前回書いたものの続きです
前回の記事はこちらのとおり
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外野手
①西浦颯大選手(背番号00)
長所→俊足、外野守備力の高さ
短所→得点圏打率の低さ、「最低限」をこなせる確率の低さ
西浦選手は打撃センスもあり、俊足。基本的な守備力も高く、肩も強い。素材だけであれば「イチロー二世」になれる選手。3年後には「1番・センター」を不動の地位にしてもらわないといけない選手だ。
ただ今シーズン、得点圏打率が低く(8月27日時点で15打数2安打 打率.133)、ランナー2・3塁の場面では3打数0安打、3三振といわゆる「最低限の仕事」が上手くない印象を与える。
まだ21歳なので、こういったところは「経験値の低さ」が出てしまっているではと思われる。この辺りは実戦を積んで、成功体験を重ねていくことが必要なのだろう。
②宗佑磨選手(背番号6)
長所→ツボにはまったときの長打力、三塁と中堅を守れる万能性
短所→ミート力の低さ、足の速さの割に盗塁が上手くない
なかなか覚醒の兆しを見せない宗選手。身体能力の高さは間違い無く本物。であるにもかかわらず、それをほとんど活かせていないのが現状だ。
ツボにハマった時の長打力は素晴らしい。7月25日の楽天戦で放ったランニングホームランも、低めの、決して簡単なボールではないのにそれを掬い上げてフェンス直撃打を放った。今シーズンここまでの26安打中7二塁打1本塁打と長打力はなかなかのものがある。
しかしながら、ミート力に難がある。8月27日時点で121打数23三振はやはり多すぎる。それくらい三振するなら、その分長打を狙ってフルスイングしているかと言われるとそうでもない。どうせ三振するなら振り回してみればいいのにと素人目には見えてしまう。
また、足は速いが盗塁ができるというわけでもない。(ここまで2盗塁5盗塁死)
本来は直球系に強く、長打も期待できる選手のはず。「足も速いし、1番起用」という声もある(実際私も去年までそう思っていた)が、この打撃成績では厳しすぎる。それであれば、6番ないし7番あたりに置いて長所である「ツボにハマった時の長打力」を発揮するために振り回してもらった方がいい気がする。
③アダム・ジョーンズ選手(背番号10)
長所→長打力、初球から振り切れる思い切りの良さと意外に選べる選球眼
短所→走塁力・守備力の低さ
ここまで期待に応えているとは言えないジョーンズ選手。実際、ファンからの風当たりも強い。
しかし、私はメジャー時代の実績からシーズン前に想定していたジョーンズ選手の姿と違っていたという驚きの方が強い。
ジョーンズ選手は本来フリースインガーである。14年間にわたって活躍していたメジャーの舞台。しかしそこで選んだ四球の数はかなり少なく、1シーズンで最も多く選んだのは2016年の39個(敬遠2つ含む)。打席数は672打席を数えていたので、17打席で1個選ぶ程度だった。
出塁率にもそれは表れている。メジャー通算打率は.277だが、出塁率は.317(打率との差にして.040)という成績。これだけでも分かるとおり、本来はフリースインガー中のフリースインガーだ。
ところが今シーズン、(27日終了時点で)220打席で22個の四球を選んでいる(10打席に1個の四球)。打率.249に対して出塁率は.323(打率との差にして.074)。思っていたより選球眼が高く、1試合で最低でも1回は出塁してくれる印象がある。
それでいながら、初球から積極的に振ることもできる。どん底の時はそれができなくなるほどだったが、最近は初球からスイングする姿が戻ってきた。それがジョーンズ選手の持つ一番の良さなのだから、そのままやってくれればいい。
こういう「初球からスイングできる割に、水準程度の選球眼も持つ」ジョーンズ選手は「後ろに確実性とパワーを備えた怖い選手が控えている打順」に置きたいところだ。要するに吉田正尚選手が後ろに控えている打順に置きたいところ。(この理由は第4編で書く予定)
