。
次回は野手編を書いていくことにする。
(リンク貼りました。良かったら読んでください。)
kka2b-sportswokataritai.hatenablog.com
以上