なお、守備力と走塁力はもう「お察し」のレベルだ。本人が「守りたい」にしても週1回、吉田正尚選手の休養のためにレフトを守る程度に留めてくれないと、チームの守備が崩壊しかねない(笑)
④吉田正尚選手(背番号34)
長所→確実性・パワーともに高次元で兼ね備えた打撃
短所→特になし(強いてあげれば「守備が多少雑」くらい)
吉田正尚選手については、正直欠点がないので、ほぼ言うことない。
確実性・パワーをハイレベルで兼ね備えている上、2番・3番・4番のどこでも自分のバッティングができる。「4番というだけで力む」選手、「チャンスで力んで結果を残せない」選手が多いオリックスにおいて、こういう人材は貴重。そういったメンタルも含めて、この人には4番固定でいってほしいと思っている。(本来は、出塁力も圧倒的な吉田選手が3番に座れるくらい4番がしっかりしていれば1番いいのだが)
ちなみに短所を書く際、あまりにも思いつかなかったので守備のことを書いたが、はっきりいってここまでくると言いがかりのレベルである。(笑)
⑤佐野皓大選手(背番号41)
長所→圧倒的なスピード
短所→打撃力の低さ
昨シーズンから「足のスペシャリスト」に名乗りを上げた佐野選手。少なくとも足の速さだけなら福岡ソフトバンクの周東選手並みで、リーグトップクラスであることは間違いない。
ただ投手からの転向からまだ3年目ということもあってか、打撃力は低く、レギュラーになるには守備面も多少弱いか。さらに言うと、佐野選手がスタメンで出てきた場合は同時に代走の切り札も失うことになるので、今のチームの戦略的にはやはりスタメン起用は避けていきたいか。せめて佐野選手並みのスピードを持った選手がもう1人出てきてくれれば多少は佐野選手をスタメンでも使いやすいのだが。そこは来シーズン以降の解決に期待か。
身体能力はかなり高く、「足だけの選手」にするにはもったいない。身体能力を考えれば北海道日本ハムの西川選手や千葉ロッテの荻野選手並みのスピードスターになれる選手になれる、それくらいのポテンシャルはあるはず。現在のウィークポイントである打撃に関しては打席に多く立たせないと何ともできないところがあるので、将来を見据えた時にはどこかで継続的なスタメン起用をしないといけないのだろうが・・・。それは今シーズンでないということだけは確かか。
⑥小田裕也選手(背番号50)
長所→高いレベルの守備力・走塁力
短所→打撃がやや弱い
高いレベルでの守備・走塁力を持つ小田選手。「高すぎる顔面偏差値」もあり(?)、1軍に帯同し続けている。
とはいえ、打率は良くても.250前後、長打力があるわけでもない。年齢的にも30歳、そうなってくるとレギュラー奪取というのは難しいか。過去に3度のサヨナラ打(ワイルドピッチも含めると4回)を多く放っている勝負強さがあるので、基本的には外野のスーパーサブ的なポジションになってくるだろう。
こういう選手はベンチにいてくれるとこの上なく頼もしいが、スタメンで起用する状況になると「今、チーム状況悪いんだな・・・。」というちょっと思ってしまうのは私だけではないはず。
⑦T-岡田選手(背番号55)
長所→圧倒的なパワーを武器にした長打力、球数を多く放らせる打席が多い
短所→「ここぞ」の場面で「当てにいってしまう」メンタルの弱さ
2010年、22歳でパ・リーグ本塁打王に輝いたT-岡田選手。そのポテンシャルに多くのファンが期待し、未だにあの時の姿を追いかける人たちは少なくない。
そういった方からの「6番、7番といった楽な打順でのびのび打たせるべき」「いやいや、能力を考えると4番になってくれないと困る選手」という声も多く聞こえてくる。
だが、私はこの考えに反対の姿勢を持っている。
というのも、T-岡田選手が本来の能力を発揮できない理由は
「後ろに怖い選手がいない打順で起用されているから」
だと思っているからだ。
2010年の本塁打王に輝いた時の後ろには、勝負強さと豊富な経験を持つ北川選手や長打力と勝負強さを持つバルディリス選手がいた。
2014年、チームの優勝争いに貢献し、24本塁打を放った時の後ろには得点圏での強さを誇るヘルマン選手や坂口選手、くせ者タイプの川端選手がいた。
「後ろに怖い選手が控えているところでこそ力を発揮できる」、そういうタイプの選手なのではないだろうか。
今のオリックスで、例えば5番で起用された場合。6番以降に怖い打者が置けるほどの選手層があるかと言われると、申し訳ないがそう思えない。この状況もあって今、結果を残せないのではないのだろうか。
短所のところに書いた「『ここぞ』の場面で~」というのも、後ろに怖い選手がいないときによく出る印象。代表的なのは8月9日の千葉ロッテ戦。
1点ビハインドの8回裏、1死満塁の場面
この場面で打席が回ってきたのが、この試合4番に座っていたT-岡田選手。結果は外角高めの完全なボール球を「当てに行っただけのバッティング」で、サードへのファールフライ。続く伏見選手もストレートに全く合わずに三振(この日の伏見選手はかなり良くなかった)となり得点機を逸した。
「後ろに怖い選手がいれば」、「後ろに吉田正尚選手がいれば」と思わずにいられない場面だった。
本来、T-岡田選手は選球眼もあり、球数も多く放らせながら、甘いボールを痛打するということができる選手のはず。ランナー状況別の打率を見ても「ランナーが居ると打てない」「チャンスの場面で弱い」わけではないということが証明されている。
(8月27日時点でランナーありの場面では打率.308、得点圏打率は.300)
ところが、後ろに怖い選手がいないときはその長所をつぶしてしまう場面が多くみられる。
であれば、後ろに怖い選手がいる打順で使っていけばいいのではないだろうか。
それも、待球タイプのT-岡田選手とフリースインガーのジョーンズ選手という正反対のタイプでくっつけてしまえば、かなり面白いのではないだろうか。
⑧松井佑介選手(背番号56)
長所→意外性のある打撃
短所→調子の安定性に欠ける
2軍での好調もあって、とうとう1軍に昇格した松井祐介選手。意外性のある打撃、左投手に対する強さ、水準レベルはある守備力と能力は高いはず。
ただ、とにかくケガが多く、それもあって調子の安定性に欠けるなど、レギュラーにするにはなんともといった感じが。年齢的にも33歳で、今からケガをなくしてスタメン定着となるには少し遅いか。「右の代打の切り札」としての活躍が求められる形がベストかと思われる。
⑨杉本裕太郎選手(背番号99)
長所→ロマンあふれる打撃
短所→守備力の低さ、致命的に低いミート力
バットに当たればとんでもない飛距離を放つが、アウトの半分が三振という「ラオウ」こと杉本選手。こんなに極端な選手は過去のプロ野球界を見てもそうそういないタイプだろう。190センチ102キロの体格、その体格なのに足は速いし、肩は恐ろしく強い。ところが謎のエラーもやらかす。走攻守ともにロマンにあふれまくった選手という感じだ。
8月27日時点で通算102打数15安打 7本塁打 42三振
アウトに対する三振の割合は.483(元近鉄のラルフ・ブライアント選手の.538にも迫る勢い)
一方、安打に対する本塁打の割合は.467(約2安打に1本は本塁打)
ここまで極端だとファンにとっては分かりやすいので、すごく評価される選手なのだろう。(特に今シーズンは2軍で好調だったので「1軍に上げろ」という声がすごかった。)
しかし、通算打率.147、29歳の選手を継続的に使おうとする首脳陣を、過去のプロ野球界では見たことが無い。
「仰木監督はブライアント選手を使い続けて結果を出した」
「これだけ本塁打の魅力を持った選手を使わない意味が分からない」
という声もあるが、ブライアント選手は打率にして.250は打てるだけのミート力はあったので使えたというのもあるだろう。これでブライアント選手が打率.150の選手だったら仰木監督も使い続けていたか、分からないところだ。
これから使い続けてミート力が劇的に改善されれば話は別だが、今のところはその姿が想像できないのが正直なところ。仮にスタメン起用したとして、7~9番に置くのがベストではないだろうか。
とはいえ、杉本選手の長打力を全く使わないのは惜しいとは私も思っている。
とりあえずミート力を少しでも伸ばして、起用法に幅を持たせることができるようにはなってほしいところだ。
第4編へ続く